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インドネシアのビジネスニュース:2025年11月前半


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Pupuk Indonesiaが国内初のソーダ灰工場を建設(11月2日)

 国営の肥料メーカーであるPupuk Indonesia社は、子会社のPupuk Kalimantan Timur社(Pupuk Kaltim)とRekayasa Industri社(Rekind)において、インドネシア初のソーダ灰工場の建設を正式に開始したと発表した。
既存のアンモニア製造施設から発生する副産物である二酸化炭素(CO2)を活用して、ソーダ灰を生産する。ソーダ灰は、ガラス、洗剤、食品、セラミック、パルプ・紙産業など、国内の様々な産業分野で必要とされている。
 同工場は年間30万トンの生産能力を目標としており、これまで輸入に依存してきた国内需要の30%を満たすことが可能となる。また、同工場の稼働により、ソーダ灰を輸入から国産に切り替えることによる外貨節約効果が年間最大1兆ルピア、副産物である塩化アンモニウムによる節約効果が年間約2,500億ルピアと見込まれている。
 さらに、環境面において、この工場は年間約174,000トンのCO2を吸収できると予測されており、2060年までのネットゼロエミッション目標に大きく貢献する。副産物である塩化アンモニウムは肥料原料としても利用可能であり、国内の食料自給率向上を後押しするとしている。

インドネシアの貿易黒字が2020年5月以来64カ月連続で維持(11月3日)

 中央統計局によると、インドネシアの貿易黒字は2025年9月に43億4,000万ドルとなり、2020年5月以来の連続黒字記録を64ヶ月に伸ばした。これでインドネシアの2025年1月~9月期の貿易収支は334億8,000万ドルの黒字となり、前年同期の221億8,000万ドルから113億ドル増加した。
 9月の貿易黒字額は8月の黒字額54億9,000万ドルから縮小しているものの、2024年9月の黒字額31億8,000万ドルと比較すると増加している。なお、今年の9月の貿易収支は、輸出が246億8,000万ドルであり、輸入は203億4,000万ドルであった。
 同局のデータによると、2025年9月の輸出額は前年同月比11.41%増加しており、主に非石油・ガス製品の輸出が12.79%増加したことが要因である。
 インドネシアの2025年1月~9月期の輸出額は累計で2,098億ドルとなり、前年同期比8.14%増加した。輸出の好調は製造業の堅調な成長に支えられており、同セクターは前年比12.58%増加した。
 輸出先でみると、上位3カ国は、中国(464億7,000万ドル)、米国(230億3,000万ドル)、インド(140億2,000万ドル)であった。
 一方で、9月の輸入額は前年同月比7.17%増加し、前月の6.56%減から反転した。非石油・ガス輸入は7.62%増の177億ドル、石油・ガス輸入は4.29%増の26億4,000万ドルとなった。品目別では、消費財輸入が4.06%増加、原材料・補助材料が0.21%増、資本財輸入が28.02%増加し、全体で5.28%の増加となった。
 インドネシアの主要輸入相手国の上位3カ国は引き続き中国、日本、米国であり、2025年1~9月期の総輸入額の52.71%を占めた。
 なお、2025年1月~9月期における貿易相手国別の貿易収支では、米国(134億8,000万ドル)、インド(104億5,000万ドル)、フィリピン(65億4,000万ドル)で最大の貿易黒字額となった。

Amman社が韓国と中国に銅精鉱を輸出予定(11月4日)

 インドネシアの鉱山企業であるAmman Mineral International社の子会社であるAmman Mineral Nusa Tenggara社は、政府から許可された銅精鉱の輸出が11月中に開始されることを発表した。
 同社は輸出許可に基づく契約に沿って、韓国・日本・中国・フィリピンへ銅精鉱を輸出する。
 政府は2023年半ばに国内の鉱物精錬産業の育成を加速させる取り組みの一環として、銅精鉱の禁輸を発表している。実際には政府の方針に基づき2025年1月1日から施行されていた。しかし、Amman Mineral Nusa Tenggara社の製錬所が2025年7月以降、フラッシュコンバーティング炉と硫酸プラントで技術的な障害が発生し、施設が一時的に操業停止したため、政府は輸出規制を緩和した。この状態を受け、同社は修理完了まで濃縮鉱石の輸出を特別に許可された。エネルギー鉱物資源省は同社に対して乾燥銅精鉱48万トンの輸出推奨を発行した。この推奨は、2025年10月31日から2026年4月までの6か月間有効である。

