タイのビジネスニュース:2026年1月後半

長安汽車が2026年第1四半期にタイでBEV生産の第2期を開始(1月19日)
中国の電気自動車メーカーである長安汽車は、2026年第1四半期にタイでバッテリー電気自動車(BEV)の第2期生産を開始する準備を進めていると発表した。
同社の政府渉外担当によると、4月からBEVの販売を開始する予定である。第2期の生産能力は10万台を計画しており、第1期の10万台と合わせると、総生産能力は年間20万台に拡大する見通しである。
現在、同社のバッテリー製造工場は建設がほぼ完了しており、来年にはラヨーン組立工場向けにバッテリーパックの供給を開始する予定で
ある。それまでは、長安汽車と中国のCATLの合弁会社であるタイム長安からバッテリーを輸入する計画である。
長安汽車は、タイを国内市場および輸出の双方に対応する地域BEVハブと位置付けている。タイ製EVは、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、さらに欧州市場への輸出を計画しており、将来的には、生産量の55%を輸出向け、残り45%をタイ国内販売向けとする方針である。
さらに、2026年から2028年にかけて、7つの新モデルを投入し、2030年までにタイのBEVブランドのトップ3入りを目指すとしている。同社はあわせて、現地サプライチェーンの強化も目指しており、2027年までに30億バーツ相当の部品を現地調達率70%に引き上げ、2030年までに60億バーツ相当の部品で現地調達率80%を達成することを目標としている。
タイの12月の産業信頼指数が低下(1月22日)
タイ工業連盟(FTI)は、下院総選挙の影響やカンボジア及びミャンマーとの国境貿易の急減に対する懸念の高まりを背景に、12月のタイ
産業景況感指数(TISI)が前月の89.1ポイントから88.2ポイントへ低下したと発表した。
同指数は、FTI傘下の47の業界団体に所属する1,330人の企業経営者を対象とした調査に基づくものである。回答者の主な懸念事項としては、国内の見通し(62.8%)、世界情勢(57.4%)、為替レート(50.4%)、エネルギー価格(28.6%)などが挙げられた。一方、政府政策
(40.3%)、信用へのアクセス(=資金調達環境)(25.3%)、金利水準(17.1%)に対する懸念は比較的低かった。
アヌティン首相が議会解散を決定したことにより、一部政策の実施が停止された。同連盟(FTI)は、こうした遅延が政府の経済対策の継続性に影響を及ぼす可能性があると指摘している。例えば、景気刺激策の「コン・ラ・クルン・プラス」の第2フェーズの開始が延期された。同措置は、中国や日本など主要貿易相手国の経済成長が鈍化する中で、消費低迷や輸出見通しの悪化が懸念される中で予定されていたものである。
また、国境貿易も好調ではない。ミャンマーにおける軍事政権と少数民族間の紛争の影響で、タイ・ミャンマー間の商取引は16%減少した。こうした要因が重なり、12月のTISIは低下したとしている。
東芝タイランドが2026年に+30%成長目標を目指す(1月22日)
東芝タイランド社は、2026年にタイにおける全製品カテゴリーで30%の売上成長目標を目指す方針を発表した。
現在、冷蔵庫及び電子レンジの2製品カテゴリーでは市場シェアが2位になっているが、同社はASEAN家電市場における「リーダー」となる
ことを目指している。
成長戦略としては、300を超える製品ラインナップの強みを活用し、すべてのカテゴリ・セグメント・価格帯を網羅する展開を進める。消費者ニーズに対応した必須機能を備える新製品の開発に重点を置くとともに、特に、洗濯機、扇風機、デジタル炊飯器、給湯器などの高利益率
製品に注力する。また、小売・販売店に加え、若い世代をターゲットとしたオンライン販売など、あらゆる流通チャネルを積極的に活用する
方針である。
2025年にかけて家電市場はマイナス成長に転じると予測されていたが、同社の業績は22%の成長を記録し、市場全体の平均を約30%上回っている。製品カテゴリー別でも、市場全体を上回る伸びを記録した。
冷蔵庫は市場が5.4%へ縮小する中、12.1%の成長を記録した。電子レンジは市場が3.2%成長する中、同社は17%の成長を記録した。洗濯機は市場が7%成長するなかで30%増、小型家電は市場が0.4%縮小するなかで、31%の成長を記録した。水まわり製品は市場が15%成長する中、60%の大きな成長を記録している。
タイの12月の輸出額が前年同月比で16.8%増加
タイ商務省は、12月の輸出額が前年同月比で16.8%増加したと発表した。
2025年の12月の輸出額は、ロイター通信がまとめた市場予想である前年同月比8.74%増を大きく上回り、前月の7.1%増からさらに伸びが
加速した。2025年通年の輸出額は前年比12.9%増となり、過去4年で最も高い伸びとなった。
