経済ニュース
経済ニュース

ベトナム経済ニュース:2026年5月前半

ベトナム民間航空局が2026年初頭の航空輸送成長を発表(5月1日)

 ベトナム民間航空局は、2026年1~4月の航空旅客数が前年同期比約18%増加したと発表した。
 同期間の空港利用旅客数は4,600万人超で、このうち国際線旅客は1,900万人、国内線旅客は2,700万人超となった。国際線は22%超、国内線は15%の増加である。
貨物取扱量も61.6万トンに達し、前年同期比17%増となった。ベトナム航空各社による旅客輸送は約2,100万人で12%増、貨物輸送量は15.5万トン超で3%超の増加となった。
 安全面では、航空機および運航分野において、事故、重大インシデント、高リスク安全事象は発生していない。一方、空港管理分野では安全上の事象が確認され、航空管制分野ではダナン国際空港周辺でUAV(無人航空機)による運航影響が発生した。
 ベトナム民間航空局は、ダナン国際空港やカットビ国際空港でのUAVによる安全リスクについて関係機関と協議し、空港周辺でのUAV/UAS(無人航空機システム)に関する情報受領・処理手順の整備を進めている。
 また、ACV(ベトナム空港総公社)は、レーザーや飛行物体による民間航空への影響を抑制するため、安全空域管理の強化を指示した。各空港は、情報処理手順の徹底に加え、地方自治体と連携して監視・啓発活動を強化することとしている。

PetrovietnamがE10バイオガソリンの供給網構築を推進(5月1日)

 Petrovietnam(ベトナム国営エネルギーグループ)は、E10バイオガソリン(エタノール10%混合ガソリン)の生産・混合・流通に向けた供給網構築を前倒しで進めていると発表した。
 同社は2025年初めから、BSR(Petrovietnam傘下の製油会社)とPVOIL(Petrovietnam傘下の石油販売会社)に対し、バイオ燃料供給体制の整備加速を要請しており、両社は原料調達、貯蔵、混合、流通に必要なインフラの整備を進めるとともに、BSR-BF(中部バイオ燃料工場)の再稼働を推進してきた。
 PVOILは2025年8月からハノイやハイフォンでE10の販売を試験的に開始し、その後、全国に展開を拡大した。2026年5月1日からは、全国約1,000カ所のガソリンスタンドで同時運用できる体制を整えている。混合設備についても北部・中部・南部の3地域でほぼ整備が完了しており、2026年末までに年間約400万m³の処理能力に達する見込みである。
 一方、BSR-BFは2026年1月20日に正式に稼働し、2週間後には初回のエタノール製品を生産した。2026年3月時点では約60%の稼働率で安定運転を実現しており、4月中旬以降は100%稼働を目指している。
 BSR-BFがフル稼働すれば、1日あたり約330m³のE10の供給は可能となり、バイオ燃料利用拡大や石油製品供給の安定化を通じて国家エネルギー安全保障に貢献するとしている。

ベトナム統計局が2026年1~4月のベトナム経済の回復基調を発表(5月3日)

 ベトナム統計局は、2026年1~4月のベトナム経済が引き続き改善基調にあると発表した。
 4月の鉱工業生産指数(IIP)は前月比3.0%増、前年同月比9.9%増となり、1~4月累計でも前年同期比9.2%増加した。特に加工・製造業は9.9%増となり、全体の伸びに7.8ポイント寄与した。電力生産・供給は7.5%増、水供給・廃棄物処理は7.4%増、鉱業は4.0%増となった。
 地域別では、全国34地方すべてでIIPが上昇し、ニンビン省やフート省、ハティン省、ゲアン省、バクニン省などでは加工・製造業や電力生産の拡大が成長を牽引した。一方、ランソン省やラオカイ省、クアンガイ省、トゥエンクアン省などでは、鉱業や電力関連産業の伸び悩みが影響し、増加率は比較的低水準にとどまった。
 主要工業製品では、二輪車、自動車、鉄鋼、加工水産物、ビールなどの生産が引き続き拡大し、国内外需要の回復が示された。また、工業部門の労働者数は前月比1.1%増、前年同期比3.6%増となった。
 企業動向では、1~4月の新規設立企業数が7万7,800社、登録資本金が約785兆4,000億ドンとなり、前年同期比で企業数は50.7%増、資本金は60.1%増と大きく伸びた。また、事業再開企業を含めると11万9,400社超となり、前年同期比32.8%増と企業活動の回復が進んでいる。

