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ベトナム経済ニュース:2026年4月前半

ベトナム農業環境省が第1四半期の農林水産物輸出額を発表(4月1日)

 ベトナム農業環境省は、2026年第1四半期の農林水産物輸出額が約166.9億ドルに達したと発表した。
 同期間の農林水産業は、畜産、水産、輸出を中心に堅調な成長を維持し、業界全体の貿易総額は286億ドル、貿易黒字は47.8億ドルと前年同期比12%増となった。特に輸出面では、水産品が26.2億ドルで13.3%増、畜産品が約1.98億ドルで54.3%増と高い伸びを示したほか、農産品も89.3億ドルで4.1%増加した。
 一方、コメ生産には一部課題も残った。作付面積は約292万haと前年同期比1.3%減、収穫面積は52.94万ha、収量は約364万トンでいずれも減少した。低効率な水田を果樹など高付加価値用途へ転換したことで、作付面積や収穫量は前年同期比で減少したものの、単収は小幅改善した。果樹分野では、ドリアン、ドラゴンフルーツ、マンゴーなどが増産となり、ジャックフルーツ、バナナ、ザボンなども好調に推移した。
 畜産では、豚の飼養頭数が2.9%増、豚肉生産は約144万トンで4.9%増となった。家禽も頭数が3.3%増、食肉生産は66.08万トンで5.8%増と安定成長を維持した。アフリカ豚熱(ASF)などの疾病は概ね管理されているが、小規模農家を中心に散発的な発生が続いている。水産業では、高度養殖技術の導入を背景に生産量が拡大し、特にエビ養殖が好調であった。林業では植林面積が増加した一方、市場環境の影響で林産品輸出は減少した。
 ベトナム農業は現在、コメ依存から果樹・養殖中心へと事業構造を転換し、高付加価値化と効率化を推進している。今後は疾病管理、品質向上、市場開拓に加え、科学技術やデジタル化の導入を強化する方針であるとしている。

De HeusとHung Nhonが持続可能な農業バリューチェーン戦略を発表(4月2日)

 De Heus(オランダ系飼料大手)とHung Nhon(ベトナム農業グループ)は、持続可能な農業バリューチェーンの構築を通じて市場安定化を推進する方針を示したと発表した。
 両者の連携モデルは、Bel Ga(種鶏)、De Heus(飼料)、Hung Nhon(農場・設備ソリューション)、DHN(先端畜産)、Visakan(動物用医薬品)、Green Chicken(食鳥処理・加工)を結ぶ「農場から食卓まで」の循環型バリューチェーンである。さらに、Big Dutchman(ドイツの畜産設備企業)、Olmix(フランスの飼料添加物企業)、Orvia(フランスの家禽関連企業)、Den Ouden GrowSolutions(オランダの有機資源活用企業)などの海外企業とも連携している。
 同連携体は総額1兆8,300億ドンの長期投資方針を確認した。投資は先進畜産インフラ、加工工場、疾病管理、原料供給地開発に重点配分される。重点案件として、2027年稼働予定のタイニン省の食鳥処理・加工工場が挙げられている。
 また、チェーンの持続性を支える重要な要素として、獣医・バイオセーフティ分野の役割が強調された。Visakan(Hung Nhon傘下の動物用医薬品企業)は、2024年5月にインドネシア向けに動物用医薬品を初輸出しており、ハラル市場への対応実績も持つ。残留抗生物質の低減を重視した次世代製品開発を進めており、国際市場への対応力を高めている。
 各企業は製品供給に加え、農家に対する技術支援や循環型・グリーン生産方式の導入支援も進めている。これにより、コスト削減、生産性向上、国際基準適合を同時に実現し、農家の再生産意欲と市場安定化を支えることを目指している。

NAPASが中国向けQR決済連携を拡大(4月3日)

 NAPAS(ベトナムの国家決済インフラ運営会社)は、Ant International(中国系国際決済事業者)およびVietcombank(ベトナムの大手商業銀行)と連携し、ベトナム・中国間のQR決済サービス拡大を発表した。
 今回の取り組みにより、中国人旅行者は電子決済サービスAlipay(中国の大手モバイル決済サービス)を利用して、ベトナム国内のVIETQRGlobal対応加盟店でQRコード決済が可能となる。対象は小売店、飲食店、ホテル、観光施設などNAPAS加盟ネットワーク上の決済拠点である。
 決済は、NAPASとAnt Internationalの接続基盤、さらにVietcombankの清算インフラを通じて処理され、人民元とベトナムドンの両通貨で直接決済できる仕組みとなる。これにより、中国人旅行者は自国と同様の利便性の高いキャッシュレス決済体験を利用でき、ベトナム企業にとっても国際観光客への対応力向上や消費機会拡大につながる。
 NAPASは、安全性、高性能、拡張性を備えたクロスボーダー決済基盤の整備を進めており、今回のAnt Internationalとの協業を、ベトナムの小売決済インフラが中国の大規模決済エコシステムと直接接続する重要な一歩と位置付けている。
 今後は、中国渡航時のベトナム利用者向け決済機能も整備する方針であり、ベトナム国内の銀行アプリを通じて中国側のAlipay QRコードを読み取って支払える双方向サービスの実現を目指すとしている。

