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ベトナムの市場調査

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ベトナムの基礎情報

ベトナムの基礎情報

【人口】約9,554万人(2017年)
【GDP】約2,204億USドル(2017年)
    (ASEAN(1)6位;日本対比、約1/22)
【一人当たりのGDP】約2,353 USドル(2017年)
          (ASEAN(1)8位;日本対比約、1/16)
【首都】ハノイ
【言語】ベトナム語
【通貨】ベトナムドン(VND)
【民族】キン族(越人)約86%,他に53の少数民族
【宗教】仏教,カトリック,カオダイ教他
【地域】東南アジア、インドシナ半島
【隣接】太平洋、中国、ラオス、カンボジア
【主な気候】
 北部:多湿亜熱帯性気候であり、四季がある。最高気温が30度以上、最低気温10度以下であり、平均湿度80%以上。
 南部:熱帯モンスーン性気候であり、一年を通して高温であり、雨季(5~10月)と乾季(11~4月)がある。年間の平均温度は25度であり、平均湿度は70%以上である。最高気温が40度近くである。
【年度】暦年1月1日~12月31日


(経済指標:国際通貨基金、2018年10月版のデータ。他の情報:日本外務省、ベトナム政府。)
(1)ASEAN:東南アジア諸国連合(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス)

ベトナムの経済と人口

ベトナムの経済と人口

 ベトナム社会主義共和国は、1986年の「ドイモイ政策」(刷新政策という意味)の実施により、計画経済から市場経済へと向かい、30年以上に渡り、目覚ましい経済変化を見せている。

 ベトナムの一人当たりの所得(GNI)は2010年に下位中所得国(2)となり、2017年に2,170ドル(3)(4)に達した。農村から大都会への移住と都市化が急速に進み、広範囲で生活水準を向上させた。また、大量の外国直接投資流入による経済発展は生産活動の水準を向上させ、国の姿を変貌させた。

 ベトナムの国内総生産(GDP)の成長率は、2000年代から5%以上を維持している。2008年は、世界金融危機に加えて、国内の災害・病害も重なり、実質GDPの成長率は2000年以降、初めて5%台へ落下した(最低記録2012年に5.2%)が、ベトナム政府はインフレ抑制を方針にしつつ、外国直接投資を呼び込むなど、経済回復に取り組み、2013年からは再び好景気を取り戻している。2016年は災害と公害の影響により成長速度は若干、低下したが、2017年は6.8%の高成長率であり、名目GDPは2,204億ドルに達した。

 2018年に発表した国際通貨基金の報告書では、国際経済の好調とともに、国内改革の取り組み及び経済安定政策により、ベトナムの成長は続くと見通している。

 ベトナムの人口成長率は1%前後であり、2017年に9,500万人を上回った。この10年間の人口構成は、老年人口が約7%、年少人口が約23%、生産年齢人口が約70%で大きな変化はない。

 国際労働機構の2018年の労働推定によると、2008年から2017年まで、ベトナムの失業率は約1.8%から2.6%までの間で変動している。2017年の時点では、ベトナムの労働者の41%が農業に就労しており、34%がサービス業、25%が工業となっている。工業化を経済開発の重要な政策にしているベトナムでは、今後、農業の就職者が他の産業へシフトしていくと見込まれる。



(2)アジア開発銀行による
(3)世界銀行のデータ
(4)世界銀行の区分基準2018-2019版には、下位中所得国は一人当たりGNIが996~3,895USドルであること。
(人口に関するデータ:世界銀行、2018年9月21日更新版;労働に関するデータ:国際労働機構)

ベトナムの産業・外国直接投資

ベトナムの産業・外国直接投資

 ベトナムの産業は「農林水産業」、「鉱・工・建設業」、「サービス業」に区分されている。


 2010年からの統計基準が変わったため、データの一貫性が欠けるが、2008年から2017年までの産業のGDP構成比は穏やかに変化している。

 農林水産業の構成比は20%程度から徐々に減少しており、2016年・2017年に17%へと低下した。サービス業の構成比は42%から、最近の2年間は44%へと拡大した。農林水産業が減少している一方、サービス業が徐々に増加している。鉱・工・建設業は37%以上を占めており、2015年から2017年までは39%の構成比が続いている。


 ベトナムの各産業は全体的に伸びているが、特にサービス業と鉱・工・建設業が増加している。一方、農業の伸びは控えめである。

 農林水産業の成長率は1~4%程度で推移している。農林水産業は価格と災害の影響を受けやすいため、成長率は上下している。

 鉱・工・建設業の成長率は、世界経済の影響や国内の金融政策、国際・国内の需要縮小などによってバラツキがあり、2010年から2012年までは、世界金融危機の影響により、成長率は上下していた(最大記録2010年に7.7%:最低記録2012年に4.5%)。その後、鉱・工・建設業は回復しており、2015年に9.6%の高成長率に達した。最近2年間は、鉱業生産が激減した影響により、鉱・工・建設業全体の成長率は減速したが、鉱・工・建設業の中の製造業は発展しており、牽引役となっている。政府は製造業において、今後、国内の生産性や品質などの改善への取組を課題としている。
 
 サービス業は、約6%以上の成長率を維持しており、2017年の成長率は7.4%となった。近年観光業は非常に盛んでおり、2020年には基幹産業の1つになると期待されている。(5)


 ベトナムにおけるFDI実行金額は、2008年から毎年100億USドル以上であり、2017年に200億USドルを上回った。世界金融危機の影響により、ベトナムの実行FDIの伸び率は2008年の時点の43.1%から2009年、2011年と2012年には0%以下へ急落したが、2012年から回復しており、特に2017年の成長率は34.7%へと大幅に上昇した。

