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タイのニュース&トピックス:2024年3月後半


日系調味料メーカーの味の素がタイで肥料事業を開始(3月16日)
 日系調味料メーカーの味の素は、タイで肥料事業を開始したことを発表した。
 味の素は、グルタミン酸生産菌を発酵させて製造するが、この際、キャッサバからでんぷんを搾り取った残滓をエネルギー源として与えて
発酵させ、グルタミン酸を得ている。キャッサバはタイの主産品の1つである。グルタミン酸ナトリウムの製造に使用されていない様々な農産物原料を利用して、肥料事業を開始することとした。
 味の素の肥料は同社の発酵技術を活かした「アミノ酸肥料」で、生産はグルタミン酸ナトリウムの主要生産工場であり、大量のキャッサバ
原料の供給源であるカンペーンペット工場で行う。
 また、味の素は、グルタミン酸ナトリウムの生産プロセスから得られる副産物を管理し、それらを製品として開発する際に持続可能性を
生みすため、「環境モデル事業会社」として味の素FD Green (Thailand) 社を発足した。
 現在、同社の製品は 11 製品あるが、農産物(ニンニクやコーヒー豆など)と 農業向け製品(植物用製品と動物用食品)の2つのカテゴリーに分けている。
 同社は、農業事業の売上を現在の2.5倍にすることを目標としており、間接温室効果ガスの排出量の削減にも取り組むとしている。

Innopower社が電気自動車(EV)組立事業への参入を計画(3月28日)
 タイ国営発電庁(Egat)傘下のエネルギー開発会社Innopower社は、電気自動車(EV)の組立事業への参入計画を発表した。
 同社は5億バーツの予算でEV工場への投資を予定しており、今年第2四半期までに完了する予定である。EV企業と提携してEV組立工場を
共同運営する計画である。
 昨年、同社は、Egatがタイの北部にあるランパーン県の褐炭鉱山で使用していたガソリン車をバッテリー駆動車に移行することを支援した。また、 EVの「充電の待ち」を管理するデジタル プラットフォームも提供している。さらに代替エネルギーとしての水素燃料の利用も研究
している。
 同社 は、スマート エネルギー ソリューションの提供と再生可能エネルギー証明書の取引を通じて、二酸化炭素排出削減量を2023年の100万トンから今年200万トンにすることを目指している。



Carabao Group社が新規参入を妨げる可能性のあるアルコール規制法案に懸念(3月20日)
 タイの栄養ドリンク大手Carabao Group社は、アルコールの広告に対する厳しい規制を盛り込んだ、新たなアルコール規制法案が、
アルコール飲料市場への新規参入を妨げる可能性があるとの見解を示した。
 タイの2023年のビール市場は2,600億バーツに相当し、アルコール飲料市場の中で最大のセグメントとなっている。タイのビール市場は、
コロナウイルス感染拡大以来消費者の購買力が低下していることから、今年は横ばいになると予測されている。公衆衛生省による新しい酒類
法案は、アルコール関連の広告に対するより厳しい規制を課すことになり、需要回復の妨げになる可能性がある。
 Carabao Group社は、2023年11月にビール製品の発売を開始している。Lotus's、Gourmet Market、Tops などのスーパーだけでなく、
レストラン、パブ、バーなどのチャネルを通じて販売されているが、他社と比べて販売場所が限られているという課題がある。今年、市場
シェア10%を達成し、ビール市場でトップ3の地位を確立することを目指している。
いすゞ自動車がタイでのバッテリーセルと電動ピックアップトラックの製造計画に1兆円を投資(3月21日)
 いすゞ自動車は、2030年までに1兆円(2,400億バーツ)を投じて電気自動車の輸出拠点を建設する計画を発表した。予算の一部はタイでのバッテリーセルと電動ピックアップトラックの製造に割り当てられる。。
 現状、バッテリー生産施設の建設場所の詳細は未定であるが、D-Max電気ピックアップトラックを組み立てる工場の建設場所として
サムットプラーカーン県サムローン地区を検討している。
 同社は2025年にバッテリー駆動のピックアップトラックをヨーロッパに輸出したいと考えている。次にオーストラリアへの輸出・販売を計画している。
 同社は、2022年から2023年にかけてEVの生産と購入を促進するためにプラユット・チャンオチャ政権が立ち上げたEV3.0奨励制度に参加
した。また、同社はトラック用の水素燃料を開発しており、カーボンニュートラルを目指した車両の開発にも取り組んでいる。



