ベトナムのビジネスニュース:2026年3月後半

NovalandがLPBankと包括提携を締結(3月16日)
Novaland(ベトナムの不動産開発大手)は、LPBank(ベトナムの商業銀行)と包括的な戦略提携を締結したと発表した。
提携に基づき、LPBankはNovalandの不動産プロジェクトに対し、融資や金融ソリューションの提供を検討し、資金調達力の強化およびプロジェクト推進の加速を支援する。また、両社は住宅購入者向けの融資プログラムも共同で展開し、個人顧客の資金アクセスを改善することで、不動産市場の流動性向上を図る。さらに、LPBankは建設業者やサプライヤーなどプロジェクト関連企業に対しても信用供与や保証、決済サービスを提供し、サプライチェーン全体の資金循環を支える方針である。加えて、両社は顧客基盤およびパートナーエコシステムの連携を進め、融資、預金、デジタルバンキング、保険、キャッシュマネジメントなどの金融サービスの共同開発も検討する。
LPBankは同提携を主要産業における大企業との関係強化の一環と位置付けており、Novalandのプロジェクトに対する金融支援を通じて事業拡大を図る。一方、Novalandにとっては財務再構築と資金基盤強化に向けた重要な一手であり、今後の投資・開発戦略の推進力となる見込みである。
KIM LONG MOTORが最新技術を導入したトラック生産工場を竣工(3月17日)
KIM LONG MOTOR(ベトナムの商用車メーカー)は、最新技術を導入したトラック生産工場の竣工を発表した。
同工場は敷地面積約10haに建設され、自動溶接ロボットを活用した高精度な溶接工程や、ED(電気泳動塗装)を含む先進的な塗装システムなど、高度な自動化ラインを備えている。組立工程では複数車種を同一ラインで生産可能な柔軟な生産体制を採用し、市場ニーズへの迅速な対応を可能としている。また、ISO9001(品質管理)、ISO14001(環境管理)、IATF16949(自動車品質管理)といった国際規格に準拠した品質・環境管理体制を構築している。
同工場はKIM LONG MOTOR Hue自動車生産センター(ベトナム中部の自動車製造拠点)の中核施設として位置付けられ、エンジンやバッテリー、車体部品を含む垂直統合型の生産体制を構築することで、品質管理の強化やコスト最適化、現地化率の向上を図る。年間約2万台の供給能力を有し、国内市場に加えて将来的な輸出も視野に入れている。
また、内製化とコア技術の確立を軸に、トランスミッションや電装、素材などの補助産業との連携を強化し、現地化率90%以上およびグローバルバリューチェーンへの参入を目指す方針である。さらに、内燃機関および電動モデルを含む新型トラック4車種を発表し、国内物流企業との販売契約も締結した。
今後は、生産体制の高度化と製品ラインナップの拡充を通じて、ベトナム発の商用車ブランドとして競争力強化と市場展開の加速を図るとしている。
Agribankが電力化ごみ処理プロジェクトへの大型融資を実施(3月19日)
Agribank(ベトナム最大級の国営商業銀行)は、Amaccaoグループ傘下企業との間でごみ発電プロジェクトに関する融資契約を締結したと発表した。
同プロジェクトはダナン市のカインソン廃棄物処理施設内で実施される総投資額約3,000億ドン規模の事業で、1日あたり約1,100トンの廃棄物処理能力と約18MWの発電能力を有する。従来の埋立中心の処理から焼却発電への転換を図るもので、循環型経済およびNet Zero政策に沿った取り組みと位置づけられている。
融資は最大1,500億ドン規模で、Agribank北イエンバイ支店が資金アレンジを主導し、南ダナン支店と連携して実行する。また、保険については同社子会社が引き受け、プロジェクトのリスク管理体制を強化する。今回の案件は、ダナン市での都市廃棄物処理問題の解決と再生可能エネルギー供給の拡大を同時に図るインフラ投資として、都市の持続可能性向上への寄与が期待される。
今後は、同プロジェクトを通じて環境改善とエネルギー供給の両立を進めるとともに、既存埋立地の再生や環境教育拠点としての活用も視野に入れる。また、Agribankはグリーンクレジット(環境配慮型融資)の推進を加速し、環境・社会的価値を伴うプロジェクトへの資金供給を強化する方針としている。
PV GASがLPG輸入多様化で供給確保を実施(3月20日)