 2017年末時点のベトナムにおけるFDI新規認定と追加認定は、案件数・投資金額ともに、韓国が第1位(6,549案件、578.6億ドル、ベトナムFDIの18%)であり、日本が第2位(3,607案件493.1億USドル、ベトナムFDIの15%)となっている。最も主要な投資分野は製造であり、その次は不動産と商業である。
(6)



(産業に関するデータ:ベトナム統計局の各年間報告書; FDIに関するデータ:JETRO、2018年)
(5)ベトナム政治省の情報 
(6) ベトナム企画投資省外国投資庁による

ベトナムの輸出

ベトナムの輸出

 ベトナムの輸出金額は2009年から毎年平均18%増額しており、2012年に1,000億USドル、2017年に2,000億USドルを上回った。

 ベトナムの輸出は主に外資企業が支えており、米国、中国、日本、韓国がベトナムの主要輸出先である。
 ベトナムから日本への輸出金額は毎年増加しているが、近年中国と韓国への輸出金額の伸び率の方が高く、日本への輸出金額の構成比は縮小している。
 2017年の輸出金額は、中国が354.6億ドル(2008年対比、7.8倍増)、韓国が148.2億ドル(2008年対比、8.3倍増)である。中国と韓国の輸出金額の構成比は2008年と比較して2.3倍以上拡大しており、中国が17%、韓国が7%を占めている。

 2017年に日本への輸出金額は168.4億ドルであり、2008年と比べ、2倍となったが、構成比としては2008年の10%から2017年は8%になった。


 ベトナムの主要輸出品目
 ベトナムの主要輸出品目は、電話機・同部品、縫製品、コンピュータ電子製品・同部品、履物、機械設備・同部品、水産物、木材・木製品、輸送機器・同部品、カメラ等、合成繊維、カシューナッツなどである。

 近年、輸出が急増している品目としては、電話機・同部品(2017年:452.7億USドル、2011対比6.6倍)、コンピュータ電子製品・同部品(2017年:259.4億USドル、2008年対比9.8倍)と機械設備・同部品(2017年:127.7億USドル、2009年対比6.2倍)である。


 日本への主な輸出品目は、縫製品、輸送機器・同部品、機械設備・同部品、水産物、木材・木製品、履物、コンピュータ電子製品・同部品、プラスチック製品、バッグ・スーツケース・帽子・傘と原油である。輸送機器・同部品は2012年から急増し、日本に輸出される品目の第2位になった。



(データ:JETRO、2018年)

ベトナムの輸入

ベトナムの輸入

 ベトナムの輸入金額の推移は輸出に近い傾向がある。輸出と同様に2009年から継続して増加しており、2009年に1000億USドル、2017年に2000億USドルを上回った。

 ベトナムの最大輸入相手国は中国であり、輸入金額は毎年伸びている。2017年の中国からの輸入金額は582.3億ドルであり、ベトナム輸入の28%を占めている。
 中国に続く輸入相手国は韓国である。韓国からの輸入金額は2008年の70.7億ドルから2017年に467億ドルに拡大し、構成比は2008年と比較して13%も拡大し、ベトナムの輸入の22%を占めている。

 日本からの輸入金額は2008年の82.4億ドルから2017年に165.9億ドルへと2倍となったが、中国と韓国の構成比が拡大した為、日本の輸入構成比は10%前後となっている。
 ベトナムは多国籍企業の組み立て・加工拠点であるため、生産材料を多く輸入している。


 ベトナムの主要輸出品目
 ベトナムの主要輸入品目は、コンピュータ電子製品・同部品、機械・設備部品、電話機・同部品、織布・生地、鉄・鉄くず、プラスチック原料、石油製品、金属類、繊維・皮原材料、化学製品、自動車部品などである。

 近年、輸入が急増している品目は、コンピュータ電子製品・同部品(2017年:377.1億USドル、2008年対比10.2倍)と電話機・同部品(2017年:163.3億USドル、2011年対比6.3倍)である。


 日本からの輸入金額は2009年から毎年増加しており、2017年は165.9億USドルであった。日本から主な輸入品目は、機械設備・同部品、コンピュータ電子製品・同部品、鉄・鉄くず、織布・生地、自動車部品、化学製品、プラスチック原料、化学品、繊維・皮原材料、輸送機器・同部品である。その内、機械設備・同部品、コンピュータ電子製品・同部品と鉄・鉄くずの輸入金額はもっとも多い。



(データ:JETRO、2018年)

在ベトナム邦人と日系企業

在ベトナム邦人と日系企業

 ベトナムでは日本人が毎年増えている。日系企業の間にも有望な進出先として注目されている。

 2017年の在留邦人数は17,266人であり、2008年と比べ、約2倍となった。日系企業は現在1,816拠点あり、国別の日系企業の進出数でベトナムが6位となり、タイとインドネシアとともに東南アジアのもっとも人気な進出先の一つである。

 在ベトナム日系企業は製造業が中心である。外務省のデータに基づくと、2017年に在ベトナム日系企業の44%は製造業であり、卸売業・小売業が9%、建設業が7%となっている。


(データ:日本外務省の各年間統計報告)





 ベトナムは以前、物価と人件費が安価な国としてしか知られていなかった。しかし、近年の産業の進化と国民の収入上昇により、今後、ベトナムの産業は更に付加価値が高いセグメントへ転移し、国民の生活基準も向上することが予測される。また、多くの新たなビジネスチャンスの開拓が見込まれる。

 但し、ビジネスの活力が湧いているベトナムでは、変化が急速であることに加えて、行政の規則や産業の詳細な情報を共有できる団体や公的なデータベースなどのビジネスを支える制度が未熟である。ベトナムで事業を進めるには、現地の制度、消費文化、ビジネス習慣などの特徴をはじめ、各分野の最新情報を緊密に把握することが不可欠である。

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