VASEPとベトナム青果協会が水産・青果輸出の拡大見通しを発表(5月5日)

 VASEP(ベトナム水産物輸出加工協会)とベトナム青果協会は、2026年の水産物・青果物輸出額が前年より合計約20億ドル増加する可能性があるとの見通しを発表した。
 VASEPによると、2026年1~4月の水産物輸出は約40億ドルに達し、前年同期比で14%以上増加した。現在の成長ペースが維持されれば、通年の水産物輸出額は2025年の113億ドルから約10億ドル上積みされる可能性がある。
 市場別では、中国・香港向け輸出が4カ月で10億ドル超となり大きく伸びた一方、米国向けは通商政策や補助金、労働問題、貿易救済措置を巡る調査の影響で約6%減少した。
 米国や欧州では、水産物輸入に関する規制の更新が続いており、特に欧州ではトレーサビリティや環境保護、社会的責任への要求が強化されているほか、IUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)対策に関する「イエローカード」も輸出企業への負担となっている。
 一方、ベトナム青果協会によると、2026年1~4月の青果輸出額は26億ドル超となり、前年同期比で約22%増加した。特にドリアンは需要拡大と新市場開拓を背景に約170%増加したが、輸出の約80%を生鮮品が占め、加工産業の発展は限定的である。
 両団体は、今後の成長維持には、生産・加工・販売チェーンの整備や原料産地との連携強化、品種改良や深加工分野での科学技術導入による高付加価値化が重要であるとしている。

ベトナムの胡椒輸出が世界首位を維持(5月5日)

 VPSA(ベトナム胡椒・香辛料協会)は、2025年のベトナムの胡椒(コショウ)輸出額が過去最高となる約16.6億ドルに達し、世界最大の胡椒供給国としての地位を維持したと発表した。
 2025年の輸出量は24万7,482トンと前年比1.2%減となった一方、世界価格の高止まりや平均輸出価格の上昇を背景に、輸出額は26%増加した。世界市場におけるベトナム産胡椒の供給シェアは36.3%に達し、インドの15.8%、ブラジルの15.1%を大きく上回った。インド、インドネシア、スリランカなどで天候不順や病害による生産減少が続く中、ベトナムは世界供給を支える中核的役割を果たしている。
 市場別では米国が最大の輸入先で、2026年1~2月の米国によるベトナム産胡椒の輸入量は19.1%増、輸入額は21.2%増となり、ベトナム産胡椒のシェアは80.74%まで上昇した。UAE、中国、ドイツなどの従来市場に加え、カナダ向けも2026年第1四半期に数量ベースで292.5%増となるなど、市場多角化が進んでいる。
 また、黒胡椒の輸出も好調で、2026年第1四半期の輸出量は4万3,800トン、輸出額は2億8,870万ドルとなり、前年同期比で数量42.2%増、金額38.8%増であった。輸出価格は1トン当たり7,443ドル前後で推移し、国内主要産地の価格も1kg当たり13万8,000~14万2,000ドンの高水準を維持している。世界の黒胡椒市場も2020年の39億ドルから2028年には約60億ドルに拡大すると見込まれており、ベトナムにおいても精油、化粧品、食品、医薬品向けなど高付加価値加工分野での成長余地がある。
 ベトナム胡椒産業は今後、「量」から「質」への転換を進め、国家、農家、研究機関、企業、協同組合による「5者連携」を軸に、再生型農業や低炭素生産、サプライチェーン管理の強化を図るとしている。

Vinamilkの第1四半期売上が国内外の好調な成長により24.6%増収(5月5日)

