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製造業に力を入れるエチオピア

 

順調な成長を続けるエチオピア
 近年目覚ましい経済成長を遂げているアフリカの国々であるが、その中でも特に安定的、かつ順調な成長を遂げているのがエチオピアである。外務省のデータによると、人口は109.7万平方メートル(日本の約3倍)、人口は約1億240万人となっている。IMFのデータによると、2017年のエチオピアの名目GDPはおよそ800億ドルとアフリカ大陸内では7位となっており、ナイジェリアや南アフリカと比較して経済規模は小さい。しかし、2004年からエチオピアの実質GDP成長率は10%前後で推移しており、2017年はおよそ10.9.%で世界第2位の成長率となった。 (なお、2017年の1位はリビアで前年比およそ64%の成長率を記録しているが、リビアは2011年の内戦により経済が大きく冷え込み、現在はその回復局面にあるため成長率が高い)。
 順調な成長を遂げているエチオピアであるが、国内の主要産業はコーヒーなどの農業が中心であり、世界銀行によれば、エチオピアの2016年の国民一人当たりGNIはおよそ660米ドルで、世界銀行が定義する低所得国の中でも低い水準となっている。
 この状況から脱却するべく、エチオピアは2025年の中所得国入りを目指し、5か年開発計画である「GTP(Growth and Transformation Plan)」を2010年に策定した。現在は2016年から2020年までの開発計画である「GTP2」に沿って2025年の中所得国入りを目指している。
 「GTP」・「GTP2」の基本的な趣旨は2025年の中所得国入りを目指して製造業を育成することで、製造業のGDP貢献率(2016年はおよそ5%)を2020年に8%、2025年には18%まで高めていくことを目標として掲げている。特に繊維・縫製業や皮革産業といった軽工業、農産物加工業などを優先産業として定めており、海外企業の誘致(工業団地の設立など)によってこれらの産業を育成していく方針となっている。

中国、東南アジアの次に来る生産拠点として
 エチオピアに生産拠点を構えるメリットに、低賃金が挙げられる。ジェトロのデータによると、エチオピアの首都アディスアベバの一般工の賃金は月額およそ50~70米ドルとなっており、ベトナムの都市ダナン(月額およそ195米ドル)や、カンボジアの首都プノンペン(月額およそ170米ドル)、ミャンマーの都市ヤンゴン(月額およそ135ドル)と比較しても圧倒的に安い。
 年齢別の人口を見ても、年齢が低くなれば低くなるほど構成比が高く、人口ピラミッドは富士山型となっているため、若い労働力を手に入れやすい。

多くの中国企業が進出
 国として製造業の育成を掲げ、海外企業の誘致に取り組んでいるエチオピアであるが、現在は多くの中国企業がエチオピアに生産拠点を有している。中国はエチオピアを含めたアフリカ諸国への資金援助、投資額を増やしており、エチオピアにおいては鉄道や道路などのインフラ整備へ投資したり、実際に工事を請け負ったりしている。そのため、中国とエチオピア両国の関係は良好で、アパレル企業など多くの中国企業がエチオピアに生産拠点を構えている。

日系企業ではユニクロがエチオピアに進出予定
 貿易の視点から日本とエチオピアの関係を見ると、2017年の日本からエチオピアへの輸出額は1億1,400万ドルとなっており、建設機械の輸出がおよそ2割を占める。一方、エチオピアからの輸入額は1億1,100万ドルとなっており、輸入額の9割近くをコーヒーが占める。外務省の平成30年度海外在留邦人数調査統計(平成30年度)によれば、現在エチオピアに拠点をもつ日系企業の拠点数は12と少ない。日系企業の進出の例として、アパレルブランド「earth music&ecology」で知られるストライプインターナショナルは、2016年からエチオピアでTシャツの生産を始めた。また、同じくアパレル業界のユニクロは2018年中にエチオピアでTシャツなどの試験生産を始め、将来的にはヨーロッパ市場へ向けた輸出拠点とする方針となっている。
 エチオピア政府は日系企業の誘致に積極的であり、今後工業団地内に日系企業専用ゾーンを開設する方針となっている。

政治情勢の面ではやや不安定
 繊維・縫製業など軽工業を中心に、海外企業の誘致に取り組むエチオピアであるが、政治情勢の面では不安定な一面もある。外務省のデータによると、エチオピアの人口はオロモ族、アムハラ族、ティグライ族など約80の民族から構成されており、多民族国家である。人口が最もが多いのはオロモ人、次いで多いのがアムハラ人であるが、長らく政権を担ってきたのは比較的少数民族のティグライ人やウォライタ人であり、オロモ人、アムハラ人を中心とした政治デモが2015年頃から2018年初頭まで続いた。現在は最も多いオロモ人のアビー氏が首相に就任し、政治情勢は安定に向かっているが、新たな反政府勢力の発生も危惧されている状況であり、完全に安定したとは言えない状況となっている。

軽工業を中心に、今後も海外企業の進出が増加していくと予想される
 政治情勢といった不安要素はあるものの、服飾など労働集約型の生産を行う企業にとって、低賃金は大きな魅力である。今後も軽工業を中心に、様々な企業の進出が増えていくことが予想される。


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