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イギリスの肥満問題と食生活


 

イギリスで問題視されている肥満
 昨今、世界で肥満が問題となっている。WHO(世界保健機関)によると、2014年時点で世界の成人の13%、すなわち6億人以上が肥満とされ、世界で1980年から2014年の間に肥満人口は約2倍となった。その内訳をみてみると、1970年代から北米やヨーロッパなどを中心に肥満の割合が増加している。
 イギリスでも急速に肥満率が上昇している。WHOによると、1980年から2014年までの間に成人肥満率は9.6%から26.2%と大きく増加している。また、子供の肥満も深刻で、OECD(経済協力開発機構)によると11歳から15歳の子供の約30%が肥満かその傾向がある。

肥満の主な原因は食事!
 イギリスでは、ジャガイモを使った料理が多く、フィッシュ・アンド・チップスのようなファーストフードが人気である。また、1980年代以降、イギリスでは一人暮らしや共働きの増加に合わせて手軽に調理できる加工済み食品がスーパーなどで広く販売され、スナック菓子や砂糖を多く含む飲料の消費が急激に拡大している。カロリーが高い油系のファーストフードやスナック菓子、砂糖を多く含む飲料の多量の摂取が肥満の主な原因とみられている。

政府がとった対策
 イギリス政府は2016年8月に「子供の肥満に対する行動計画」を発表し、飲料や食品、学校教育などの分野で14の対策を講じている。これは肥満率の増加は生活習慣病の患者を増やし、医療費の増加につながる恐れがあるためである。その対策の中でも注目されているのはソフトドリンクに含まれる砂糖への課税である。その内容は100ml当たりに含まれる砂糖含有量が5g以上のソフトドリンクの生産者と輸入者に課税し、8gを超えるものには更に課税するというものであり、2018年4月の導入を目指している。
 また、子供の砂糖摂取量の20%削減を2020年までに達成することを目標に、アイスクリームやプリン、シリアル等子供が口にすることが多い食品や飲料の砂糖含有量を削減するよう外食業界を含めた食品業界に対して求めている。

イギリスで人気のダイエット
 「5:2ダイエット」、「サートフードダイエット」など多様なダイエット方法がイギリスでも話題である。「5:2ダイエット」は、1週間のうち2日間を断食とするダイエット方法で2012年にイギリス全土でブームとなった。「サートフードダイエット」は人間の体内にあるサーチュイン遺伝子を活性化する働きがあるサートフード、例えば、そば粉、大豆、味噌、オリーブオイル、リンゴ、ケール、パセリ、ケッパーなどを食べると脂肪が減少し、筋肉量が増えるという効果があるようだ。
 また、高タンパク低脂肪の食品やサプリメントなど食生活改善・健康維持に関心を持つ人が増えてきており、消費者が求める食品のニーズにも変化がみられる。                               
 このように近年食生活の改善への関心が高まっていることもあり、有機食品やヘルシーなイメージの日本食にも注目が集まっている。

食料品や飲料を販売する日系メーカー
 イギリスでの健康志向の高まりや肥満の問題を受けて、イギリスで食料品を販売する日系メーカーもそれらの需要に合わせた商品を販売している。日本からイギリスへの輸出品目の上位はソースや醤油などの調味料や清涼飲料水などであるが、各メーカーが他の健康食品にも注力している。
 乳酸菌飲料を販売するヤクルトは従来のヤクルトと砂糖含有量の少ないヤクルトライトを販売し、サントリー食品インターナショナルの子会社で、清涼飲料水やスポーツドリンクを販売するルコゼード ライビーナ サントリー社も同様にカロリーや砂糖含有量の少ない商品を販売している。(また、同社はホームページ上で将来的に100mlあたり製品に含まれる砂糖含有量を4.5g以下にすると宣言している。)
 政府と国民双方の健康志向が高まっているイギリスでは、今後、ヘルシーな日本食は関心を集めていくと考えられる。ただし現状、日本食は高価なイメージがある為、そのイメージの払拭や地方都市への普及が実現できれば更なる市場の拡大が期待できる。また、近年日本でも多く販売されている糖質やカロリーをカットした飲料や健康食品、サプリメントは今後イギリスでも大きな注目を集めるだろう。


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