PV GAS(ベトナム国営石油・ガスグループ傘下のガス事業会社)は、LPG(液化石油ガス)の安定供給確保に向け、豪州などからの輸入拡大を実施したと発表した。
中東地域における武力衝突やホルムズ海峡の封鎖により、世界的にLPG供給が逼迫し価格が高騰する中、ベトナムでは輸入の約70%を中東に依存していることから、市場への影響が拡大している。
こうした状況を受け、PV GASおよびPV GAS TRADING(ガス製品取引子会社)は、国内供給の最大化と輸入先の多様化を柱とする対応策を実施した。具体的には、国内ガスおよびLPG・コンデンセート(液体炭化水素)の増産、在庫調整による供給安定化に加え、米国、豪州、東南アジアなどからの調達を強化している。また、顧客と協議の上、スポット市場からの委託調達を実費ベースで供給する仕組みを導入し、利益を上乗せしない方針を採用した。
実際の調達では、2026年3月には米国から5,000トン、豪州から約38,000トンを輸入し、さらに、豪州から約38,000トンを輸入し、4月にも約48,000トンの追加輸入を予定している。これにより、2026年5月までの国内需要の大部分を確保できる見通しである。
今後は、輸入先のさらなる多様化と供給体制の強化を通じて、エネルギー安全保障の維持と市場安定化を図るとしている。
KIM LONG MOTORが電動・ディーゼルバスをタイへ初輸出(3月20日)
KIM LONG MOTOR(ベトナムの商用車メーカー)は、「Made in Vietnam」の電動およびディーゼルバスをタイへ初輸出したと発表した。
今回の輸出は、2026年に予定される300台契約の初回ロット(10台)にあたり、同社の海外市場展開における重要な第一歩と位置づけられる。製品は80%以上の高い現地化率を達成しており、ASEAN域内の関税優遇制度(Form D:原産地証明)を活用した無税輸出が可能となっている。
主力モデルである12mバス「KIMLONG99」は、YUCHAI製エンジン(中国のエンジンメーカー)を搭載し、高出力と低燃費(19~21L/100km)を実現しているほか、モノコック構造(車体一体型構造)の採用により軽量化と高剛性を両立している。また、電動バスについては、BYD製バッテリー(中国の電池メーカー)を搭載し、最大約401kmの航続距離を確保するとともに、回生ブレーキ(エネルギー回収技術)により運行効率の工場とコスト削減、環境負荷低減を実現している。
同社は、車体、エンジン、バッテリーまでを自社で一貫生産する垂直統合型の体制を構築しており、品質管理の強化とコスト最適化を図っている。これにより、市場ニーズに応じた柔軟な製品開発が可能となっている。
同社は今後、環境対応型車両の開発と海外展開をさらに加速し、東南アジア市場を中心にグローバルなサプライチェーンへの参入を目指すとしている。
NICがTU Berlinとイノベーション分野で協力覚書を締結(3月24日)
ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は、TU Berlin(ドイツの工科系トップ大学)とスタートアップおよびイノベーション分野における協力覚書(MoU)を締結したと発表した。同覚書は、両国間におけるイノベーションや戦略技術分野での連携強化を目的とするものである。
TU Berlinの起業支援機関であるCentre for Entrepreneurshipは、研究成果の商業化やスタートアップ支援を担い、年間約40件のハイテクプロジェクト支援や、約10社の新規企業創出に貢献している。また、Science & Startups(ベルリンの大規模スタートアップ支援ネットワーク)の創設メンバーとしてエコシステム形成を推進している。
一方NICは、これまでにNVIDIAやGoogle、Meta、Samsungなど大手テクノロジー企業と連携し、スタートアップ支援やデジタル人材育成、国際的な投資・技術ネットワークの構築を進めてきた。
今回の協力では、スタートアップ向けの研修・育成プログラムの共同実施、技術フォーラムや起業コンテストの開催、インキュベーションおよびアクセラレーション(短期集中成長)支援、人材交流、戦略技術分野での共同研究推進などを柱とする。
