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メキシコの“移動手段”事情


渋滞する街、“メキシコシティー”
 メキシコの首都であるメキシコシティーは、ナビゲーションシステムなどで有名なオランダの会社"TomTom"の発表した『夕方の交通渋滞が深刻な都市ランキング (2017)』にランクインしている。
同ランキングでメキシコは2位だが、TomTomは、「メキシコの都市は1日中を通しての渋滞ランキングでは1位になると考えられる」としている。
 メキシコの交通渋滞について、TomTomの交通に関する専門家は、「メキシコは広範囲にわたる地下鉄システムがあるが、人口が増加している地域へ広がっておらず、仕事へ行く際に車以外の選択肢がないことから、渋滞が起こる」としている。(参照:CNN Money記事)
 そんな渋滞に悩まされているメキシコであるが、前述した“広範囲にわたる地下鉄システム”の他にも、移動手段はかなり充実している。
 海外に行った際に、知らないと困ったり、危険な目に遭ったりする事もある“移動手段”だが、ここでは、移動手段の1つである“ECOBICI(エコビシ)”と、いくつかあるメキシコの公共交通機関の中から“メトロ”と“メトロブス”、について紹介する。

交通渋滞を回避!3つの移動手段
 自転車のレンタルサービス“エコビシ”
 2010年に開始した自転車のレンタル制度“エコビシ”。
 在住者向けの1年間契約と、短期滞在者向けの短期間契約(1週間・3日間・1日)があり、契約し、会費(年会費416ドル)を払うと45分間まで、無制限に何回でも利用できる制度。45分を過ぎると、追加料金がかかる。7年前に制度が始まった際は、84のステーション、1200台の自転車という規模であったが、現在、452カ所の自転車ステーション、6000台以上の自転車がある。(ECOBICIのHPより)返却するときは、借りたときのステーションと違っていても問題ないため、気軽に利用できる。お客様サービスセンターなどで契約の手続きが可能である。

 前述した様に、1日中渋滞に悩まされている都市であるため、タクシーを利用するよりは、エコビシを利用する方がスムーズに移動できるのかもしれない。

“メトロ”
 メトロに関する情報が載っているホームページ上に“世界一安い運賃”と記載されているが、一度の乗車でたった5ペソ(日本円で約30円)と本当に安い。どこに行っても、何度乗り換えしても5ペソである。メトロに乗車するには、窓口で紙の乗車券か、チャージ式のカード(初期費用で10ペソがかかる。メトロブスでも利用可能。)を購入する必要がある。紙の乗車券を使用する場合は、日本の地下鉄と違い、改札に入れた乗車券は出てこない事を知っておきたい。また、日本の地下鉄の様に、乗客が乗り降りしたかどうかを確認しないため、なるべく素早く行動し、挟まれないように気を付ける必要がある。

“メトロブス”
 前述した様に、渋滞することで有名なメキシコの中で、専用のレーンを走るため、交通渋滞の影響が少ない“メトロブス”。紙の乗車券はなく、チャージ式のカードのみ。(初期費用として10ペソ、1回分の乗車は6ペソ)ただし、空港行き、空港からの乗車は30ペソと、少し高い。1回分の乗車料はメトロと比べ、1ペソしか変わらないが、監視カメラがついていたり、警察官がいたり、と治安面の対策がされているようである。

スリの被害にあったら…
 海外で公共交通機関を使う際、気を付けたいのが治安についてである。日本の公共交通機関と違い、海外ではスリの被害が多いため、気を緩めてはいけないというのはよく聞く話であるが、もちろんメキシコも例外ではない。
 在メキシコ日本国大使館のホームページでは、強窃盗事件が多発しているため、公共交通機関の利用について注意喚起が載せられている。対策として、「入り口付近にとどまらない」、「荷物は前に持つ」などスリに対する警戒心を常に持ち、強窃盗事件に遭わないよう気をつける事も必要であるが、もしそのような事態に遭遇した場合は、相手は銃器を所持している可能性があるため、抵抗しないことが大事である。


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