 

 

エネルギー鉱物資源省が今年の石炭輸出量が3000万トン減少すると予測(11月5日)

 エネルギー鉱物資源省は、インドネシアの石炭輸出が今年末までに大幅に減少すると予測している。輸出量は、昨年の5億5,500万トンと比較して、約2,000万トンから3,000万トン減少すると見込まれている。また、輸出の減少により、今年の国内石炭生産目標である7億3,500万トンは達成が困難と見られている。
 同省によると、この減少の要因はインドネシア産石炭に対する市場の関心が低下したためではなく、中国やインドなどの主要輸出先国における国内の石炭生産量の増加が原因としている。
 中国とインドへの輸出が依然としてインドネシアの石炭輸出の大半を占めている一方、フィリピン向けの石炭輸出は逆に増加傾向を示している。同国は現在、インドネシアの石炭輸出における新たな柱かつ代替市場になりつつある。
 同省は、インドネシアの主要輸出国の一部が石炭輸入への依存度を低減させており、国内生産を増強し始めているという世界情勢の中で、市場多様性は重要な取組となっている。

ロッテ・ケミカルチレゴン工場が竣工し、投資額は64兆ルピアに達する(11月6日)

 韓国の総合化学メーカーのロッテケミカルの現地法人であるロッテケミカルインドネシア社(LCI)は、バンテン州チレゴンにおけるニューエチレンプロジェクトプラントが正式に始動したと発表した。
 同プラントはバンテン州チレゴン工業団地内の100ヘクタールの敷地に建設されている。建設は2022年に開始され、今年10月に稼働を開始した。
 投資額は40億米ドル(約63兆ルピアから64兆ルピア相当)であり、東南アジア地域における最大級の石油化学投資の一つである。また、同プラントはインドネシア初となるナフサ分解プラント複合施設である。
 同プラントでは、エチレン、プロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、混合C4、ブタジエン、BTX、水素を含む15種類の主要製品を生産することを目的として設計されている。これらの製品は、医療機器、ゴム、合成樹脂、電気ケーブル、自動車部品など、川下産業における主要な材料である。
 なお、工場の生産量の約70%は国内で販売され、残りは海外市場向けを予定している。

 

 

豊田通商がソルダーペースト工場に1兆6000億ルピア相当の投資を計画(11月10日)

 トヨタグループの総合商社である豊田通商(TTC)は、インドネシアにおける錫・銅の川下産業強化に向け、約100億米ドル(約1兆6,000億ルピア相当)の投資を計画していると発表した。
 同社はこれまで、世界市場における錫の派生製品について、インドネシア国営の錫鉱業企業Timah社の貿易パートナーとして活動してきた。
 今回の新規投資は、世界的な自動車産業の需要急増の中で、ソルダーペーストのサプライチェーンを確保することを目的としている。同プロジェクトは現在初期段階にあり、現地パートナーであるTimah社との共同開発が見込まれている。
 世界的に、錫の消費量の50%以上がはんだ製造に使用されており、特に電子産業、自動車産業、太陽光発電産業向けのはんだペーストが中心である。世界のはんだペースト需要は、2024年の5,170トンから2029年には6,300トンに増加すると予測されている。インドネシアは世界の錫供給量の約18%を占めており、グローバルサプライチェーンにおける主要なプレイヤーの一つとなっている。
 また、同社は錫に加え、銅の川下加工分野への投資も検討しており、特に自動車産業向けのケーブル原料となる銅棒の生産に注力している。

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