タイのビジネスニュース:2025年12月前半

タイ工業連盟が洪水による12月の収入損失を300億バーツと予測(12月4日)
タイ工業連盟の会長は、タイ南部で大雨の影響により発生した洪水によって、12月だけで200億~300億バーツの収入損失が発生し、第4四半期のGDPが0.1~0.2%減少すると予想していると述べた。また、タイ商業・工業・銀行合同常設委員会(JSCCIB)は、洪水の影響により2025年のGDP成長率予測を、これまでの1.8~2.2%から2%に修正した。
今後は、洪水被害による復興のための予算として約1,000億バーツが必要になる可能性がある。この経済損失の総額は900億バーツとなり、
来年のGDP成長率は1.6~2%に低下する可能性がある。
タイ商業・工業・銀行合同常設委員会(JSCCIB)は、世帯や企業の経済的負担を軽減する措置や、住宅、商業ビル、工場の改修支援など、
洪水被害を受けた地域社会を支援するために、あらゆる関係者と協力するとしている。
タイ電力公社がクリーンエネルギーへの移行支援に予算の大部分を充当(12月5日)
タイ電力公社(EGAT)は、クリーン発電および送電プロジェクトへの投資を通じて、タイのエネルギー転換を加速する方針を示した。これにより、同社はクリーンエネルギーへの移行支援に予算の大部分を充当する計画である。
具体的には、約500億バーツを投じて3か所(プミポンダム、シーナカリンダム、ワチラロンコーンダム)の水上太陽光発電所を建設し、合計1,638MWの発電能力を整備する計画である。加えて、南部および東北部のダムでは計2,160MW規模の揚水発電施設を建設し、再生可能エネルギーの安定供給を図る。
また、化石燃料依存の低減に向け、6か所のガス火力発電所で燃料の5%を水素に置き換える実証試験を実施する。さらに、データセンター
など電力需要の大きい産業集積が進む東部経済回廊(EEC)では、送電容量を3.81GWから5.5GWへ拡大する方針である。
一方で、再生可能エネルギーの本格普及までは、移行期の主要電源として天然ガスの役割が継続するとしている。
Delta社が2026年に2桁の収益成長を目指す(12月8日)
台湾の電子機器メーカーDelta Electronics のタイ法人Delta Electronics (Thailand)社のCEOは、2025年と2026年の収益が2桁成長を達成できると見込んでいると述べた。同社では、タイが最大級の投資先としてキャパシティ拡大の対象となっている。
同社は2025年1~9月で前年比24%の収益成長を達成し、今後3~6か月間の確定注文も確保している。
同社では、データセンター関連製品が2025年を通じて最も力強い成長を遂げ、その勢いは下半期にかけて加速した。第2四半期から2026年にかけてAIサーバーラックの増強を続けており、電力システムと冷却インフラストラクチャに対する持続的な需要を支えているとしている。
Google Thailand社がAIに注力する計画を発表(12月9日)
Google Thailand社は、AIの本格統合、インフラ投資、人材育成、SME(中小企業)の輸出支援を柱とする成長戦略を発表した。
タイのデジタル経済は2025年に約560億米ドル、2030年には900~1,600億米ドル規模へ拡大すると見込まれ、同社は今後の成長をAIが主導すると位置付けている。
同社は、人材育成を優先事項として取り組んでおり、2026年までに15万人のデジタル人材育成を目指している。また、データセンターや海底ケーブルなどクラウド基盤に数十億ドルを投資する。
タイのeコマース分野は、東南アジア地域で最も急速に成長しており、急成長する動画コマース市場の牽引により、2025年には330億ドルに
達すると予測されている。
同社は、急成長する動画コマースやeコマース分野において、AI活用によるビジネス変革を支援し、将来的にはタイをグローバルな大規模言語モデル(LLM)エコシステムへ統合する方針であるとしている。
2026年にバッテリー電気自動車の価格が上昇する見込み(12月10日)
タイ電気自動協会(EVAT)は、政府のEV奨励策「EV3.0」の期間が終了することで、2026年にはバッテリー電気自動車(BEV)の購入価格が平均20万バーツ上昇し、国内需要が鈍化する可能性があると警鐘している。
BEVの消費・生産を促進するために導入された「EV3.0」では、物品税や輸入関税の減免に加え、200万バーツ未満のBEVに最大15万バーツの補助金が支給され、自動車メーカーには2024年以降の国内組立が義務付けられていた。同制度は2025年12月31日に終了する。
一方、新たに導入された「EV3.5」は補助金額が2万~10万バーツに縮小され、業界では支援効果が限定的とみられている。加えて、物品税率の見直しも、特にプラグインハイブリッド車(PHEV)のコスト上昇要因になると指摘されている。
タイエネルギー省がアンダマン海における沖合石油・ガス探査の入札を公募(12月11日)
タイエネルギー省はアンダマン海における沖合石油・ガス探査について、入札の公募を実施する方針を示し、12月末までに閣議承認を得ると発表した。
今回の入札(第26回)は、6万8,000平方キロメートルに及ぶ単一の探鉱・生産(E&P)油田を対象としており、シェブロン、トタルエナジーズ、エニ、ムバダラ・エナジー、PTTエクスプロレーション&プロダクション(PTTEP)といった世界的な石油大手がこの入札に関心を示している。
アンダマン海の地質学的状況は、近年大規模ガス田が発見されたインドネシア近海と類似しており、深海探査技術の進展を背景に新たな埋蔵量発見への期待が高まっている。
1971年から2005年の間に14回にわたり、アンダマン海における沖合石油・ガス探査のライセンスを付与したが、商業的発見には至らなかった。しかし、今回の入札は国際石油会社の注目を再び集めている。

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