今回の連携を通じて今後は、ベトナムとドイツのイノベーションエコシステムの接続を強化し、国際的な知識・技術・投資の活用を促進することで、スタートアップおよびテクノロジー企業の成長支援とイノベーション主導型経済の発展を加速するとしている。
VinachemがVIMCと包括的協力契約を締結(3月26日)
Vinachem(ベトナムの国有化学大手)とVIMC(国営海運・港湾・物流企業)は、化学工業および海運・物流分野における連携強化を目的とした包括的協力契約を締結したと発表した。
両社はそれぞれの事業基盤を活かし、製品・サービスの相互利用、海上輸送、港湾・物流サービス、製品流通、ブランドプロモーション、さらには投資プロジェクトなど幅広い分野で協力を進める方針である。
Vinachemは、肥料や基礎化学品、工業用ゴム、電池・鉱産資源などを手掛けており、今回の連携により輸送・保管・流通の効率化を図る。特に大量輸送を要する化学製品において、コスト削減と供給体制の強化が期待される。
一方、VIMCは全国規模の海運・港湾・物流ネットワークを有しており、今回の連携により、物流需要の拡大と市場拡張を見込むとともに、製造業と物流を結ぶサプライチェーンの統合強化による付加価値創出を目指す。
同協力は、国有企業間の連携による大規模な生産・供給・サービスチェーンの構築を狙いとしており、セクター全体の競争力向上への寄与が期待されている。
今後は、既存のサービス連携にとどまらず、合弁・共同投資など、より高度な協力形態への発展を視野に入れ、コスト最適化と価値創出を推進するとしている。
EVNとHiep Phuoc電力会社がLNG火力発電所プロジェクトを着工(3月27日)
EVN(ベトナム国営電力会社)とHiep Phuoc電力会社(民間発電事業者)は、LNG火力発電所プロジェクトに関するPPA(電力購入契約)を締結し、建設を開始したと発表した。
この契約は、ベトナムにおけるLNG火力分野で2件目のPPAであり、政府の優遇制度(LNG輸入火力発電向け支援制度)に基づく初の案件として、同分野の制度整備と市場形成を示すものと位置づけられている。
対象となるHiep Phuoc LNG火力発電所(第1期)は、出力1,200MW、総投資額約1.9兆ドン(約8.9億ドル)規模の国家重点プロジェクトで、BOO(Build-Own-Operate)方式により民間主体で開発・運営される。発電設備にはSiemens製(ドイツの重電メーカー)の高効率ガスタービンが採用される。また、ベトナムでは既にNhon Trach 3・4発電所が商業運転を開始しており、電力計画(電力開発計画VIII)では約3.75万MWのガス火力増設が必要とされ、そのうち約6割をLNGが占める見込みである。
同プロジェクトは、増大する電力需要に対応する安定供給源として位置付けられ、稼働後は年間70億kWh以上の電力供給が見込まれている。今後は、LNG火力発電の導入拡大を通じて、エネルギー安全保障の強化と電源構成のクリーン化を推進するとしている。
GemadeptとCJ Logisticsが物流・海運事業の戦略最適化で新たな協業体制を構築(3月31日)
Gemadept(ベトナムの港湾・物流大手)とCJ Logistics(韓国の総合物流企業)は、物流および海運事業における戦略最適化を実施し、新たな協業体制に移行したと発表した。
両社は2018年の合弁設立以来8年以上にわたり協業を進めてきたが、事業環境の変化や各社の成長戦略に対応するため今回の再編に至った。
新体制では、Gemadeptが海運事業を100%保有・運営し、さらにMekong Logistics(ベトナムの物流企業)に49%出資する。一方、CJ Logisticsは3PL(サードパーティ・ロジスティクス:物流業務の外部委託)事業を100%運営し、ITを活用した配送センター主導の統合物流サービスの強化を図る。これにより、港湾と物流を統合した「Port-Logistics」モデルおよびコンテナ中心のビジネスモデルを軸に、サプライチェーン全体の効率化と競争力向上を目指す。
Gemadeptは、港湾インフラと顧客基盤を活かし、取扱量500万TEU超への拡大や、内陸水運の強化、自社船隊の拡充を推進するほか、メコンデルタ地域を中心としたコールドチェーン物流の拡大にも取り組むとしている。

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