ベトナムのビジネスニュース:2026年3月前半

Grab VietnamがYadeaと電動バイク転換支援で提携(3月3日)
Grab Vietnam(配車プラットフォーム企業)は、Yadea Vietnam(中国系の電動二輪メーカー現地法人)と、ドライバーの電動バイクへの転換支援に関する協力覚書を締結したと発表した。この提携は、電動バイクの普及促進を目的とし、販売促進、優遇制度、アフターサービスを含む包括的な支援を通じて、ドライバーの移行を後押しするものである。
具体的には、両社はオンライン・オフラインのチャネルを活用して電動バイクの情報提供を強化し、Grabドライバー向けに購入支援や優遇価格を提供する。また、最大400万ドンの補助制度を導入し、導入コストの負担軽減を図る。
さらに、Yadeaは保証・メンテナンス・ロードサービスの優先提供を行うほか、バッテリー交換ステーションやサービス拠点をGrabのプラットフォームと連携させることで、運用利便性を高める。
今後、両社はメーカー、リース会社、充電・交換インフラ事業者との連携を強化し、電動バイクのエコシステム(車両・電池・サービスの統合基盤)の構築を進める。
同取り組みにより、ドライバーは運用コストや環境負荷の低減が可能となり、都市交通の電動化および持続可能なモビリティへの転換が期待される。
FPTがQualcomm主導の6Gグローバル連盟に参画(3月3日)
FPT(ベトナムのIT企業)は、Qualcomm(米国の半導体・通信技術企業)が主導する6Gの国際連携枠組みに参加したと発表した。
この連携は、6Gの開発と商用化に向けた国際的な協力体制であり、AIを前提に設計する「AI-nativeネットワーク」の実現を掲げ、2029年の商用化を目指している。6Gは、通信に加え広域センシングや高性能コンピューティングを統合した次世代基盤と位置付けられ、仮想化RANやAIによる自動運用、エッジとクラウドの連携により、新たなデジタルサービスの創出を支える。
FPTは今回の参画を通じ、スマート交通やUAV、スマート製造などの分野で技術力を強化し、先端技術の実用化を加速する。同連携では2028年までに試験システムやプレ商用ネットワークの実証を進め、2029年以降のグローバル展開を視野に入れるほか、6Gの標準化や評価指標の整備も推進する。
この取り組みにより、FPTはグローバルな技術バリューチェーンにおける存在感を高めるとともに、研究開発から商用化までの一貫体制を強化し、デジタル経済・社会の基盤構築に貢献するとしている。
VinEnergoが再生可能エネルギーでグローバル展開を発表(3月4日)
VinEnergo(ベトナム最大級の複合企業Vingroup系のエネルギー企業)は、再生可能エネルギー分野でのグローバル展開戦略を発表し、まず10GW規模の海外プロジェクトを推進すると明らかにした。
同社は今後3年間で総計100GWの再エネ開発を目指し、このうち50GWを北米、北欧、地中海、東南アジアなどの主要市場で展開する計画である。さらに、中央アジアやアフリカといった新興市場への進出も検討する。
初期段階では、欧州およびアジアで合計10GWのプロジェクトを確保しており、国際金融機関と連携したグリーンファイナンス(環境配慮型投資資金)の活用や、海外パートナーとの共同開発を進める。VinEnergoはこれら案件において、80%以上を出資し、設計・建設・運営までを主導する。
具体的には、北欧でデンマークの再エネ企業 GreenGo Energy と連携し、2GW規模の開発を推進する。将来的には欧州全体で6.2GWまで拡大する方針である。またフィリピンでは複数企業と連携し、合計約3.8GWの太陽光発電プロジェクトを展開する。蓄電システム(BESS)を組み合わせた統合エネルギーソリューションを強みに、設計の標準化や設備調達の最適化を通じて運用効率と収益性の向上を図る。
さらに2026年第1四半期中には追加契約により、国際プロジェクト規模を20GWまで拡大する計画である。国内でもLNG火力や洋上風力など大規模案件を進め、再エネと従来電源の両面で事業基盤を強化している。今回の戦略は、VinEnergoが世界的なエネルギー転換の中で存在感を高めるとともに、ベトナム企業として国際的な再生可能エネルギーバリューチェーンへの本格参画を示すものと位置付けられる。
TKVが2026年初頭に石炭生産6百万トン超を達成(3月4日)
TKV(ベトナム最大の石炭・鉱物資源国営企業)は、2026年1~2月で石炭生産量が600万トン超えたと発表した。
2026年2月単月では原炭生産量が約238万トンとなり、月間計画の106.4%を達成した。累計では600万トンを超え、複数の生産指標において計画を上回る実績となった。精炭生産および販売も順調に推移し、2か月累計でそれぞれ600万トン超、約698万トンに達している。
