インドネシアのビジネスニュース:2025年12月後半

インドネシア銀行は2026年にデジタル決済取引が約30%増加すると予測(12月18日)
インドネシア銀行は、QRコード決済の利用拡大およびキャッシュレスシステムへの信頼感の高まりを受け、2026年のデジタル決済取引が29.7%増加すると予測している。
インドネシアのデジタル経済は2025年を通じて堅調な成長を記録し、デジタル決済取引も急増した。11月までのモバイルバンキング、QRIS(各種のQRコード決済を一元化するためのQRコードサービス)、インターネットバンキングサービスを含むデジタル決済取引の件数は前年比41.12%増の46億6,000万件に達した。
内訳を見ると、モバイルバンキングが27億9,000万件で引き続き首位を占め、QRISが16億8,000万件で続いた。伸び率ではモバイルバンキングとインターネットバンキングが前年比15.91%、16.11%増加を記録し、QRIS取引は前年比143.64%増と最も急激な拡大を示した。同行によると、この数値は中小零細企業におけるデジタル決済の普及拡大を示している。
一方、流通中のルピア紙幣・硬貨は11月時点で前年比13.09%増の125兆600億ルピアに達し、デジタル決済が拡大する中でも現金需要が持続していることを示している。
エネルギー鉱物資源省がニッケルと石炭の生産量の目標を引き下げ(12月20日)
エネルギー鉱物資源省によると、供給過剰による価格下落を抑制するため、2026年度事業計画・予算においてニッケルと石炭の生産目標を引き下げ、供給管理を強化し世界市場を安定化させる方針である。
石炭の指標価格は11月初旬から下落を続けており、インドネシアの石炭基準価格は、10月下旬のトン当たり109.74ドルから12月前半は98.26ドルまで下落しており、昨年11月の114.43ドルを大きく下回った。これは、需要減退と供給過剰を反映している。
生産量の削減は、中国やインドなどの主要買い手からの需要が鈍化している中で行われている。この需要鈍化の要因は、各国での国内生産量の増加と再生可能エネルギーへの段階的な移行によるものである。インドネシアの2025年の石炭生産量は約7億5,000万トンと予測されており、2024年の約8億3,600万トンから減少する見込みである。2026年については、さらに縮小し、7億トンを下回ることを示唆している。
この方針に伴い、政府は改訂された生産制限の順守を徹底し、承認された計画に従わない鉱山会社は作業計画の見直しや修正のリスクがあると警告した。
なお、ステンレス鋼や電気自動車用電池に不可欠な金属であるニッケルについても同様の戦略が適用されている。インドネシアは過去10年間でニッケル生産を急速に拡大してきたが、ニッケル協会(APNI)によると、2026年のインドネシアのニッケル生産量は、今年のおよそ3億7,900万トンから大幅に減少し、約2億5,000万トンに縮小する可能性がある。
この減少は、世界的なニッケル市場が深刻化する供給過剰に直面している中で生じている。供給過剰量は今年約2億900万トンと推定され、2026年には2億6,100万トンに拡大する可能性があり、その過剰分の約65%をインドネシアが占めると見込まれている。
韓国のSKプラズマが2026年末までに血漿分画施設の稼働開始を目指す(12月22日)
韓国の血液製剤会社SKプラズマおよびインドネシアの国営ファンド機関Indonesia Investment Authority(INA)は、両社の合弁会社 SK Plasma Core Indonesiaを通じて、インドネシア初となり、また東南アジア最大規模となる血漿分画施設が2026年末に稼働を開始すると発表した。
同施設は、年間60万リットルの血液血漿処理能力を有し、2018年から稼働している韓国・安東のSKプラズマ施設のシステムと運営モデルを採用している。建設は2024年に開始され、2026年末までに商業運転の完全稼働を目指している。同施設は全てインドネシアの食品医薬品監督庁(BPOM)のGMP(適正製造規範)基準に基づいて建設されている。
また、同施設の建設プロセスと並行して、SKプラズマは受託製造を進めており、インドネシアのドナーから提供された血液プラズマは韓国・安東にある同社の分画施設に送られ、血漿分画製剤(PDMP)に加工される。この血液プラズマは、主に2種類の血漿分画製剤であるアルブミン製剤と免疫グロブリン製剤に加工され、インドネシアではSKアルブミンおよびSKガンマバイオの名称で販売される予定である。両製品は2025年12月にインドネシアへ再輸入される見込みである。国内の施設が2026年末にフル稼働を開始すると、アルブミン製剤と免疫グロブリン製剤に加え、ラインナップに血液凝固第VIII因子製剤も含まれることになる。
なお、アルブミン製剤は低アルブミン血症、出血性ショック、熱傷、肝疾患、腹水などの状態において、血中アルブミン濃度を上昇させたり、血液量を調節したりするために一般的に使用される。また、血液凝固第VIII因子製剤は、血友病Aにおける出血の治療において血液凝固を助けるために使用される。
一方、免疫グロブリン製剤は、免疫不全(免疫機能の低下)および自己免疫疾患の治療に用いられ、具体的には、原発性免疫不全症(PID)、ギラン・バレー症候群(GBS)、川崎病、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)などの治療に使用される。
