タイ経済ニュース:2026年7月後半

スターバックス・タイランドがコーヒー以外の製品ラインナップを拡大(7月17日)
スターバックス・タイランドは、フルーツジュースをブレンドした飲料など、コーヒー以外の製品ラインナップを拡大し、2027年初頭までに600店舗の展開を目指していると発表した。
現在、バンコクのカフェ市場は飽和状態になりつつあるなか、国内外のコーヒーショップブランドが次々と新規店舗をオープンしており、同社でも年間約30店舗を新規オープンしている。同社は現時点で574店舗を運営しており、その約65%がバンコクにある。同社は、目標を達成するために、主要都市、特に観光地や地方都市を含む地方地域に、さらに多くの店舗を開設する計画である。なお、コーヒー豆の価格は前年比で20~30%高の水準で変動しており、抹茶の価格は最大50%上昇している。
同社は、顧客のニーズはますます多様化しているとみており、より幅広い消費者のニーズに応えるため、コーヒー以外の製品ラインナップを拡大している。フルーツジュースをブレンドした飲料を導入し、タイ国内の豊富なフルーツ資源の活用にも努めているとしている。
LG社が下期もエアコン販売台数が増加すると予想(7月20日)
LGエレクトロニクス(タイランド)社は、下半期もエアコンの販売が引き続き増加すると予測している。
エアコンの販売は通常2月中旬から6月にかけてピークを迎えるが、今年は9月まで高温が続くと予想され、販売シーズンは拡大すると見込まれる。7月から9月にかけての全国平均気温は、平年より0.5~1℃高くなると予測されており、平均最高気温は32℃~34℃、平均最低気温は24℃~26℃となる見込みである。
2026年上半期の同社のエアコン販売台数は前年同期比10%増と予測し、下半期には15~20%増になるとの見通しを示した。同社は今年、エアコン販売台数を10%増加させることを目標としており、価格よりもサービスと製品の品質に戦略的に重点を置くとしている。
SCG Packaging社がベトナム・インドネシア需要拡大を背景に2026年売上高目標を維持(7月22日)
タイの素材最大手サイアム・セメント(SCG)傘下の包装材大手SCG Packaging社(SCGP)は、ベトナムとインドネシアにおける需要拡大を主な成長要因として、2026年の売上高目標を1,300億バーツに据え置くと発表した。
同社は2026年第2四半期に堅調な業績を達成し、売上高は前年同期比3%増の324億バーツ、純利益は128%増の23億バーツとなった。中東紛争に関連した混乱などにより原材料、エネルギー、輸送費の上昇に直面したものの、特にインドネシア事業では運営改善を進め、黒字転換を実現した。ベトナム事業についても、経済成長や堅調な国内消費を背景に成長を続けており、同社は今後の需要拡大に対応するため、段ボールコンテナの生産能力を年間26,800トン増強する計画である。Vina Kraft Paper社の工場内に設置され、投資額は7億4,800万バーツを見込む。
同社は2026年に向け、既に合併、提携、新規プロジェクトに23億8,000万バーツを投資しており、今後さらに100億バーツを投資へ充てる予定である。複数の中規模・大規模なM&Aや提携案件についても協議を進めており、急速な市場成長や輸出拠点としての重要性から、ベトナムを優先市場として位置付けている。また、インドネシアでは売上拡大に加え、AIや機械学習などの先進技術を活用した効率化、コスト管理、品質管理の強化を進め、競争力向上を図るとしている。
Siam CementがPTT Global Chemicalとのオレフィン・ポリオレフィン分野での合弁可能性調査を推進(7月24日)
タイ最大の産業コングロマリットで、セメント・石油化学製品メーカーであるSiam Cement社は、オレフィンおよびポリオレフィン分野におけるPTT Global Chemical社との合弁事業について、実現可能性調査を推進していると発表した。
同調査は、石油化学サプライチェーンの強化と業界競争力の向上を目的としており、2026年9月までに完了する見込みである。Siam Cement社は、石油化学事業を取り巻く不確実性に対応するため、原料供給源の中東依存度低減に向けた多様化、コスト管理の強化、高付加価値製品の販売拡大に取り組んでいる。同社は、これらの戦略を通じて、市場環境の変化への適応力を高め、持続的な成長につなげる方針である。
業績面では、2026年上半期に売上高2,600億バーツ、利益178億バーツを計上し、第2四半期単独では売上高1,360億バーツ、利益115億バーツを達成した。同社は2026年までに300億バーツの投資予算を設定しており、既に111億バーツを設備拡張やパートナーシップ構築に投じている。
今後は、オレフィン・ポリオレフィン分野での協業検討を含め、事業変革戦略を2027年まで加速させるとしている。
Phyathai Sriracha病院が東部特別開発地区(EEC)の外国人患者の増加により病床を拡張(7月30日)
東部特別開発地区(EEC)の病院では、工業地帯への投資拡大に伴い、外国人患者が増加している。
チャチューンサオ県、チョンブリー県、ラヨーン県にまたがるEECは、特に電気自動車や同サプライチェーン関連産業において海外直接投資の拠点として注目されており、中国企業の進出に伴って数千人規模の外国人労働者が流入しており、医療サービスへの需要が高まっている。こうした需要に対応するため、チョンブリー県シラチャー郡のPhyathai Sriracha病院は、東部地域での事業展開を拡大している。同病院の病床数は、Phyathai Sriracha1病院で257床、Phyathai Sriracha2病院で113床を有しており、さらにシラチャー郡ボーウィン地区で新施設を開設する計画を進め、Sriracha Bowin病院の段階的な拡張を進めている。
現在、同病院の患者に占める外国人患者の割合は5~6%であるが、2027年までに10%まで上昇すると見込んでおり、その大半を中国人患者が占めると予想している。外来部門では、タイ人患者と外国人患者を合わせて既に1日約6,000人を診察している。
同病院は今年、施設改修および維持管理のため1億バーツを投資するほか、今後はコスト削減やエネルギー安全保障の強化に向け、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーへの投資も進めるとしている。
Tata Steel(Thailand)社の2027会計年度第1四半期(2026年4~6月)の売上高が前年同期比0.73%減(7月31日)
インド最大の製造業者の子会社であるTata Steel(Thailand)社は、タイの鉄鋼業界が世界的な価格変動や中国からの輸出拡大による競争激化に引き続き直面していると発表した。
同社は、ホルムズ海峡や紅海を経由する航路の混乱に加え、米国の軍事行動などが、世界の鉄鋼価格を不安定化させる要因となっているとみている。また、不動産危機の長期化により中国国内の鉄鋼需要が低迷する中、中国メーカーが輸出を大幅に増加させ、特に東南アジア市場への供給を拡大していることから、タイの鉄鋼メーカーは価格競争や市場圧力にさらされている。中国の鉄鋼輸出量は2025年に過去最高となる1億1,900万トンに達し、2026年1~5月の輸出量も前年同期比で増加した。
一方、同社の2027会計年度第1四半期(2026年4~6月)の売上高は67億8,000万バーツとなり前年同期比0.73%減となり、販売量は1.18%減の33万4,000トンとなった。
タイでは特に線材製品を中心とした低価格鋼材の流入が拡大しており、2026年1~5月の鉄鋼輸入量のうち線材鋼が66%を占め、輸入量は63万6,000トンに達した。なお、タイ国内の鉄鋼総消費量は同期間で前年同期比1.6%増の764万トンとなり、建設需要や在庫補充を背景に長尺鋼材の需要が10.8%増加した。