また、アルミナの生産は2月単月で約11.4万トン(計画比105.6%)、累計約23.6万トンとなり、ボーキサイト(アルミ原料鉱石)の採掘も順調に進展した。
売上高は2月単月で約11.83兆ドン、2か月累計で約25.48兆ドンに達し、国家予算への納付額も累計約4.44兆ドンと堅調に推移している。
2026年3月については、原炭生産340万トン、精炭350万トン、販売453万トンを計画しており、生産・販売のさらなる拡大を見込む。また、アルミナ、銅、亜鉛などの非鉄金属生産に加え、電力(約9.85億kWh)や工業用爆薬、アンモニウムナイトレート(AN)など関連事業も含めた総合的な増産体制を維持する方針である。
同社は、生産加速、需給バランスを踏まえた輸入炭の活用、ならびに安全・環境管理の強化を通じて、2026年通期計画の達成を目指すとしている。
ViettelがBig Techと次世代通信分野で戦略提携を締結(3月5日)
Viettel(ベトナム軍系の通信・IT大手)は、MWC 2026(Mobile World Congress - 世界最大級のモバイル通信展示会)において、Qualcomm(米半導体大手)、Intel(米半導体企業)、AMD(米半導体企業)、Ericsson(スウェーデン通信機器大手)など複数のBig Techと10件以上の戦略的協力を締結したと発表した。
同社はAI-nativeネットワーク(AIを前提に設計された通信網)、5G Advanced、6Gなど次世代通信技術の共同開発を推進し、グローバル技術エコシステムへの参画を強化する。
Qualcommとの協力では、Viettelが開発するAgentic AI(自律的に判断・行動するAI)をスマートデバイスに統合し、5Gおよび将来の6Gエコシステムにおける高度な端末の実現を目指す。また両社は6G分野において、2028年までにプレ商用システムの試験を実施し、2029年以降の商用化を見据えた標準化にも共同で取り組む。
さらにViettel Networks(Viettelのネットワーク運用部門)はEricssonと連携し、AIを活用した通信ネットワークの自動最適化を推進する。これにより、障害検知の高度化、ネットワーク運用の自動化、サービス展開の迅速化を実現する計画である。
これらの取り組みは、通信品質の向上や接続安定性の改善に加え、増大するデータ需要への対応を可能にする。Viettelはこれまでにも5G Open RAN(オープン化された無線アクセスネットワーク)機器の自社開発および海外展開を進めており、今回の提携により6GやAI領域でも技術主導権の確立を目指すとしている。
AMDI GroupがBIDV・MBと包括提携を締結(3月5日)
AMDI Group(ベトナムの不動産開発企業)は、BIDV(国営系大手商業銀行)およびMB(軍系商業銀行)と包括的な戦略提携を締結したと発表した。
今回の提携は、都市開発およびリゾート開発プロジェクトにおける資金調達基盤の強化を目的とし、同社の中長期成長戦略の重要なステップと位置付けられる。大手金融機関の参画は、事業実行能力や財務透明性、持続可能な開発方針への信頼の裏付けとなる。
BIDVとの協力では、住宅購入者や投資家向け融資の拡充を通じて資金供給の安定化を図り、プロジェクト推進と顧客利便性の向上につなげる。一方、MBとの提携では、柔軟な金融ソリューションの提供により資金調達体制を強化し、開発の確実性と商品品質の向上を目指す。
主力案件であるSwiss Eden(フート省の温泉地域に位置するウェルネス型リゾート開発)は、総投資額1,000億ドン超の大規模プロジェクトである。温泉資源を活用した居住・観光・ヘルスケア複合モデルとして展開される計画であり、金融機関の参画は資金基盤の安定化と市場信頼の向上に寄与するとみられる。
今後は他の金融機関やパートナーとの連携も拡大し、資金源の多様化と包括的な金融エコシステムの構築を進める方針である。同時に、設計・施工・運営を一体化した開発体制を強化し、高付加価値かつ持続可能な不動産開発を加速させる方針としている。
ACBとVNPTが金融・技術連携を強化(3月10日)
ACB(ベトナムの民間銀行)とVNPT(国営通信・デジタルインフラ企業)は、2026~2030年にに向けた包括的な戦略提携を締結した。金融サービスとデジタルインフラの連携により、両社のエコシステム拡大と業務効率の最適化を図る。
金融分野では、ACBがVNPTおよび関連企業に対し、融資や保証、資金管理、決済などの総合金融ソリューションを提供し、大規模プロジェクトの資金運用と財務管理の高度化を支援する。一方、VNPTは通信インフラやデータセンター、クラウド、サイバーセキュリティを通じてACBのIT基盤を強化し、サービス品質と拡張性の向上を後押しする。