ベトナム統計局が2026年第1四半期GDP成長率7.83%を発表(4月4日)

 ベトナム統計局は、2026年第1四半期の国内総生産(GDP)が前年同期比7.83%増となったと発表した。
 経済全体では、工業・建設業およびサービス業が成長を牽引し、農林水産業も安定した拡大を維持した。成長率への寄与率は、農林水産業が5.60%、工業・建設業が44.08%、サービス業が50.32%を占め、サービス業が最大の成長ドライバーとなった。
 農林水産業では、永年作物の生産が堅調に推移したほか、養豚の回復や科学技術導入による養殖水産の増産が成長を支えた。内訳では、農業が3.36%増、林業が3.22%増、水産業が4.51%増となり、特に水産分野の伸びが目立った。
 工業・建設業では、工業生産の拡大に加え、公共投資の執行加速を背景に建設活動も改善した。工業全体の付加価値は9.01%増となり、なかでも加工・製造業は9.73%増と高成長を維持し、ベトナム経済成長の主力となった。さらに、電力生産・供給は6.54%増、水供給・廃棄物処理は8.58%増、鉱業は5.42%増、建設業は8.36%増と幅広い分野で拡大が続いた。
 サービス業では、旧正月需要と訪越外国人観光客の増加が商業・サービス分野を押し上げた。小売・卸売は9.62%増、運輸・倉庫は8.95%増、金融・銀行・保険は7.70%増、情報通信は7.65%増、宿泊・飲食は7.49%増となり、内需と観光需要の回復が鮮明となった。
 なお、2026年第1四半期の産業構成比は、農林水産業が10.89%、工業・建設業が37.15%、サービス業が43.45%、製品税控除後補助金が8.51%である。

KIM LONG MOTORがタイで初の正規販売代理店契約を締結(4月4日)

 KIM LONG MOTOR(ベトナムの商用車メーカー)は、KIJSETTHI Mobility(タイの輸送・モビリティ企業)とタイ市場におけるバス製品の販売契約を締結したと発表した。
 契約により、KIJSETTHI MobilityはタイにおけるKIM LONG MOTORブランドの正規販売代理店となり、販売網およびアフターサービス体制を構築する。取扱製品には、内燃機関バスと電動バスの両方が含まれる。
 今回の提携は、KIM LONG MOTORにとって東南アジア初の販売代理店設立であり、国際市場拡大に向けた重要な一歩と位置付けられる。タイ市場で30年以上の輸送事業経験を持つKIJSETTHI Mobilityは、現地顧客への浸透を支える主要パートナーとなる見通しである。
 製品はすべてフエ省のKIM LONG MOTOR自動車工業団地で生産されており、デジタル化と自動化を基盤とする一貫生産体制を採用している。同社は車体部品、シャシー、エンジン、電池システムなど主要構成要素の内製化を進めており、バスの現地化率は80%を超える。これにより、ATIGA(ASEAN物品貿易協定)に基づく原産地規則を満たし、ASEAN域内での関税優遇(Form D)が適用される。
 この関税優遇により、タイを含むASEAN市場における価格競争力と事業採算性の向上が期待される。さらに、同社はEURO 5排出基準対応の内燃機関車両と新エネルギー車の両面で製品展開を進め、タイの公共交通近代化やグリーン輸送への移行方針にも対応する。
 KIM LONG MOTORとKIJSETTHI Mobilityは今後、現地の運行条件に適した車両仕様の最適化、アフターサービス体制の標準化、運行・整備人材向け技術研修の実施を進めることとしている。

PV GASが大規模LNG供給契約を締結し電力向け供給基盤を拡充(4月4日)