Pupuk Indonesiaが硝酸アンモニウムベースのNPK肥料工場の建設を開始(12月24日)
国営肥料メーカーのPupuk Indonesiaは、西ジャワ州にインドネシア初の硝酸アンモニウムベースのNPK肥料工場の建設を開始したと発表した。同プロジェクトは輸入削減と国内肥料供給の強化を目的としている。
同プロジェクトは子会社のPupuk Kujang Cikampek社とEPCC企業Rekayasa Industri社によって開発が進められており、Kujang Cikampek工業団地内の5ヘクタールの敷地に建設される。年間生産能力は10万トンで、この生産能力はこれまで輸入に依存してきた国内のNPK硝酸肥料需要の約25%に相当する。操業開始後、同社は輸入品代替を通じて年間7,000億ルピア~1兆ルピア(約4,173万~5,963万米ドル)の外貨節約効果を見込んでいる。
同プラントはPupuk Indonesiaが建設を計画する7施設の一つである。また、硝酸アンモニウムの原料は、子会社であるPupuk Kujang傘下のMulti Nitrotama Kimiaから供給され、年間最大25,000トンの消費が期待される。
同プラントは2027年8月にフル稼働の予定としている。
財務省が税制優遇措置を2026年まで延長する方針を発表(12月24日)
財務省は投資の勢いを維持するため、税制優遇措置を2026年まで延長する方針と発表した。同時に、国際的な最低税率ルールに準拠するよう制度を調整する。
税制優遇措置(タックスホリデー)は、インドネシア政府が経済的に重要な影響力を持つ戦略的分野および重点地域への投資を誘致するために提供する財政的インセンティブである。同制度は、新規資本投資を行う適格投資家に対し法人所得税の減免を適用する。現行の免税枠組みは財務省規則第69/2024号で規定されており、2025年12月に期限切れとなる。
同規則に基づき、国内法人納税者が新規投資額1,000億ルピア(約600万ドル)以上を行う場合、法人税の最大100%減免が適用される。この優遇措置は、いわゆるパイオニア産業への投資、または経済特区(KEK)や東カリマンタン州に建設予定のインドネシア新首都ヌサンタラ(IKN)など指定戦略地域への投資が対象となる。
なお、パイオニア産業とは、高付加価値性、強い波及効果、先端技術、国家発展への戦略的重要性を有すると認められる産業を指し、医薬品、電気自動車、石油化学、ロボット工学、再生可能エネルギーなどが含まれる。
免税期間は投資規模に応じて5年から20年まで設定され、投資額が大きいほど長い期間が適用される。免税期間終了後、企業は通常さらに2年間、法人所得税の50%減税を受ける権利を有する。
同規則は、財務省の承認や投資実現目標の遵守を含む行政要件も規定している。この規制は現在、2025年12月までに発行された免税期間承認に適用されるが、政府は新たな財務省規則により2026年まで延長する計画である。
ただし、この枠組みは経済協力開発機構(OECD)のグローバル最低税率協定に整合させるため見直しが進められている。同制度では多国籍企業に対し、最低15%の実効法人税率の支払いを義務付けている。グローバルルール下では、インドネシアで徴収されない税金は代わりに投資家の本国で課税される可能性がある。財政上の優遇措置が実質的に国外に移転されることを回避するため、政府は投資支援を維持しつつ優遇制度の再設計を進めている。
エネルギー鉱物資源省が2026年までに軽油の自給自足の方針を発表(12月30日)
エネルギー鉱物資源省は、東カリマンタン州バリクパパンで進められている大規模な製油所拡張プロジェクトによる生産増加を受け、2026年までに軽油の輸入を終了し自給を達成する方針を発表した。
同計画は、国内の軽油の生産量を大幅に増加させると見込まれる製油所開発マスタープラン(RDMP)バリクパパンプロジェクトの完全稼働に左右される。同プロジェクトが完全に稼働すれば、インドネシアは年間約300万~400万キロリットルの軽油余剰を生み出す見込みである。
ただし、このスケジュールはインフラ整備の進捗状況と、製油所を運営する国営エネルギー企業Pertamina社の操業計画に依存する。同省は技術的な準備体制を確保するためPertaminaと緊密に連携している。バリクパパン製油所が2026年3月までにフル稼働に達した場合、インドネシアは国内燃料備蓄を確保するため、年初の数か月間は限定的な量の軽油を輸入する可能性がある。
なお、バリクパパン製油所拡張プロジェクトは、国家戦略プロジェクトに指定され、投資額は74億米ドル(約126兆ルピア相当)に及ぶ。これはインドネシア国営企業による単一サイト投資としては過去最大規模の一つであり、輸入燃料依存度を大幅に低減することを目的としている。
さらに、輸入削減に加え、同省は国内で販売される軽油の品質向上に向けたロードマップも準備中である。国内の現行軽油のセタン価は51だが、政府は排出ガス削減とエンジン性能向上のため、燃料基準をEuro 5に準拠させる方針である。

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