タイのビジネスニュース:2026年2月後半

ロピアジャパンがタイで初のスーパーマーケットをオープン(2月16日)
ロピアジャパンは、タイのセントラル・チェンワッタナに初のスーパーマーケットをオープンしたと発表した。
同社は、「コストパフォーマンス」をコンセプトに、本格的な日本の食文化を現地の消費者に紹介するとともに、アジアにおける今後の事業拡大に向けた強固な基盤を築くことを目指している。
今回オープンした店舗は外国人観光客ではなく、タイ人消費者をターゲットとしている。タイは多様な国籍の人々が暮らす国であり、東南
アジアへの店舗展開に先立ち、消費者の行動様式を学ぶことができる。
同社は、1971年に設立され、現在日本国内に139店舗、台湾に9店舗、タイに1店舗を展開している。グループ会社において農業、食品工場、輸入、輸出、レストランなど幅広い事業を展開しており、中間業者への依存度を減らし、コスト管理を徹底している。
タイの店舗は、厳選された新鮮な日本産輸入食材と、刺身、寿司、高級和牛、店内で調理されたデリ製品など、幅広い種類の作りたて食品に力を入れており、店内には500種類以上の牛肉製品が揃っている。
なお、タイは海外で2番目、東南アジアでは初のロピア出店国となる。同社では、タイの消費者購買力は台湾の3倍とみていることから、タイの新店舗における一人当たりの消費額を1,000~4,000バーツと見積もっている。
同社は、タイでの店舗拡大計画を検討中である。また、タイに工場を買収し、現地で加工した日本の唐揚げを日本へ輸出することを目指している。
タイ電力公社がデータセンター開発プロジェクト向けに送電システムの近代化に310億バーツを投資(2月16日)
タイの国営電力会社のタイ電力公社(EGAT)は、東部経済回廊(EEC)におけるデータセンター開発向け電力供給のボトルネック解消に
向け、送電システムの近代化に310億バーツを投資したと発表した。
タイはデータセンターの集積地として存在感を高めており、24時間稼働に必要な発電能力は確保されている一方、送電容量の不足が課題と
なっている。
EGATは、チョンブリー県とラヨーン県の工業団地に電力を供給するパントーン変電所の増強に15億バーツを投じ、送電能力を現在の600MWから1,150MWへ引き上げる計画である。これにより、アマタシティ工業団地で建設が進む複数のデータセンターへの安定供給を図る。
同工業団地ではすでに4件のデータセンターが建設中で、ガス火力発電を含む電力供給インフラの強化による需要増が見込まれる。タイ投資委員会(BOI)によると、2026~2030年にEECで新たに16件のデータセンターが開発され、総電力需要は3,600MWに達する見通しである。
一方、国内の電力需給は余力があり、ピーク時需要が約33,000MWであるのに対し、供給能力は約55,000MWを確保している。
また、再生可能エネルギーを志向するデータセンター事業者は、政府の直接電力購入契約(DPPA)実証制度を通じて電力会社から直接調達が可能であり、現行の発電容量は2,000MWで、今後の制度拡張も見込まれている。
タイ投資委員会がWestern Digital Storage Technology (Thailand)社の熱アシスト磁気記録の研究開発プロジェクトを承認(2月17日)
タイ投資委員会(BoI)は、Western Digital Storage Technology (Thailand) による熱アシスト磁気記録(HAMR)技術の研究開発プロ
ジェクト(投資額23億バーツ)を承認したと発表した。
同社は、2029年までにハードディスクドライブ(HDD)の記憶容量を100テラバイト(TB)超へ引き上げることを目標としている。本プロジェクトは、データセンターやクラウド、AIなど急成長分野の需要に対応するとともに、タイ国内の先端産業の高度化を後押しする狙いが
ある。
HAMRの研究開発は、タイ・米国・日本の連携のもとで進められ、次世代HDDメディアの実用化を目指す。レーザー加熱により磁気媒体の
特性を一時的に変化させることで、記録時のビットサイズ縮小と高密度化を実現し、従来技術の制約を克服する。
データセンター用途を中心に、大容量ストレージへの需要は一段と高まっており、HDDの高容量化は競争力の鍵となる。今回のプロジェクトは、将来的に最大100億バーツ規模への拡大が見込まれるほか、60%以上の現地調達率を目標に設定している。
またBoIは2024年、アユタヤ県バンパイン工業団地およびプラチンブリー県304工業団地における同社のHDD拡張投資(約230億バーツ)も承認している。タイは現在、世界のHDD製造の約80%を担う主要拠点となっており、政府の産業政策に沿って、タイをHDDの生産・輸出拠点として強化するとしている。
ロボットメーカーが東部経済回廊(EEC)に100億バーツを投資(2月24日)
タイ投資委員会(BOI)は、東部経済回廊(EEC)にタイ初となるヒューマノイドロボット部品の生産拠点を設立する計画について、中国企業5社による総額100億バーツ超の投資を承認したと発表した。
本プロジェクトは、タイのハイテクサプライチェーンを強化し、ロボット工学や自動化分野における新たな産業機会の創出を目的とする。
投資奨励の対象となるのは、Hangzhou Seenpin Electromechanical Transmission、Beite Technology、Sanhua Intelligent Drives、
Tuopu Technology、Xusheng Groupの5社で各社は連携し、遊星ローラーねじやボールねじ、アクチュエーター、軽量ロボット部品など、
ヒューマノイドロボットの中核部品を生産する。
BOIは、急成長する世界のヒューマノイドロボット市場においてタイを主要生産拠点の一つに位置付ける方針で、同市場は年率130%以上で
拡大し、2027年までに本格的な商業生産段階へ移行すると見込まれている。
PTT社が世界的なLNGプレーヤーの地位を目指す(2月24日)
タイの国営エネルギー大手 PTT は、液化天然ガス(LNG)の輸入事業主体から、今後はグローバルなLNGトレーディング企業への転換を進める方針を発表した。これは、過去10年の輸入事業中心の体制からの大きな戦略転換となる。
同社はすでに国内企業から地域トレーダーへと事業領域を拡大しており、再輸出や貨物積み替えサービスを強化している。2030年までにLNG取引量を2025年の約230万トンから1,000万トンへ、さらに2035年には1,500万トンまで引き上げる目標を掲げる。
供給確保に向けては、米国や中東など主要輸出国におけるLNG生産プロジェクトへの参画を検討し、5~10%の権益取得を目指す。一方で、日本、韓国、中国、台湾といった需要の大きいアジア市場への販売拡大も視野に入れる。
同戦略によりPTTは、調達からトレーディング、再輸出までを一体化した事業モデルを構築し、国際LNG市場における競争力強化を図るとしている。

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