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ベトナム経済ニュース:2026年9月前半

ベトナムの1~8月の鉱工業生産指数が11.9%増(9月3日)

 ベトナム財務省傘下の統計局は、2026年1~8月の鉱工業生産指数(IIP、工業生産の動向を示す指数)が前年同期比11.9%増となり、近年の同期間として最高水準の伸びを記録したと発表した。
 8月単月のIIPは前月比1.5%増、前年同月比14.4%増となった。業種別では、鉱業が前年同期比8.1%増と、前年同期の2.1%減からプラスに転じたほか、電力生産・配電が10.1%増、水供給・廃棄物・排水処理が9.4%増となった。
 主要業種では、金属製造が22.4%増と最も高く、飲料が16.4%増、自動車が15.9%増、電気機器が14.6%増、電子・コンピューター・光学製品が13.9%増、家具が12.7%増、非金属鉱物製品が12.6%増、ゴム・プラスチック製品が12.3%増となった。このほか、木材・木製品加工が12.2%増、化学品・化学製品が11.9%増、原油・天然ガス採掘が11.9%増、食品加工が11.6%増となった。一方、皮革・関連製品は3.6%増にとどまり、石炭・褐炭採掘は1.8%減少した。
 8月単月では、加工・製造業が前年同月比14.6%増、電力生産・配電が11.8%増、鉱業が18.5%増、水供給・廃棄物・排水処理が9.5%増となった。主要製品では、オートバイが27.9%増、ノートパソコンが25.7%増、自動車が24.0%増、圧延鋼が23.4%増、水産加工品が21.4%増となった。工業企業の就業者数も8月1日時点で前年同月比3.8%増となり、加工・製造業は4.0%増加した。ベトナムの工業生産は加工・製造業を中心に幅広い業種で2桁成長が続き、製造業・工業部門が2026年の経済成長の主要な牽引役となっているとしている。

1~8月の貿易総額が28.7%増で過去最高を記録(9月3日)

 ベトナム財務省傘下の統計局は、2026年1~8月の輸出入総額が前年同期比28.7%増の7,701億4,000万ドルとなり、同期間として過去最高を記録したと発表した。
 このうち輸出額は前年同期比22.4%増の3,748億4,000万ドルとなった。8月単月の輸出入総額は前年同月比31.7%増の1,097億ドルで、輸出額は前月比3.2%増の547億9,000万ドルとなった。
 1~8月の輸出では、加工・製造業製品が3,379億9,000万ドルで全体の90.2%を占め、引き続き最大の輸出品目となった。農林産物は266億5,000万ドルで7.1%、水産物は80億ドルで2.1%、燃料・鉱産物は22億ドルで0.6%を占めた。8月には輸出額10億ドル超の品目が33品目となり、輸出総額の93.6%を占め、このうち7品目は100億ドルを超え、全体の70.0%を占めた。
 一方、1~8月の輸入額は前年同期比35.3%増の3,953億ドルとなり、国内企業が23.7%増、FDI(外国直接投資)企業が40.1%増となった。輸入では、生産活動の本格化に伴う需要を背景に、生産資材が3,720億4,000万ドルと全体の94.1%を占めた。国・地域別では、米国が最大の輸出先で輸出額は1,220億ドル、中国が最大の輸入元で輸入額は1,619億ドルとなっており、加工・製造業を中心とする輸出拡大と生産資材の輸入増加が貿易拡大を支えているとしている。

PetrovietnamとKEPCOがニントゥアン第2原発の事業化に向け協力を加速(9月8日)

 Petrovietnam(ベトナム国家エネルギー産業グループ)とKEPCO(韓国電力公社)は、ベトナムの原子力発電プロジェクトの実施に向け、技術、投資、資金調達などの協力を強化すると発表した。
 両社は、韓国・ソウルで会談し、これまで締結した原子力分野の協力協定を具体化する方策について協議した。Petrovietnamは、ベトナム政府が原子力発電プロジェクトの実施に向けた準備を進めており、原子力分野がベトナムと韓国の新たな有望協力分野になっていると説明した。
 Petrovietnamが事業主体を務めるニントゥアン第2原子力発電所では建設用地の整備が進んでおり、会議時点で約97.5%の土地収用が完了している。同社は、政府が原子力発電事業の推進を加速していることを踏まえ、KEPCOと迅速かつ実現可能な協力スキームを構築し、両国政府に提案する方針を示した。
 KEPCOは同発電所の実施方法をPetrovietnamと共同で検討する意向を表明し、UAEのBarakah原子力発電所で韓国企業が建設に参画した事業経験を共有した。
 両社は今後、原子力技術、投資スキーム、資金調達について協議を深め、両国の関係機関による支援確保を進めることで、ニントゥアン第2原発の事業化を前進させるとしている。

Vietravel AirlinesがAirbus製50機を追加導入し中長期の国際線拡大を加速(9月10日)