 Vinamilk(ベトナム最大手乳業会社)は、2026年第1四半期の連結売上高が前年同期比24.6%増の1兆6,149億ドンとなったと発表した。
 国内売上高は1兆2,080億ドンで前年同期比20.4%増となり、2025年第1四半期から進めてきた流通システムの再構築の進展やブランド再定義、新商品展開が寄与した。主要販売チャネルはいずれも2桁成長を記録し、同社は新ブランドイメージに基づく800店舗のリニューアルを完了、2026年中に全国1,000店舗体制を目指している。
 海外売上高は4,069億ドンで前年同期比39.1%増となり、中東地域での安定成長に加え、カンボジア・プノンペンでの旗艦店開設など海外展開も進めた。
 サプライチェーン面では、代替輸送ルートの確保などにより安定供給体制を維持し、国際パートナーとの長期関係強化を図った。商品面では、100%フレッシュミルクの品質改善を背景に液体ミルクが回復基調となり、Green Farmや植物性ミルクなどの新商品も2桁成長を記録した。
 今後は、高たんぱく・低糖商品の展開を強化し、2024~2025年に投入・改良した商品の育成を進めるとしている。

Phuc SinhがDFCD・SNVとの持続可能な農産物サプライチェーン構築プロジェクトを完了(5月9日)

 Phuc Sinh(ベトナムの農産物輸出大手)は、DFCD(オランダ気候開発基金)およびSNV(オランダ開発機構)と連携した持続可能な開発プロジェクトを完了したと発表した。
 同プロジェクトでは、ダクラク省、ダクノン省、ソンラ省などの主要原料地域において、6,300戸超の農家が持続可能なコーヒー生産プログラムに参加し、1万3,000人超の農家が栽培・管理に関する研修を受けた。対象となる原料地域は8,000ha超に及び、土壌改善、資源利用の最適化、気候変動への適応力向上に貢献している。また、参加原料地域はすべてRainforest Alliance(持続可能な農業認証)を取得し、トレーサビリティシステムに統合された。Phuc Sinhは独自のデジタル管理基盤を構築し、農園から輸出までロット単位で追跡できる体制を整備した。これは、EUDR(EU森林破壊防止規則)などの国際規制への対応にもつながる。
 同プロジェクトは、環境対応や規制順守に加え、事業面でも具体的な成果をもたらした。透明性の高い管理体制、リスク管理、標準化された運営プロセスにより、国際パートナーからの信頼向上や、持続可能性を重視する投資家・資金へのアクセス拡大が期待される。社会面では、参加農家の所得が通常の栽培モデルと比べて平均36%増加した。長期的な研修と伴走支援を通じ、農家の生産能力や管理能力も向上した。
 Phuc Sinhは、持続可能な開発を単なる商業基準への対応ではなく、長期的な価値を生み出す農業を築くための取り組みと位置付けている。農家が知識、データ、公平な市場機会にアクセスできれば、ベトナムのコーヒー産業は大量供給型から、価値と信頼を創出する産業へ転換できるとしている。今後、同社は中部高原地域で気候適応型コーヒー栽培モデルを拡大し、技術・デジタル化への投資を強化する方針である。農家との連携をさらに深め、ベトナムコーヒーを品質、透明性、持続可能性を備えた農産品として再定義することを目指す。

AIGがビンロン省でココナッツ加工新工場を着工(5月12日)

 AIG(ベトナムの食品原料メーカー)は、ビンロン省で総投資額約6,300億ドンとなるココナッツ加工工場「A Chau II(ACP2)」を着工したと発表した。
 同プロジェクトは、既存のA Chau I工場に続く投資であり、ベトナムのココナッツ産業における深加工や高付加価値化、輸出市場拡大を後押しする取り組みとして位置づけられる。ACP2では、ビンロン省のココナッツ原料産地としての強みを活用し、近代的な加工技術と国際基準を組み合わせた持続可能なココナッツ・バリューチェーン構築を目指す。
 同工場には、Tetra Pak製(スウェーデンの食品加工・包装設備大手)のUHT(超高温殺菌)ラインを導入し、年産4万8,000トンの能力を持つほか、冷凍ココナッツミルクラインは年1万6,000トン、乾燥ココナッツ果肉ライン2本は合計で年2,400トンの生産能力を備える。
 設備は欧州から輸入され、国際市場の厳格な品質基準に対応する。新工場は約6万㎡の敷地で建設が進められ、2027年第1四半期の稼働開始を予定している。完成後は、雇用創出、農家所得向上、地域農業経済の持続的発展にも貢献する見通しである。
 ビンロン省は現在、全国の50%にあたる約12万2,000haのココナッツ栽培面積を有しており、同省にはココナッツ加工・輸出関連企業が183社以上所在している。2025年の同省からの輸出額36億ドルのうち、約6億ドルをココナッツ関連が占めた。今後は、2030年までにココナッツ栽培面積を約13万2,000haへ拡大し、加工ココナッツ製品の輸出額10億ドルを目指している。その一方で、原料不足や生産連携の不十分さ、保存・加工技術の制約が課題となっており、ビンロン省は企業に対し、農家、協同組合、地域加工業者との連携強化、安定した原料産地の形成、技術革新、深加工の拡大を期待している。今回の投資は、ベトナムのココナッツ産業を原料輸出型から高付加価値加工型へ転換する動きとして期待されている。

