インドネシアのビジネスニュース:2026年4月後半

大熊製薬の抗潰瘍薬が食品医薬品監督庁の販売承認を取得(4月18日)
韓国の製薬企業大熊製薬の子会社である大熊製薬インドネシア社は、びらん性食道炎(EE)の治療薬「フェクスプラザン40mg」がインドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)から正式に販売承認を取得したと発表した。
フェクスプラザンは、カリウム競合型酸分泌阻害薬(P-CAB)という作用機序を持つ新世代の治療薬であり、従来のプロトンポンプ阻害薬(PPI)系治療薬に比べてより速やかに効果を発揮するとされている。初回投与から効果を発揮するだけでなく、昼夜を問わず症状を効果的にコントロールできるよう設計されており、また、肝臓の代謝酵素CYP2C19への依存度が低いため、心臓病治療薬を含む他の薬剤との相互作用の可能性を最小限に抑えることができる。
なお、市場の観点から見ると、インドネシアの抗潰瘍薬の市場規模は2024年に約2.4兆ルピアに達しており、胃疾患の有病率の増加に伴い、年間約6%の成長が見込まれている。
現在、フェクスプラザンは輸出契約を通じて30カ国に展開しており、同社のグローバル展開の一環として、中国やインドネシアを含む16カ国で承認を取得している。
トヨタと中国のCATLがインドネシアでバッテリーエコシステムを構築へ(4月20日)
自動車メーカートヨタの子会社であるToyota Motor Manufacturing Indonesia(TMMIN)は、中国の電池大手メーカーContemporary Amperex Technology(CATL)と提携し、現地におけるバッテリーセルやモジュールを含むバッテリーパックの生産能力拡大に向けて1兆3,000億ルピア(約7,600万米ドルに相当)を投資することを発表した。
今回の計画により、現在輸入されている電池セルおよびモジュールの部品は、将来的にはインドネシア国内で生産されることになる。同社は、ハイブリッド電気自動車(HEV)に搭載されたバッテリーおよび部品としてのバッテリーの輸出を、2026年下半期から開始することを目標としている。
また、この措置は、輸入への依存度を低減すると同時に、国内産業の生産能力を向上させることも目的としている。バッテリーの現地調達をさらに推進する取り組みは、輸出市場を含め、電動車両の生産拠点としてのインドネシアの競争力を強化するために重要であると見なされている。
なお、同社は現在西ジャワ州カラワン工場において、すでにハイブリッド車「トヨタ・キジャン・イノバ・ゼニックス」、「ヴェロス」、「ヤリス・クロス」向けのバッテリーパックを生産している。
自動車税規則の改正により新型BEVが免税対象外となる(4月20日)
政府は、2026年内務大臣規則第11号により、自動車税の制度を正式に改正したと発表した。
同規則は、電気自動車を含む自動車税(PKB)および自動車登録税(BBNKB)の課税における新たな基準となる。この変更により、電気自動車や電動バイクの所有者は、これまでよりも税負担が大きくなる。具体的には、以前、電気自動車に対して様々な減税措置や免税が適用されていたが、現在ではこれらの優遇措置が制限されている。2026年内務省令第11号第19条では、電気自動車に対する自動車税および自動車登録税の課税について、免除または減額という形で引き続き優遇措置が適用されると規定されているが、この優遇措置は2026年以前に製造された電気自動車にのみ適用される。
つまり、2026年以降に生産される新車の電気自動車は、以前のように自動的に0%の税制優遇措置を受けられなくなる。この政策により、これまで消費者にとって最大の魅力であったBEV(バッテリー式電気自動車)に対する全面的な優遇措置が廃止される。
さらに、政府は自動車課税の課税標準を、自動車販売価格および自動車部品販売価格に基づき、定期的に更新されるものとすることを決定した。この仕組みにより、電気自動車の税額は車両価格の上昇に伴い増加する可能性がある。
この新たな政策は、インドネシアにおける電気自動車へのインセンティブの方向性が変化していることを示唆している。政府はこれまで免税措置を通じて普及を促進していたが、国内の電気自動車台数の増加に伴い、政府は税制の正常化へと方向転換し始めている。