 Vietravel Airlines(T&T Group傘下のベトナム航空会社)は、Airbus(フランスの大手航空機メーカー)から次世代航空機50機を購入し、中長期の機材拡充と運航能力強化を進めると発表した。
 両社は、A220を20機、A321シリーズを30機購入する契約を交わした。A321シリーズにはA321neoおよびA321XLRが含まれる見通しで、機体の引き渡しは2029年から開始する予定である。
 A220は最大160席級の次世代小型単通路機で、新規路線の開拓を担う機材として位置付ける。従来世代機と比べ、1席当たりの燃料消費量とCO2排出量を約25%削減でき、航続距離は約6,300~6,700kmである。需要がまだ小さい都市への直行便を開設し、市場を段階的に育成する用途を想定する。一方、A321neoは最大約240席、航続距離は約7,400km、A321XLRは約8,700kmであり、需要の大きい路線や長距離国際線に対応する。Vietravel Airlinesは、新機材を活用してアジアから南アジア、中央アジア、一部中東市場まで国際線ネットワークを拡大する方針である。 
 今回の50機導入は、Vietravel Airlinesが2024年末にT&T Group(ベトナムの複合企業グループ)のエコシステムに加わって以降進めてきた事業再編の次の段階に当たる。2025年6月には初の自社保有Airbus A321を導入しており、今後は自社保有機の比率を高めながら、長期的な機材計画と路線網の拡大を進める。
 同社は現在、国内の主要経済・観光都市を結ぶ路線を運航するほか、バンコクや深圳への国際定期便を展開している。2026年下期にも機材を追加し、1日当たりの運航便数を約80~90便まで拡大する計画である。
 T&T Groupは、インフラ、物流、航空を連携させた事業エコシステムの構築を進めており、Vietravel Airlinesを経済拠点や観光地を結ぶ重要な事業基盤と位置付けている。機材拡充に加え、旅客・貨物輸送、物流、関連サービスを連携させ、中長期的な成長基盤の強化を目指している。

KIM LONG MOTORがタイ向けEVバス輸出を開始し海外市場展開を拡大(9月10日)

 KIM LONG MOTOR Hue(ベトナムの商用車メーカー)は、タイのINNOPOWER(タイ大手エネルギー3社による合弁企業)向けに、電気路線バス「KIMLONGB30-EV」9台の引き渡しを完了したと発表した。
 今回の9台は、両社が締結した計113台の輸出契約に基づく初回納入分であり、2026年9月18日にフエ市のチャンマイ港からタイへ輸出する計画である。KIM LONG MOTORにとって、ベトナムブランドの電動商用車を地域市場へ本格展開する新たな段階となる。
 同社のEV(電気自動車)は、現在60%超の現地調達率を達成しており、2026年末までに90%へ引き上げる目標を掲げている。これは同社のディーゼルバスで既に達成している水準に相当し、「Made in Vietnam」車両の輸出競争力強化につなげる狙いである。
 INNOPOWERは、EGAT(タイ発電公社)、RATCH Group、EGCO(Electricity Generating Public Company)の3社による合弁企業で、クリーンエネルギー転換に向けた技術・事業開発を手掛けている。脱炭素化の一環として、グリーン交通分野の拡大を進めている。同社は、KIM LONG MOTORの研究開発力、生産規模、製品品質を評価し、タイにおけるグリーン交通の普及に向けて協力を決定した。今後は車両供給に加え、充電インフラや充電サービスを含むEVエコシステムの整備も進める方針である。
 KIM LONG MOTORも、アフターサービス、保証、保守、技術支援まで含む包括的な協力を継続し、タイでの安定運行を支援する。同社はこれまで、韓国、フィリピン、タイ、コスタリカのパートナーと輸出契約を締結しており、今後も海外市場の開拓を進める。長期戦略では、新エネルギー車、特に電動商用車を重点分野に位置付け、電気バス、電動バン、電動ミニバス、電動トラクターヘッドなどのR&D(研究開発)と技術内製化を強化する。
 KIMLONGB30-EVは今後、バンコクで運行を開始する予定である。現地での運行実績を基に、KIM LONG MOTORは東南アジアでの協力をさらに拡大し、ベトナム製EVの輸出拡大とグリーン交通への転換を推進するとしている。

T&T Energy GroupとTotalEnergiesが15億ドル超のLong Son LNG火力発電プロジェクトを共同開発(9月12日)