12月の主要輸出国別の市場では、最大の輸出先である米国向けが前年同月比54.3%増、中国向けが4.4%増となった。一方、米国は、タイを含む複数のアジア諸国からの輸入品に対し19%の関税を課している。なお、タイを経由する第三国からの積み替え貨物に対する米国の関税措置をめぐっては、依然として不透明感が残っている。
12月の輸入額は前年同月比18.8%で増加し、市場予想の15.77%増を上回った。この結果、同月の貿易赤字は3億5,000万ドルとなり、市場
予想の80億ドルを大幅に下回った。
為替面では、バーツは2025年に9%上昇した後、今年に入ってからも約0.8%上昇しており、輸出や観光セクターの競争力への影響が懸念されている。
タイ貿易政策戦略局の見通しでは、輸出の伸びは2026年に鈍化するとしている。
2025年の外国直接投資が大幅な増加を記録(1月27日)
タイ投資委員会(BOI)は、2025年の外国直接投資(FDI)の申請が3,370件、総額1兆8,700億バーツに達し、2024年比で金額ベース67%増、件数ベース11%増と大幅に拡大したと発表した。
特にデジタルインフラと先端エレクトロニクス分野で堅調な投資がみられた。デジタル産業では151件、総額7,460億バーツの投資が承認され、投資環境を牽引した。Galaxy Peak Data Centre、True Internet Data Centre、Zenith Data Centre and Cloud Servicesなどの大規模
データセンター案件が中心となった。
電子・電気機器分野では、470件、2,770億バーツの投資が承認された。これには、高密度電池、電子受動部品、先進プリント基板といった
大型案件が含まれ、この他に、トランシーバーや特殊フラットパネルディスプレイを含む光学・電気光学デバイス分野への投資もみられた。
自動車・部品分野では、288件、840億バーツの投資が承認され、先進自動車部品関連への投資が中心となった。農業・食品加工分野も引き
続き重要な分野であり、301件、750億バーツの投資が集まった。なおこれは、加工食品・飲料、特殊食品添加物・原料、パーティクルボード
製造などが主な案件である。
石油化学・化学分野では、267件、580億バーツの投資が承認された。特殊ポリマーや高機能化学品、プリフォーム、プラスチック包装、リサイクルポリプロピレンなどへの投資が目立った。また、再生可能エネルギー分野でも風力・太陽光発電への大型投資が進んだ。
外国直接投資による投資額は前年非66%増の1兆3,000億バーツに達し、国別ではシンガポールが457件、5,470億バーツで最大の投資国と
なり、香港(2,450億バーツ)、中国(1,720億バーツ)、日本(1,190億バーツ)、英国(1,000億バーツ)が続いた。BOIによると、これらの外国直接投資により、1兆バーツ以上の国内調達需要が創出され、2兆バーツ以上の輸出収入が見込まれるとしている。
タイ郵政公社とSiriraj Vittayavijai社が全国の医療検体物流を強化するための提携関係を構築(1月27日)
タイ郵政公社は、シリラート病院と緊密に連携するSiriraj Vittayavijai社(SIVITT)と、全国の医療検体物流の強化に向けた提携を構築したと発表した。
この提携は、全国の病院や診療所からシリラート病院の診断センターへの医療検体の集荷・輸送を支援することを目的としている。「医療
検体・機器の配送」プロジェクトを通じて、患者が直面する地理的・物流的障壁を解消するとともに、タイの公衆衛生システムにおける診断
効率の向上と治療計画の早期策定を目指している。
タイ郵政公社は、自社の物流インフラを活用して医療サービスと市民の間の橋渡しの役割を担う。医療品の専門的な取り扱い体制を整え、
日光・高温・湿度・衝撃からの保護など厳格な環境管理を徹底し、保証された配送期間内に配送する。また、リアルタイム追跡によって、輸送プロセス全体の安全性と品質を確保する。
SIVITTは、シリラート病院の医療能力とインフラパートナーを連携させることで、これらのサービスをタイの医療システム内で広く利用可能にする役割を担う。これにより、コストや待ち時間、地理的制約の軽減が期待され、医師はより迅速かつ正確に治療計画を立てることが可能となる。SIVITTは参加病院と連携し、タイ郵政を通じた検体輸送を行うことで、診断プロセス全体の効率化を図る。
プロジェクトの初期段階では、特にがんゲノム検査や複雑な分子診断に用いる常温で取り扱い可能な医療検体の輸送に重点を置く。今後、
両パートナーは、こうした物流能力を応用し、調理済み・加熱済み食品の配送など、他分野展開も視野に入れ、公衆衛生および社会貢献活動を支援するとしている。

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