 PV GAS(ベトナム国営石油・エネルギーグループPetrovietnam傘下のガス事業会社)は、EVN(ベトナム電力公社)およびPV Power(Petrovietnam傘下の発電会社)と、大規模LNG供給に関する重要契約を締結したと発表した。
 今回の締結は、輸入から再ガス化、供給までを含む国家規模のLNG供給体制の構築に向けた具体的な前進であり、PV GASがその中核を担う。
 契約内容は主に2件である。1つは、PV GASとEVNによる、Vung Ang LNG基地からQuang Trach II・III火力発電所向けに再ガス化LNGを供給する枠組み合意であり、供給開始は2029年4月30日を予定している。もう1つは、PV GASとPV Powerによる、Nhon Trach 3・4発電所向け再ガス化LNG売買契約の付属合意である。これにより、ベトナム国内の大型LNG火力発電向け燃料供給体制が本格化する。
 中部地域では、Vung Angを中核とした北中部LNG基地プロジェクトを推進している。第1期の処理能力は年間100万~300万トン、総投資額は約26兆7,000億ドンで、2029~2030年の運転開始を見込む。同基地はQuang Trach II・III、Vung Ang IIIなどの発電所および周辺工業需要家への供給拠点となる計画である。
 また東南部では、ベトナム初のLNG火力発電コンプレックスであるNhơn Trạch 3・4向けに、PV GASがPV Powerと25年契約の長期LNG供給契約を締結しており、安定した燃料供給体制を確保している。
 EVNは、LNGが国内ガス減少と電力需要増加に対応する重要燃料と位置づけており、再生可能エネルギー導入拡大を支える柔軟な電源として期待している。Petrovietnamも、再ガス化LNGを2050年ネットゼロ目標および電力開発計画VIIIの実現を支える重要な柱と位置付けている。

VPBankがOKXとデジタル資産分野で戦略提携を締結(4月14日)

 VPBank(ベトナムの民間商業銀行)は、OKX(暗号資産取引プラットフォーム運営企業)とデジタル資産およびブロックチェーン分野で戦略的協力覚書を締結したと発表した。
 今回の提携は、ベトナム国内金融機関によるデジタル資産分野への本格参入の一環であり、政府が進める暗号資産市場の法制度整備方針とも連動する動きとして注目される。
 提携内容として、OKXはVPBankに対し、戦略立案、運営ノウハウの共有、技術ソリューションの提供、流動性接続などを支援する。これらは、VPBankエコシステムに属するCAEX(デジタル資産取引基盤運営会社)のデジタル資産取引プラットフォーム構築に活用される予定である。さらに、OKX Ventures(OKXの投資部門)は4月中にCAEXへ出資し、同社がベトナムの暗号資産市場の試行プログラムへ参加するために必要な最低資本金1兆ドンの確保を支援する。
 また、両社はブロックチェーン技術の金融・銀行業務への応用拡大も視野に入れており、システムセキュリティの強化、取引処理速度の向上、運営の透明性向上などに取り組む方針である。今回の協力は、VPBankが持つ国内市場での知見と金融エコシステム、OKXの国際的な技術力と運営経験を組み合わせるモデルと位置付けられる。
 CAEXはその第一歩として、標準化された運営管理、リスク統制、法令順守、投資家保護を重視した基盤として整備される予定である。長期的には、単なる暗号資産取引基盤の構築にとどまらず、国内外投資家向けの新たな投資環境形成や、ベトナムのデジタル資産市場をグローバルなエコシステムへ接続する足掛かりとなることを目指すとしている。

VinachemがKayanとアパタイト供給・市場開拓で戦略提携を締結(4月15日)

 Vinachem(ベトナムの国営化学大手)は、Kayan for International Trade(エジプトのアパタイト鉱石採掘・輸出企業)と戦略的協力覚書を締結したと発表した。
 同覚書は、アパタイト鉱石の安定供給と、化学品・肥料製品の市場開拓に関する長期協力の枠組みを定めるものであり、世界的な原料市場の不安定化に対応するVinachemの調達・海外展開戦略の一環と位置付けられる。
 Kayanは、エジプト国内で約40%のシェアを持つアパタイト鉱石の主要企業であり、競争力のある価格と物流優位性を活かして、Vinachemのベトナム国内肥料工場向けに原料を供給する。品質、価格、納期、決済条件などの詳細は、今後締結される個別商業契約で具体化される予定であり、Vinachemはベトナム国内の商社を通じて輸入を行う方針である。
 また、両社の協力は原料供給にとどまらない。Vinachemの主力製品である洗剤、タイヤ、複合肥料、電池、蓄電池などの化学・工業・消費財分野についても市場開拓を共同で進める。Kayanは、エジプトおよび周辺国におけるVinachem製品の販売代理店機能、または流通チャネル開拓支援を担い、中東・北アフリカ市場への進出加速を後押しする役割を果たす。
さらに、両社は高位代表で構成される共同運営委員会(JCSC)を設置し、進捗管理、課題対応、具体的協力案件の承認を行う体制を整備する。両社は、資源、生産能力、流通網それぞれの強みを活かし、持続可能な戦略的パートナーシップ構築を目指すとしている。

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