FPTが三菱自動車と車載ソフトウェア・AI分野で協力を拡大(5月14日)

 FPT(ベトナムIT大手)は、三菱自動車とデジタル技術および車載ソフトウェア分野での協力に関する覚書を締結したと発表した。
 今回の提携は、ITサービス、ソフトウェア開発、AI関連技術など複数分野での協力を具体化するための基盤となるもので、FPTのAI・デジタル技術と、三菱自動車の自動車開発・生産ノウハウを組み合わせ、次世代車両開発の加速を目指す。
 両社は将来的な合弁会社設立の可能性についても検討・評価を進めている。FPTは、日本がAI、量子コンピューティング、再生医療、海洋ロボットなどの先端技術を軸に発展を進める中、日本企業の変革支援を長期的に担う姿勢を示し、今回の協力をAIとデータを活用した自動車産業革新の重要な一歩と位置づけた。
 FPTは日本国内に18拠点・研究センターと5,000人の人材を有し、車載分野では20年以上の実績を持つ。現在は世界で5,000人超の車載ソフトウェア技術者を抱え、OEM、Tier1サプライヤー、半導体メーカーと提携している。
 同社はISO 26262(車載機能安全規格)、ISO/SAE 21434(車載サイバーセキュリティ規格)、A-SPICE Level 3(車載ソフトウェア開発プロセス評価)、TISAX(自動車業界向け情報セキュリティ評価)などの各種国際規格にも対応することで、自動車産業のデジタル変革パートナーとしての信頼性向上を図るとしている。

ベトナム農業環境省がブンタン・ライムの中国向け正規輸出拡大を発表(5月14日)

 ベトナム農業環境省は、ベトナム産ブンタンおよびライムの中国向け輸出に関する植物検疫議定書を公表した。
 議定書によると、中国向けにブンタン・ライムを輸出するすべての栽培地域と包装施設は、ベトナム農業環境省傘下の栽培・植物保護局を通じた登録と、GACC(中国海関総署、中国の輸入検疫・通関当局)の承認を受ける必要がある。また、栽培地域にはGAP(適正農業規範)または同等基準の適用に加え、IPM(総合的病害虫管理)の実施や、中国側が重視する有害生物の監視が求められる。
 栽培・植物保護局によると、ブンタンの栽培面積は約10万6,000ha、生産量は年間100万トン超で、ダザイン種やナムロイ種などの特産品種が国際市場で知られている。一方、ライムは約4万4,000haで栽培され、年間生産量は約70万トンに達する。
 Huy Long An(ベトナムの果実輸出企業)は、中国がライムとブンタンに市場を開放したことについて、特に新たな販路を必要とするライム産業にとって好機になると評価し、加工原料としての活用による付加価値向上にも期待を示した。Chanh Thu(ベトナムの大手果実輸出企業)も、中国のスーパーマーケット各社がベトナム産ブンタンに関心を示していると指摘しており、市場の反応は良好である。
 農業環境省は、持続的な市場維持には病害虫管理やトレーサビリティ徹底が不可欠であり、今回の議定書が正規輸出拡大と高付加価値化の基盤になるとしている。

関連記事
FPTが欧州・日本で大型AI契約を締結しグローバル展開を加速(4月16日)  FPT(ベトナムIT大手)は、世界有数の素材メーカーと数千万米ドル規模のAI契約を...
ベトナム農業環境省が第1四半期の農林水産物輸出額を発表(4月1日)  ベトナム農業環境省は、2026年第1四半期の農林水産物輸出額が約166.9億ドルに達したと...
NovalandがLPBankと包括提携を締結(3月16日)  Novaland(ベトナムの不動産開発大手)は、LPBank(ベトナムの商業銀行)と包括的な戦略...