インドネシア経済ニュース:2026年6月前半

ABBインドネシアがPLN規格に適合した配電盤「UniSec SPLN」を発売(6月3日)
スイス・スウェーデンの多国籍テクノロジー企業であるABBのインドネシア法人ABBインドネシアは、国営電力企業PLNの配電網におけるSPLN規格(PLNの技術規格)を満たした中圧配電盤「UniSec SPLN」を発売したと発表した。
この製品は、PLNの技術規格に合わせて特別にカスタマイズされた世界初のグローバル・スイッチギア(開閉装置)となっている。同社によると、2025年に承認を取得するまで、一連の試験と改良が行われ、今年インドネシア市場に導入された。同製品は25%以上の国内部品構成比(TKDN)を達成している。
なお、この技術への理解と活用を広げるため、同社はジャワ、バリ、ヌサ・トゥンガラ地域の8都市で開催される「ABB Medium Voltage Experience Roadshow」プログラムを通じて、PLNの各部門を対象とした技術トレーニングも実施する予定である。同プログラムは、中圧配電技術の紹介と、ユーザーの技術的な能力向上に焦点を当てている。
セラミック業界が2029年までに25兆ルピアの投資を計画(6月4日)
インドネシア・セラミック工業会(ASAKI)は、生産能力の増強に向けて、セラミックセクターへの投資額が2029年までに25兆ルピアを突破する見通しであることを発表した。
同協会によると、政府が2020年に特定の産業向けに「特定天然ガス価格(HGBT)政策」を導入して以来、国内のセラミック産業の設備容量(生産能力)は向上し続けている。2021年の設備容量は年間5億3,800万平方メートルであったが、これが2026年には6億7,200万平方メートルへと増加し、さらに拡大を続け、2029年には7億2,800万平方メートルに達する見込みである。
これにより、2020年から2029年の期間にかけて、国内のセラミック産業は約1億9,000万平方メートルの生産能力を追加することになり、初期容量から35%増加することになる。
世界市場が供給過剰や地政学的リスクによる不確実性に直面している中、今回の生産能力の拡張は、国内のセラミック産業が依然として強い成長見通しを持っていることの証明であるとしている。
同協会の記録によると、世界のセラミック生産能力は、2021年に159億平方メートルでピークに達して以降、減少傾向にある。2024年には世界容量が113億平方メートルに減少し、2025年には110億平方メートルを割り込むと予測されているが、インドネシアのセラミック産業の容量は成長を続けている。
この投資の成長は、インドネシア国家規格(SNI)の適用、反ダンピング関税、セーフガード、そして産業の競争力を高めることができると評価されたHGBT(天然ガス価格)政策にいたるまで、さまざまな政策を通じた政府の支援によるものである。また、生産能力の拡大だけでなく、セラミック産業の拡張は輸入代替を強化することも可能にすると評価されている。
ASAKIの記録によると、2029年までに実現される1億9,000万平方メートルの容量追加は、2024年に記録した過去最高のセラミック輸入量(7,800万平方メートル)の約2.5倍に相当する。
現在、インドネシアのセラミック産業は、設備容量が年間6億5,000万平方メートルに達し、世界のセラミック生産国トップ5の仲間入りを果たしている。
海事水産省が塩の自給自足達成に向け国家塩産業中心地域の建設を加速(6月7日)
海洋水産省(KKP)は、2027年までに国家的な塩の自給自足を達成するための一環として、東ヌサ・トゥンガラ州ロテ・ンダオ県における国家塩産業中心地域(K-SIGN)の建設を加速させることを発表した。
政府は、このプロジェクトにより、これまで国内需要の大半を占めていた工業用塩を中心に、インドネシアの輸入塩への依存度が下がることを期待している。
同省によると、国内の塩需要は年々増加している。2024年の国内塩需要は480万トンに達したが、その約55%は依然として輸入に頼っており、特に高い品質基準が求められる工業用塩の分野で顕著である。また、過去5年間で、インドネシアは毎年平均260万トン以上の塩を輸入していると記録されている。
なお、生産能力の向上に加え、同省は塩産業地域の建設において環境の持続可能性にも配慮していることを強調した。建設のすべての段階は、技術的調査、環境要件の充足、許認可プロセスにいたるまで、適用される規定に従って進められているという。
