ベトナムの自動車市場、東南アジアで最も急成長(5月16日)
NikkeiやPwCの報告によると、2025年第1四半期におけるベトナムの自動車販売台数は前年同期比24%増、4月単月でも21%増と、東南アジア諸国の中で最も高い成長率を記録した。一方で、ASEAN全体では1.7%の減少が見られた。
この成長は、安定した経済成長、中間層の拡大、政府の支援政策、そしてVinFastというベトナム自動車・バイクメーカーに代表されるEVの台頭が背景にある。VinFastは新車販売の約20%を占めている。
PwCは、ベトナムが2025年もフィリピンやシンガポールと並び成長をけん引し、2030年には電気自動車生産の地域拠点となる可能性があると予測している。
一方で、ベトナムの自動車産業は依然として輸入部品への依存が高く、現地調達率は約20%にとどまる。中国メーカーの攻勢が続く中、専門家は企業に対して、戦略的提携やビジネスモデルの見直し、内製化の推進を呼びかけている。
ベトナム電力公社(EVN)が電子決済のエコシステム構築へ向けたデジタル化の加速を発表(5月18日)
ベトナム電力公社(以下、EVN)の総裁が、政府のデジタル転換委員会会合にて、電子決済およびサービスのデジタル化進展の成果を報告した。
EVNは2021年にデジタル転換の全体計画を策定しており、2025年までにデジタル企業への移行を目指している。2024年末時点でデジタル化レベル4(達成率81.89%)を達成しており、AI、ビッグデータ、電子署名、IoTなどの技術導入により、年間約3兆ドンのコスト削減を実現した。
特に電子決済は重点施策として位置づけられ、2015年には電子請求書を全社に導入、2017年には国家銀行と連携し決済の全国対応を実現、2022年からは電力契約・手続きをすべてオンライン(レベル4)で提供している。この他、スマートメーター導入も進めており、32省で100%導入済みである。全国の遠隔検針率は95.5%を超え、非対面での消費監視や料金確認も可能になった。
さらに、EVNは政府の各種データベース(住民データベースや電子身分証(VNeID)、企業登録情報、税務システム)とシステム連携し、電力料金の照会・支払い・進捗確認を一括で実施できる仕組みを整備した。これにより、2024年の非現金決済率は97.19%、金額ベースでは99.39%に達した。
今後は、2025年5月までに住民データとの照合を完了し、個人はCCCD(国民ID)、法人は税番号による本人確認を導入予定である。土地関連データとの連携も進め、手続き簡素化とサービスの利便性向上を図るとしている。
農業・環境省はベトナム25省がココナッツを輸出していると発表した(5月21日)
農業・環境省は、ベトナムはココナッツ栽培面積で世界第5位、年間生産量は約200万トンに達していることを発表した。
現在ベトナム全国で25省がココナッツを栽培しており、その大部分はメコンデルタ地域(西南地域)に集中している。また、栽培面積は20万ha以上で、ベンチェー省とティエンザン省の2省だけで10万ha超を占めている。
輸出製品は主に以下の4つの分野に分類され、それぞれが輸出総額に対して次のような割合を占めている:
1. 食品・化粧品・医薬品分野:この分野には50社超が参加し、45種類以上の製品を展開している。ココナッツの輸出総額の約43%を占める。
2. 工芸品・木材・農業用培地分野:この分野の製品には、工芸品、ココナッツ殻炭、ココナッツ繊維、環境処理材、専用機械などが含まれ、約15社が直接輸出している。ココナッツの輸出総額の約23%を占める。
3. 原材料系製品(粗ココナッツ油、冷凍ココナッツミルクなど):国内企業5社とFDI企業14社が関与している。ココナッツ輸出総額の約18%を占める。
4. 生鮮ココナッツ製品:主に生ココナッツを扱い、ココナッツの輸出総額の約16%を占める。
ホーチミンで「Autotech & Accessories 2025」と「Cons & Trans 2025」開幕、国内外企業400社が参加(5月22日)
「Autotech & Accessories 2025」(自動車・バイク・電動車・関連産業の展示会)と「Cons & Trans 2025」(建設機械・特殊車両・交通インフラ技術の国際展示会)がホーチミン市にて同時開催され、国内外約400社が参加し、合計500ブースが設けられた。
「限界なき革新」をテーマとするAutotech & Accessories 2025には、ベトナム、韓国、中国、台湾、タイ、マレーシアなどから300社以上が参加し、自動車・バイク・電気自動車および関連部品・メンテナンスソリューションに関する製品・技術を展示した。同展示会では、今年初めて、ホーチミン市工業技術教育大学と連携し、15チームが参加するスマートEV模型レースが開催され、若者の創造力と実践力を促進する場となった。
一方、Cons & Trans 2025は、ベトナム初開催であり、「新たな出発点」をテーマに、建設機械、特殊車両、交通インフラ分野の企業が最先端技術と製品を披露した。展示会の一環として、「デジタル変革期における建設・交通インフラの革新」をテーマにした専門セミナーも開催され、業界全体の連携と技術革新を後押しする機会となった。
ViettelとKTがAIによるデジタル変革推進で戦略提携を締結(5月27日)
ベトナムのViettelグループ(軍事通信産業グループ)と韓国の通信大手KTグループは、人工知能(AI)を基盤としたデジタルトランスフォーメーション(AX:AI Transformation)の推進に向けて戦略的パートナーシップ合意(SPA)を締結したことを発表した。
提携の目的は、ベトナム国内外におけるAI活用の拡大と、ベトナムの技術競争力の強化にある。Viettelは大規模な通信インフラと市場知識を活かして国内での実装を担い、KTは韓国での実績を活かしたAI・AX技術を提供する。
両社は、AIプラットフォーム、エコシステム、GPUクラスタ(高速演算AIサーバー群)の構築を進め、ハノイにグローバル開発センターを設立し、IT・AX人材の育成も行う。
Viettelは今後、AXを活用して一般家庭から企業・政府までを対象にした包括的なAIソリューションを展開し、国家のデジタルインフラを高度化する方針。KT側は、Viettelとの連携により、ベトナムと韓国をAI活用の先進国へと導く意向を示した。
両社はこの協力を通じて、グローバル展開可能な先進的デジタルエコシステムの構築、人材育成、ベトナムと韓国の技術的地位の向上を目指している。