また両社は、「Voice IP(インターネット回線を利用した音声通信技術)集中型コールセンター」導入に関する覚書も締結し、銀行内の通信インフラの統合と業務効率化を推進する。
今後は、金融とデジタル技術を融合した新サービスの共同開発にも取り組み、データ・金融・デジタルを統合した高付加価値ソリューションの創出を目指す。
この提携は、銀行の金融機能と国家規模のデジタルインフラを組み合わせたモデルケースとして、ベトナムにおける金融DXの加速と持続的成長基盤の構築に寄与するものと位置付けられている。
ベトナム農業環境省が農林水産物輸出11.3億ドル達成を発表(3月11日)
ベトナム農業環境省は、2026年1~2月の農林水産物輸出額が113億ドルに達し、前年同期比17.1%増となったと発表した。
輸出は天候の安定や生産回復を背景に拡大しており、農産物6.09億ドル、水産物1.76億ドル、林産物2.82億ドルなど主要分野でいずれも増加した。特に畜産関連や生産資材の輸出は大幅な伸びを示している。
輸出先別ではアジアが最大の輸出先で全体の45.5%を占め、次いでアメリカ21%、欧州15.7%となった。国別では中国(最大の貿易相手国)、米国、日本が主要市場であり、それぞれ22.9%、18.7%、7.2%を占める。中でも中国向け輸出は前年同期比55.9%増と大きく拡大している。
品目別では、コーヒー、ゴム、果実・野菜、カシューナッツ、胡椒などが高い成長を記録した一方、米は輸出量が増加したものの価格下落により輸出額は減少した。水産物および木材製品も堅調に推移し、特に木材は米国向けが過半を占める主要輸出品である。
また、輸入額は78.1億ドルに達したものの、輸出の伸びにより貿易収支は34.8億ドルの黒字となり、前年同期比48.7%増と大幅に改善した。黒字への寄与は林産物、水産物、農産物の順で大きい。
今後、同省は市場動向を注視しつつ輸出市場の多様化を進めるとともに、生産の安定化を図り、2026年の成長目標達成を目指すとしている。
TH Groupがホーチミン市で大規模食品加工工場を着工(3月11日)
TH Group(ベトナムの食品大手)は、ホーチミン市のソンタン3工業団地で総投資額約6,000億ドン規模のクリーン食品加工工場プロジェクトを着工したと発表した。
同工場は敷地面積約10ha、年間生産能力約100万トンの大規模施設で、乳製品・飲料・食品加工を一体化した国内有数の先進拠点として位置づけられる。AI(人工知能)や先端管理技術を導入し、持続可能性を重視した生産体制の構築を目指す。
開発は2段階で進められ、第1期は2027年第1四半期の稼働開始を予定している。自社牧場から供給される生乳の加工を中心に、20の完全自動化ラインを導入し、Aseptic(無菌充填)技術により高品質な製品供給を実現する。
設計はSagen(ベトナムの建設設計会社)、施工は清水建設、技術パートナーとしてTetra Pak(スウェーデンの包装技術企業)、SIG(スイスの包装ソリューション企業)が参画する。同プロジェクトは、食品加工能力の高度化や農産物の付加価値向上、安全な食品供給の安定化に寄与するほか、南部地域におけるクリーンフード供給網の中核拠点として、雇用創出や農業バリューチェーンの強化など、地域経済への波及効果も期待される。
TH Groupは今回の投資を通じて、精密農業から加工、流通までの統合サプライチェーンを強化し、「健康志向食品」を軸に事業拡大を進める方針としている。
NovaGroupが医療機関と提携し「All-in-one」都市モデルを強化(3月13日)
NovaGroup(ベトナムの都市・観光不動産開発企業)は、ホーチミン市医科薬科大学附属病院と提携し、同社プロジェクトにおける医療サービス体制の構築を開始したと発表した。
この提携は、医療・スポーツ・観光・ウェルネスを統合した「All-in-one」エコシステムの強化を目的とするものであり、まずはNovaWorld Phan Thiet(リゾート型複合都市プロジェクト)において高品質な総合クリニックを展開する計画である。同病院は専門医療プロセスの構築、診療ガイドライン、難症例のコンサルテーション、医療人材の教育・研修を担う。また、研究開発や医療技術の移転も推進する。一方、NovaGroupは医療施設のインフラ整備および設備投資を担当する。初期段階では外来診療、健康診断、検査、画像診断などを提供し、将来的には他の主要プロジェクトへの展開を見据える。
背景として、ウェルネス&メディカルツーリズムおよびシルバーエコノミー(高齢者向け市場)の拡大があり、都市・観光開発において医療機能の統合が重要性を増している。
同取り組みにより、NovaGroupは居住・観光・医療を一体化した都市モデルを構築し、健康志向型ライフスタイルの提供および持続可能な都市開発の実現を目指すとしている。

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