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タイ経済ニュース:2026年9月前半

バンコク大量輸送公社(BMTA)が1,500台の電気バスを導入(9月1日)

 バンコク大量輸送公社(BMTA)は、従来型バスを置き換えるため、2027年5月までに3段階に分けて合計1,520台の電気バス(EV)を導入する計画を発表した。
 BMTAは、2027年3月末までに500台、4月末までに500台、5月末までに520台を受領する予定である。電気バス調達プロジェクトでは、Nakhonchai Air社から7年間バスをリースし、Nex Point社が車両の製造・組み立てを行う。
 政府方針に基づき、既存の1,520台の従来型バスをすべて電気バスに置き換え、エアコンを備えたクリーンエネルギーバスへとサービスを更新する。新型バスには、軽量かつ高強度なモノコック構造を採用するほか、車両監視用のCCTVカメラやGPS追跡システムを搭載する。
 また、同公社は第2段階として800台の電気バスを調達する計画を策定しており、現在、国会で審議中である。承認後は直ちに調達を開始し、第1段階の車両モデルや運用条件を活用して、運用の継続性と柔軟性を確保する方針としている。

ネスレが64億バーツ超を投資しタイのペットフード生産拠点を拡張(9月3日)

 タイ投資委員会(BOI)は、ネスレ(タイランド)社がラヨーン県アマタシティ工業団地にあるペットフード生産拠点を拡張するための投資促進を承認したと発表した。
 総投資額は64億バーツ以上となり、約45億バーツを投じるペットフード製造と、約19億3,000万バーツを投じるペット用おやつ製造の2プロジェクトで構成する。世界市場の需要拡大に対応するもので、製品の90%以上を米国、日本、オーストラリアなどの主要市場に輸出する計画である。タイはドイツに次ぐ世界第2位のペットフード輸出国で、同国のペットフード業界は年間8%以上の成長を続けている。
 両プロジェクトでは、年間4億5,000万バーツ以上の国内産原材料を使用する。Felix、Pro Plan、Friskiesなどを展開するペットフード製造では、鶏肉、イワシ肉、野菜、油脂、ビタミン、ミネラルなどの国内産原材料を約56%使用する。一方、Purina One、Felixブランドの猫用おやつ製造では、鶏肉、砂糖、タピオカ澱粉などの国内産原材料を約88%使用する。ネスレ(タイランド)社は、これらの投資を通じてタイ産農産物の世界市場への展開を進めるとともに、既に承認されたコーヒー生産工場プロジェクトと合わせ、2026年だけでタイに290億バーツ以上を投資するとしている。

Gulf Development社が1,000メガワット規模のデータセンタープロジェクトを推進(9月5日)

  時価総額でタイ最大のエネルギー会社であり通信事業者でもあるGulf Development社(GULF)は、データセンタープロジェクトの進捗状況を明らかにし、第1段階の容量が約1,000MWになると発表した。
 GULFは、直接電力購入契約(ダイレクトPPA)を通じて自社のデータセンターに直接電力を供給するため、発電プロジェクトの可能性を検討している。データセンターの大部分は地方に位置し、人口密集地から離れた地域に立地する計画で、必要な許可を取得しながら開発を進める。また、データセンターパークを造成するための用地開発計画も進めており、既に数百ライの土地を取得した。
 第1段階のプロジェクトは現在建設中で、残りのプロジェクトは開発段階にある。現時点では顧客との契約は締結されていないものの、データセンターへの電力供給を自社で確保する体制の構築を進めており、データセンター事業と発電事業を一体的に開発することで、今後の需要拡大に対応するとしている。

タイ投資委員会が日本企業の投資促進申請を発表、2025年は1,137億バーツ超(9月7日)

 タイ投資委員会(BOI)は、2025年に日本の投資家が302件の投資促進申請を提出し、その総額が1,137億バーツを超え、前年の2倍以上になったと発表した。
 日本の投資促進申請では、自動車・自動車部品産業が283億1,000万バーツ(前年比57%増)となったほか、電子機器・電気機器産業は193億7,800万バーツ(同76%増)、農業・食品産業は40億6,900万バーツ(同54%増)、物流・サービス部門は14億6,800万バーツ(前年の2倍以上)となった。日本の投資方針は、既存の製造拠点を技術革新によって高度化し、効率性を高め、高付加価値製品を開発することで、世界的な産業構造転換に備えることに重点を置いている。
 いすゞ、マツダ、三菱、ホンダなどの大手自動車メーカーは、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(MHEV)といった新世代の自動車技術に対応するため、工場を近代化する投資計画を発表している。また、日本商工会議所(JCC)が2026年上半期を対象に実施した調査では、回答企業504社のうち23%が2026年にタイへの投資を増やす計画で、48%が現在の投資水準を維持する見込みとなっており、日本企業が引き続きタイの事業拠点の維持・強化を進めているとしている。

