タイのビジネスニュース:2026年4月前半

タイEV市場が商用電気自動車需要拡大で成長加速へ(4月2日)
タイ電気自動車協会(EVAT)は、タイのバッテリー式電気自動車(BEV)市場が2026年に販売台数12万台超へ成長する見通しを発表した。背景には原油価格の高騰や燃料価格の不安定化があり、乗用車向けBEVに加え、トラック、バン、ピックアップトラックなど商用電気自動車が市場成長の主な原動力になるとみられている。
タイ工業連盟によると、2025年の国内BEV販売台数は前年比80%増の12万301台に達した。EVATは、物流企業、輸送事業者、政府機関が
燃料費削減を進める中、2026年は商用電気自動車市場にとって飛躍的な年になると予測している。特にセメントや消費財業界では、ディーゼル車から電気自動車への切り替え検討が進んでおり、企業の脱炭素化とコスト削減需要が市場拡大を後押ししている。
こうした中、中国系DongfengブランドのEV販売代理店は、大型トラクターヘッド「KL6x4」の発売を発表し、タイの商用EV市場へ本格参入する方針を明らかにした。同社は2026年に100台、2027年に300台の販売を目指している。また、タイ国内での製造工場建設やEVトラック
向け充電ステーション投資も検討しており、合弁事業パートナーとなる現地企業を模索している。さらに、Dongfengは大型トラック200台の
導入を検討しているSiam City Cement社と協議を進めている。
バンコクモーターショーで13万5,000台の車両が受注された(4月6日)
バンコク国際モーターショーが開催され、3月25日から4月5日までの期間に180万人の来場者を集めた。12日間で自動車132,951台とオートバイ2,056台の受注があり、BYDが最多の受注を獲得した。
同モーターショーでは、アジアやヨーロッパのメーカーによる電気自動車が多く展示されたが、内燃機関を搭載した車両、特に多目的車や
ピックアップトラックは依然として購入者の関心を集めていた。
BYDが17,354台で最多受注を獲得し、次いでトヨタ(15,750台)、OMODA&JAECOO(15,088台)、MG(10,537台)、DEEPAL/NEVO(8,573台)、Geely(7,811台)が続いた。
J&T Expressが自動化投資とEV導入で物流効率化を加速(4月8日)
J&T Expressは、自動仕分け技術への投資や電気自動車の試験導入を通じ、物流業務効率化への取り組みを加速すると発表した。タイ物流
業界では、燃料価格上昇や競争激化に伴うコスト圧力が高まっており、同社はテクノロジー活用による競争力強化を進めている。
同社は、タイ物流市場について、eコマースプラットフォームやソーシャルメディアコマース拡大を背景に、小包取扱量が毎年着実に増加しており、引き続き高い成長可能性を持つとみている。この成長需要に対応するため、全国の仕分けセンターすべてに高度な自動化設備を導入し、物流効率向上と配送時間短縮に向けた大規模投資を進めている。
また、燃料価格変動リスクへの対応と、企業が推進する「グリーンエネルギー」戦略に沿った運営体制構築も重点施策として積極的に見直している。同社は配送サービス向けに電動自転車の試験導入を開始しており、一部支店ではすでに本格的なテスト運用を実施している。
J&T Expressは、持続可能で強靭な組織を構築するためには、効率性と長期的持続可能性のバランスが不可欠であると強調している。今後も物流インフラ高度化とデジタル技術活用を進め、タイ物流業界全体の競争力強化に貢献するとしている。
タイ政府がプラスチックリサイクル強化で供給不足対策を検討中(4月11日)
タイ産業省は、イランと米国・イスラエルの紛争によるプラスチック不足を受け、タイ国内におけるプラスチックリサイクルを加速させるための緊急措置を検討していると発表した。今回の取り組みは、差し迫った供給圧力への対応に加え、長期的な環境保護強化も目的としている。
中東での戦争は、世界の包装資材サプライチェーンを混乱させており、2月下旬以降、バージンプラスチックペレット価格は30~40%以上
上昇している。プラスチックビーズ価格の高騰は包装製品コストへ直接影響し、食品、飲料、消費財価格の上昇を通じて最終消費者の経済的
負担増加につながっている。
タイでは年間270万トン以上のプラスチック廃棄物が発生しているが、リサイクル率は約25%にとどまり、大半が埋立地へ送られている。
この状況を受け、産業省は商務省、天然資源環境省、公衆衛生省、民間企業と連携し、リサイクル促進策について協議を進めている。議論では、リサイクル技術向上と再生材市場需要拡大が重点テーマとなっている。
政府は、リサイクルプラスチックビーズの国内生産拡大により、世界市場における価格高騰や供給不足の影響を緩和したい考えとしている。
外国人購入者がタイ不動産市場の構造変化を加速(4月12日)
不動産情報センター(REIC)は、2025年のタイのコンドミニアム市場で外国人による購入件数は増加した一方、購入総額は減少したと発表した。2025年に外国人が購入したコンドミニアムは14,899戸で、前年比2.2%増となったが、購入総額は609億2,100万バーツと10.7%減少
した。市場では件数増加と単価下落が同時に進行している。
外国人購入者の市場全体に占める割合は上昇しており、総件数の13.4%、市場価値の23.2%を占めるまで拡大した。これは、タイ人の購買力回復が依然として限定的である一方、外国人需要がタイ不動産市場を支える重要な要素となっていることを示している。
国別では、中国が引き続き購入件数・購入金額とも最大市場であるものの、減少傾向が鮮明となった。購入件数は前年比12.9%減、購入金額は30.0%減となり、平均価格は1戸あたり380万バーツである。一方、インドは新たな成長市場として存在感を高めており、購入件数は限定的
ながら、平均購入価格は1戸あたり690万バーツと高水準で推移している。
REICは、タイ不動産市場が構造転換局面に入っていると分析している。市場は投資目的中心から実需型住宅購入へ移行しており、平均専有
面積は41.3平方メートルとなっている。また、高価格帯から手頃な価格帯へのシフトが進み、平均価格は1戸あたり410万バーツ、1平方メートルあたり約99,043バーツが新たな均衡点となりつつある。さらに、中国依存からの脱却と市場分散の必要性が高まっており、今後はロシア、
台湾、欧州諸国の購入者がより重要な役割を担うとみられている。

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