 T&T Energy Group(T&T Group傘下のエネルギー事業会社)とTotalEnergies Gas & Power Activities(仏TotalEnergies傘下のガス・電力事業会社)は、ホーチミン市のLong Son LNG火力発電プロジェクトの共同開発に関する覚書を締結したと発表した。
 同プロジェクトの総投資額は15億ドル超、発電容量は約1,500MWを計画しており、完成後はベトナム最大級のLNG火力発電所の一つとなる。2050年までのエネルギー転換期において、南部地域および全国のエネルギー安全保障を支える役割が期待される。
 覚書に基づき、両社はLong Son LNGプロジェクトを共同開発するコンソーシアムの設立可能性を検討する。発電所の建設・運営に加え、競争力のある価格でLNGを供給する体制の構築を目指す。TotalEnergies Gas & Power Activitiesは共同投資・共同開発企業として、発電所およびLNGインフラへの投資、LNG供給、プロジェクトファイナンスの組成を主に担当する。一方、T&T Energy Groupはベトナム国内の法務・行政手続きを担当し、中央・地方政府や関係当局との調整、開発・資金調達・建設・運転・保守に必要な政府承認の取得を支援する。
 両社は、コンソーシアムが正式にプロジェクト投資家として選定された後、LNG売買契約についても協議し、TotalEnergiesが同プロジェクト向けLNG供給者となることを想定している。T&T Groupは同プロジェクトへの参画を通じ、風力、太陽光、バイオマス、LNGなどのエネルギーポートフォリオを拡大し、2035年までに総発電容量25~30GW、ベトナムの総発電容量の約10%に相当する規模を確保することとしている。

FPTがUTPと「AIエネルギー研究所」を共同設立(9月14日)

 FPT(ベトナムの大手ITサービス企業)とUTP(Universiti Teknologi PETRONAS、マレーシアのPETRONAS系工科大学)は、「UTP-FPT AI Energy Research Lab(AIエネルギー研究所)」を共同設立すると発表した。
 同研究所は、研究、デジタルインフラ、コンサルティング、技術の商用化、人材育成を含む長期的な協力エコシステムの構築を目指し、ASEAN(東南アジア諸国連合)を中心に、安全で効率的かつ持続可能なエネルギー産業の発展を支援する。
 研究所は、①高度専門人材向け研修拠点、②R&D(研究開発)協力、③コンサルティング・知的財産の商用化、④専門教育の4分野を柱とする。実用的な技術ソリューションの開発・商用化を進めるとともに、AI・エネルギー分野の高度人材育成を行う。また、研究者や学生向けに大学院研究指導、学生交流、企業ニーズに対応した能力開発、AI、エネルギー、DX(デジタルトランスフォーメーション)、先端技術に関する専門研修などを実施する。研究者、学生、企業が連携し、実際のエネルギー課題の解決や新技術の開発に取り組む環境を整える。
 FPTは、UTPとの協力を通じ、AIを活用したスマートソリューションと高度人材を開発し、持続可能なエネルギー転換に伴う課題への対応力を高める方針である。UTPは同研究所を、先端研究成果を実用的なソリューションへ転換する基盤と位置付け、技術イノベーション、商用化、人材育成を促進する。今回の設立は、両者による7年間の協力を新たな段階へ進めるものであり、AI、データ分析、専門教育、デジタルインフラ、技術応用へと連携分野を拡大してきた協力関係をさらに発展させる取り組みとしている。

Masan High-Tech Materialsがタングステンの深加工・高機能材料事業を強化(9月15日)

 MSR(Masan High-Tech Materials、ベトナムのハイテク素材メーカー)は、タングステンを中核とする深加工・高機能材料事業を強化し、資源採掘から高付加価値材料への事業高度化を進めていると発表した。
 同社はNui Phao鉱山で多金属鉱石の採掘にとどまらず、タングステンの採掘、加工、精製、高付加価値材料の開発までを一体化したバリューチェーンを構築している。タングステンは電子、航空宇宙、AI、半導体などの先端産業で重要性が高まっており、フッ化物、ビスマス、銅などの関連製品も展開する。
 2026年第2四半期の売上高は8兆1,380億ドンと前年同期の5倍超となり、1~6月の売上高は前年同期比270%増の11兆1,310億ドン、利益は2兆2,020億ドンと通期計画の約88%に達した。第2四半期の鉱石処理量は70万8,000トンで前年同期比29%増、前四半期比62%増、精製品生産量も前年同期比91%増となった。生産・加工効率の改善に加え、タングステン価格の上昇も業績拡大に寄与し、APT(パラタングステン酸アンモニウム、タングステン価格の代表的指標)の第2四半期平均価格は3,245ドル/mtuとなった。
 今後は精製設備の稼働率を高めるとともに、第三者からのタングステン精鉱調達を拡大する。GB Innovationとの戦略提携を通じ、2027年までにタングステン酸化物の生産能力を年間8,000トンへ引き上げる計画である。また、Nui PhaoおよびNui Chiem地域で資源量の拡大を進めるほか、スクラップからタングステンを回収・再利用して二次原料を確保するなど、原料確保から深加工、高付加価値製品までを一体化した材料サプライチェーンの構築を進めるとしている。

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