タイ財務省がEV物品税を3段階化(9月10日)

 タイ財務省は、電気自動車(EV)に対する新たな物品税制度を3段階に分け、9月に閣議へ提出し、承認を求める準備を進めていると発表した。
 新たな税制は、投資額や国産物品の使用率に基づいて税率を設定することで、国内生産を促進し、自動車輸入を削減することを目的としている。物品税局は、投資促進レベルと国内生産部品の割合に基づき、3段階の税率を設定する。
 第1段階(最低税率)は、国内で車両を生産し、国内生産部品の割合が高いメーカーに適用する。第2段階(中程度の税率)は、市場テストや市場開拓のために車両を輸入し、国内生産への投資計画を持つメーカーを対象とする。第3段階(最高税率)は、販売目的で車両を輸入し、タイ国内での生産拠点の設立や投資計画を持たないメーカーに適用する。
 物品税局は、初期段階では第3段階の最高税率を最初に適用する準備を進めている。背景には、過去5年間のEV普及策「EV3.0~3.5」の成果があり、新車登録台数に占めるEVの割合は全車種を含めて50%を超えている。タイ政府は、EV普及とともに国内生産への投資を促し、大手自動車メーカーからの投資を継続的に誘致するとしている。

タイ発電公社が送電網強化に450億バーツ、データセンター向け電力供給を拡大(9月14日)

  タイ発電公社(EGAT)は、2027年に約450億バーツを投じ、国内の送電網を強化・拡張する方針を発表した。データセンターの集積が進み、電力需要が高まっている東部地域を中心に整備を進める。
 東部では、データセンター向けの電力供給能力を現在の550MWから2026年末までに約900MWへ引き上げ、2027年もさらに拡張する。全国では1,000MW以上の供給能力を増強し、累計で2,000MW以上を確保する見通しで、主要な送電網も「4ライン」から「6ライン」へ拡張し、各地域への電力供給を強化する。
 また、2026年電力開発計画(PDP 2026)の草案に盛り込まれた、出力300MWの小型モジュール炉(SMR)の導入に向けた調査・準備を進める。技術の成熟や法制度の整備を見極める必要があるため、導入までには約10年かかるとみている。
 このほか、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、スマートグリッドの整備や再生可能エネルギー予測センター、需要応答制御センターの設置を進める。蓄電池も2027年までに約200MWを追加し、データセンターの拡大や再生可能エネルギーの普及に伴う電力需要の増加に備え、電力インフラを強化するとしている。

タイ政府が第26次石油開発入札を実施、LNG受け入れ能力を2,700万トンへ拡大(9月14日)

 タイ政府は、海外企業による石油・天然ガスの探査・生産への投資を促すため、第26次石油開発入札を実施し、海上の約6万200平方キロメートルの地域を対象に投資機会を開放すると発表した。
 これに加え、LNGの受け入れ能力を年間1,900万トンから2,700万トンへ拡大し、エネルギー安全保障の強化とエネルギー転換への対応を進める。タイ政府は、天然ガスがエネルギー転換期において重要な燃料であり続けるとみており、調達や共同購入、共同投資など、エネルギー分野のバリューチェーン全体で海外企業との連携を強化する方針である。
 また、2050年のネットゼロ達成に向け、再生可能エネルギーや電力、水素、アンモニアに加え、二酸化炭素回収・貯留(CCS)を重要な技術の一つと位置付けている。CCSの実証プロジェクトでは最終投資決定(FID)に至った案件もあり、今後は産業部門から排出されるCO2を回収・貯留するための共同インフラ「Eastern Hub」の整備も進める。タイ政府は、エネルギーの安定供給を維持しながら、低炭素化に向けた投資と国際協力を拡大していくとしている。

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