なお、今後の電気自動車の税制は、インドネシア全土で一律にはならず、税率や優遇措置は各地方自治体の決定によって異なる見込みである。
繊維総合企業3社がスバン・スマートポリタン地区に垂直統合型製造施設を建設(4月24日)
繊維総合企業であるBinkova Textiles Indonesia社、Dafei Textile Indonesia社およびSerendipity Fashion Indonesia社は、西ジャワ州スバン・スマートポリタン地区に垂直統合型製造施設の建設を開始したと発表した。このプロジェクトは、インドネシア・欧州連合包括的経済連携協定(IEU-CEPA)による貿易機会を活用する取り組みの一環である。
この施設は、生地製造から完成品に至るまで、繊維・アパレル生産の主要な2つの工程を1つの敷地内に集約するように設計されており、投資総額は6,000万米ドルに達すると見込まれている。
なお、Binkova Textiles Indonesia社は染色・仕上げ分野(ティア2)を手掛けており、Dafei Textile Indonesia社織物およびニット製品の製造に注力し、一方で、Serendipity Fashion Indonesia社は完成品である衣料品の製造(ティア1)を主としている。これら3社は、スウェーデンに本社を置くグローバルファッションブランド「H&M」のサプライチェーンの一翼を担っている。同施設は、IEU-CEPAのゼロ関税スキームにおける「2段階生産」の要件を満たすために建設されたものであり、その生産は輸出市場、特に欧州市場向けに重点を置いている。
工場の建設は2026年末の完了を目標としており、その後本格稼働に移行する予定である。
リープヘルが最新型の油圧ショベル「R 9100 G8」を発売(4月24日)
ドイツの建設機械メーカーリープヘルは、インドネシアにおいて最新型油圧ショベル「R 9100 第8世代(G8)」の発売を正式に発表した。
同社によると、同機は鉱業セクターにおけるコスト効率化とデジタルトランスフォーメーションのニーズに応えるために設計された。
この100トン級の掘削機は、特に燃料効率と制御システムにおいて数々の改良が施されており、Liebherr Power Efficiency(LPE)技術により、燃料消費量は前世代モデルと比較して最大20%削減され、効率は30%向上している。燃料費が総運営費の40%に達することもある鉱業業界において、この効率化は極めて重要であると評価されている。実際、1台あたり年間最大10万リットルの燃料節約が可能であり、排出量削減の目標達成にも貢献する。
また、性能面では、同機は南スマトラ州タンジュン・エニムにおける建設・鉱業請負会社Madhani Talatah Nusantara社と協力し、インドネシアでの実地試験を実施した。その結果、同機は月平均411時間の稼働が可能であり、稼働率は92%に達した。
効率性に加え、同社は「IoMine」エコシステムを通じてデジタル機能を導入し、機械の稼働状況をリアルタイムで監視できるようにした。この技術には、「Skyview 360°」やバケット充填アシスタントといったシステムから、データに基づく意思決定を支援するデータ分析サービスまでが含まれている。
クラカタウ・スチール30兆ルピア規模の統合製鉄プロジェクトを推進(4月28日)
国営鉄鋼メーカーのクラカタウ・スチール社は、中部ジャワ州チラチャプで30兆ルピア規模の統合製鉄プロジェクトを準備していると発表した。
同プロジェクトは、鉄鋼産業の自立性を強化すると同時に、原材料の輸入依存度を低減するため、炭素鋼(カーボン・スチール)およびステンレス鋼の開発を包含している。炭素鋼の開発において同社はバンテン州チレゴンにある施設を最大限に活用し、国内産の鉄鉱石を原料として付加価値を高める方針である。一方、ステンレス鋼については鉄鋼産業の上流から下流までの統合を強化するため、ニッケル原料の供給源に近い場所に生産施設を建設する予定である。
操業面では、同社は2026年の鉄鋼生産量を120万~130万トンとする目標を掲げている。この目標は、2025年の実績生産量である約93万6,000トンから増加する見込みである。
同プロジェクトは2026年4月29日に起工する予定である。

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