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タイのビジネスニュース:2025年11月後半


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タイの燃料法に「水素・アンモニア」が正式に追加(11月17日)

 タイのエネルギー省は、燃料管理法(仏暦2542年:1999年)に基づく燃料として、水素およびアンモニアを規定する告示に大臣が署名したことを発表した。  
 この告示は、燃料としての水素・アンモニアの使用に関する安全規制を整備することを目的としており、発電・産業・輸送分野におけるクリーンエネルギー利用を推進し、CO2排出量を削減するという政府方針に沿ったものとなる。
 同省は、2026~2027年度にかけて、水素貯蔵、水素パイプライン輸送システム、水素タンク輸送、水素ステーション、水素・アンモニア
利用施設など、エネルギー事業局が規制する事業分類と許認可を定める法律案を策定予定である。さらに、2027~2029年度には、各事業形態に応じた技術基準や環境安全基準を制定し、水素・アンモニア燃料の持続可能な利用を確保する予定であるとしている。
 国際的には、IEA(国際エネルギー機関)が水素需要の拡大を指摘している一方、依然として水素の多くが化石燃料由来であり、低排出水素の普及はコスト面などでの課題がある。タイ政府は、制度整備を先行させることで国内市場形成を促し、水素の主要燃料としての確立を目指すとしている。

 

 

Siam Cement社がベトナム石化投資を拡大(11月18日)

 タイ最大の複合企業体であるSiam Cement社は、ベトナム最大の石油化学工場に追加で5億ドルを投じる計画を発表した。同社は、海外事業の強化を通じて業績回復を図っており、この拡張工事は2027年までに完了する見通しである。
 同社は、タイ国内の需要減速による業績低迷を受け、事業の一部を成長性の高いベトナムに移行することで収益回復を目指している。同社は、ベトナムが低コスト構造であり、12以上の自由貿易協定を活かした輸出拠点としての魅力が高いと評価している。
 ベトナム南部のロンソン石油化学コンプレックス(Long Son Petrochemicals)は、Siam Cement社にとって最大の投資案件であり、同工場への総投資額は56億ドルに達する見込みである。
 同工場は、2024年に需要低迷と化学品価格の低下により一時閉鎖していたが、その後8月に再稼働し、現在は稼働率85%以上まで回復して
いる。2026年にはフル稼働する見通しで、フル稼働時には年間15億ドル規模の収益を生み、2028年にキャッシュフローが黒字化すると期待
されている。

PTTORが給油所併設のホテル事業を本格始動(11月24日)

 タイ石油公社(PTT)の傘下で給油所の運営・小売事業を展開するPTT Oil and Retail Business(PTTOR)社は、長らく延期されていた給油所併設型格安ホテルプロジェクトを来月完了させる予定であると発表した。
 同社は実現可能性調査を完了し、PTTガソリンスタンド内にホテルを建設する計画を取締役会が承認したことから、2026年上半期に建設を
開始する予定である。共同開発の戦略的パートナーは第4四半期に発表される予定で、ホテルは2026年末までに開業予定である。
 建設予定のホテルは、PTTガソリンスタンド内に設置され、70〜80室規模となる。十分な駐車スペースを確保し、カフェ・アマゾンやランドリーサービス、セブンイレブンなどの併設を計画している。このプロジェクトは長距離旅行中に手頃な宿泊施設を求める旅行者やビジネスマンのニーズに応えるものとしており、同社は今後、サービス網強化と非燃料事業の収益拡大を図っていく。
 本構想は2016年に浮上したが、PTTが公的企業であることから民間との競争をめぐる法的懸念が指摘され、さらにコロナ禍による観光需要
急減で中断していた。今回の再始動は観光回復と非石油事業の収益の拡大戦略の加速を示すものである。
 同社は、原油価格の長期低迷とタイの電気自動車市場の成長鈍化などの市況に基づいて、2025~2029年の投資計画を見直しており、石油・非石油事業に604億バーツを投じるとしている。

 

 

タイの10月の輸出が前年同月比5.7%増加(11月25日)

 タイ商務省は10月の輸出が前年同月比5.7%増加したと発表した。
 輸入は前年同月比16.3%増となり、予測の7.5%増を大きく上回った。10月の貿易赤字は34億4,000万ドルとなり、予想の5億ドルの赤字を
上回った。

タイ投資委員会が自動車の国内過剰供給を回避するためEVの輸出を促進(11月25日)

 タイ投資委員会(BOI)は、自動車市場の供給過剰を回避し輸出促進を図るため、電気自動車(EV)に関する優遇政策を見直したと発表した。
 タイでは、政府の優遇措置プログラム「EV3.5」が2024~2027年にかけて実施されており、EVメーカーはタイ国内にEV組立工場を設置することを条件に、輸入車への減税や補助金を受けることができる。同政策は、中国メーカーを中心に投資を呼び込み、中国大のBYDや長城汽車
などから累計40億ドル以上の投資が集まった。
 現状、タイのEV市場は中国メーカーが独占しており、販売シェアは70%を超えている。タイ工業連盟によると、2025年1~7月のバッテリーEVの新車登録台数は、前年同期比35%増の8万1,179台となった。同期間の国内自動車販売台数に占めるバッテリーEVの割合は18%となり、
ピックアップトラック(24%)や内燃機関乗用車(23%)を追い上げている。
 BOIは、自動車の国内の供給過剰を回避しつつ、EV市場拡大と国内産業基盤強化とのバランスを取る政策運営が必要であるとしている。自動車のタイ国内市場での供給過剰を防ぐため、自動車メーカーの輸出増加を促す。具体的には輸出向けに生産された電気自動車1台を、メーカーの現地生産義務に対して1.5台としてカウントする仕組みを導入する。輸出拡大を促すことで、国内市場に製品が過度に留まるのを防ぐ狙いがある。

タイ商務省が年末の輸出見通しを発表(11月26日)

 タイ商務省は、今年11~12月の輸出見通しは依然として良好だが、同期間の成長は鈍化する可能性があるとの見通しを発表した。
 デジタル技術製品や加工農産物・食品が輸出を牽引すると予想しているが、年末にかけてのバーツ高や洪水による農業生産の減少が下振れ
リスクとなっている。
 同省は、今年11~12月の輸出額を月間約250億~260億ドルと予測しており、通年での輸出額は10.7~11.4%増の3,320億~3,340億ドルになる見込みである。
 10月の輸出額は288億ドル(9,103億バーツ)で前年比5.7%増となり、16カ月連続のプラスとなった。金、石油関連製品、武器を除くと、
15.7%増と高い伸びを示した。
 米国の関税引き上げによる圧力が続いているにもかかわらず、輸出実績は、主要市場(特に米国、中国、EU)と、南アジア、中東、ラテンアメリカなどの二次市場の両方で拡大した。2026年の輸出目標は、来月末までに商務省が民間部門の代表者と会合し、最終決定されるとしている。

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