Grab Indonesiaが事業における電動化を加速(6月8日)
配車アプリGrab Indonesiaは、事業における電気自動車(EV)の利用が拡大していることを発表した。2025年にインドネシア各地で運行されているGrab Electricの電気自動車および電動バイクの総数は約1万4,000台に達した。
この取り組みは、国家的なEVエコシステム開発に関する政府の政策に沿ったものであり、低排出ガス輸送への移行を加速させるという同社の取り組みの一環である。
なお、1万4,000台のうち、約1万1,000台から1万2,000台が二輪車(電動バイク)であり、約3,000台が四輪車(電気自動車)である。二輪車の分野において、同社はSwap、Alva、Electrum、Kymco、Viar、Kilatsなど、複数のEVメーカーやサプライヤーと提携している。一方、四輪車セグメント(特にGrabCarサービス)では、BYD Atto 1、BYD M6、Aion Y PlusなどのEVモデルを活用しているほか、プレミアムサービス向けにはMaxus MifaやDenza D9といったモデルも導入している。
これらのEV車両はジャカルタ首都圏、メダン、パレンバン、バンドン、ジョグジャカルタ、マナド、バリなど、12の都市で運行されている。なかでもEV車両の約80%から90%は、ジャカルタ首都圏とバリの2つの主要地域に集中している。
車両の充電インフラを確保するために、同社はインドネシア最大の公共充電スタンド(SPKLU)ネットワークを提供する国営電力会社PLNを含む、様々な充電スタンド事業者との提携を進めている。
インドネシアとフィリピンが3億5,000万ドル規模の交換(バーター)貿易に合意(6月9日)
商業省は、フィリピンと年間最大3億5,000万米ドル(約6兆2,900億ルピア)の3者間での交換(バーター)貿易スキームに関する協力計画を締結したと発表した。同計画は、二つのMoEの著名によって本格的に始動した。
同省によると、1つ目のMoUはフィリピン企業のAsian Pyrochem Technologies、Trade Barter Indonesia(TBI)、そしてインドネシア衣料・繊維協会(AGTI)の間で交わされた。この3者は、フィリピン産の未加工アバカ麻(マニラ麻)繊維と、インドネシア産の繊維既製品を年間5,000万米ドル規模で相互に交換(バーター)することに合意した。アバカ麻繊維は国内の繊維産業の原材料として輸入され、その後、AGTIの会員企業によって繊維製品へと加工され、再びフィリピンへ輸出される仕組みである。
2つ目のMoUは、Asian Pyrochem Technologies、TBI社、およびKrakatau Global Trading社の間で締結された。この協力関係には、フィリピン産の鉄鉱石とインドネシア産の鉄鋼製品の交換が含まれており、取引額は年間3億米ドルに達する。このスキームにおいて、インドネシアは鉄鋼産業の原材料として鉄鉱石を輸入し、Krakatau Steel社で加工された後、生産された鉄鋼製品がフィリピンへ輸出される。
セメン・インドネシアが東ジャワ州に輸出施設を開設(6月12日)
国営のセメント企業セメン・インドネシア社(SIG)は、新たな成長を促すための重要な戦略として、東ジャワ州トゥバンに輸出用の港湾および生産施設を開設したと発表した。
この輸出施設は、年間最大100万トンのセメント輸出能力を持ち、特に米国のSIGへの輸出を強化する拠点となる。同社の子会社であるソルシ・バグン・インドネシアと日本の太平洋セメントとの戦略的提携を通じて、同社は2026年中に45万トンの特殊タイプセメントを段階的に米国へ輸出することを目指している。
輸出目標を達成するため、同施設にはオペレーションの効率を高めるために設計された様々な最先端技術が導入されている。この輸出ターミナルは、最大50,000 DWT(載貨重量トン)の能力を持つ船舶に対応可能で、長さ4.1キロメートルのチューブコンベア、トリッパーコンベア、および1時間あたり1,000トンの能力を持つシップローダーを備えており、工場から港の船舶へとバラセメント(セメントバルク)を直接輸送することができる。
また、在庫(ストック)に関しては、同施設に8,000トン容量のブレンディングサイロ、15,000トン容量のクリンカーサイロ、そしてそれぞれ18,000トンの容量を持つ2基のセメントサイロが備えられている。このインフラは、製品の品質を保証すると同時に、輸出市場への大規模な出荷を支えるように設計されている。