Gulf Energy Development社がSungrow Power Supply社と蓄電システムおよびパワーコンディショナーのマスター供給契約を締結(3月27日)
 電力事業を行うGulf Energy Development(以下GULF)社は、中国を拠点とするインバーターおよびエネルギー貯蔵システムの世界有数のサプライヤーであるSungrow Power Supply社(以下SUNGROW)とGULF社のグループ会社および子会社の太陽光発電所プロジェクト向けに蓄電システムおよびパワーコンディショナーのマスター供給契約を締結したことを発表した。
 設備生産量は約3,500メガワットで、2024年から2030年にかけて段階的に商業運転を開始する予定である。この提携は、再生可能
エネルギー事業の成長を促進するという両社の取り組みを反映している。
トヨタ自動車がタイで電動ピックアップトラックの製造計画を発表(3月27日)
 トヨタ自動車は、タイで電動ピックアップトラックを製造することを計画していることを発表した。
 同社は、サムットプラカーン県のサムローン地区にある工場とチャチューンサオ県のゲートウェイシティ工業団地にある工場で電気
ピックアップ社を生産する計画を立てている。タイのピックアップトラックの販売台数は家計債務水準の上昇を理由に銀行が自動車ローンの
基準を厳格化したことにより低迷しているが、タイの自動車産業の改善にはEVが重要な役割を果たすと同社では考えている。
 タイ工業連盟(FTI)によると、昨年のピックアップトラックの国内販売は前年比31%減の26万4,738台となった。昨年の国内自動車販売
台数は77万5,000台強で、前年比8.7%減少した。
 なお、トヨタ自動車のタイでの今年の自動車販売台数は合計25万台、市場シェアの34.4%を占めると予想している。また、2024年のタイ
国内の自動車総販売台数に関しては73万台と予想している。これは家計債務水準の上昇による購買力の弱さが原因で、当初の予想75~80万台
から下方修正している。



政府が庁舎で使用するエネルギーを水素ガスによる自家発電にすることを検討(3月28日)
 政府は、チェーンワタナ政府庁舎で使用するエネルギーを水素ガスを利用した自家発電に変更することを検討していると発表した。
 チェーン ワタナ政府庁舎の敷地面積は449ライ、総使用可能面積は929,000平方メートルであり、現在、ソーラーパネルによる発電を
行っている。
 財務省傘下の国営企業であるDhanarak Asset Development社 (以下DAD) は現在、構造設計、建築工事、配管やエネルギー生産設備などのシステム設計を含む詳細な計画を設計するコンサルタントを募集している。DADの本社があるタナピパットビルからスタートする予定である。
 水素ガスからの発電プロセスは、主に建物の屋上の太陽光パネルから生成される再生可能エネルギーを利用して水から水素を分離する技術が採用される。また、夜間の予備使用に備えてバッテリーにエネルギーを蓄えるシステムも導入される。実現可能性調査では有望な結果が
示されており、さらなる詳細な設計を行っている。
 調査結果が確認されれば、4年間で1,000万バーツ以上の予算が見込まれ、2027年までに実施が完了する見込みである。タナピパットビル
事業が成功すれば、この取り組みはチェーンワタナ政府庁舎内のその他のビル、そして将来的にはDAD 建設プロジェクトにも拡大する予定
としている。

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