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タイ経済ニュース:2026年8月後半

タイ政府が熱分解(パイロリシス)技術によるごみの燃料化を推進(8月16日)

 タイ政府は、プラスチックごみを燃料に変換する熱分解技術の利用を促進しており、地域のエネルギーコスト削減や収入増加につなげる取り組みを進めている。
 生産した燃料は、農業機械や揚水ポンプ、地域の発電機などに利用でき、エネルギーコストを約20~40%削減できると見込んでいる。タイではプラスチックごみを含む廃棄物への対応が課題となっており、廃プラスチックの資源化・再利用に向けた取り組みが進められている。
 また、政府は地域にごみの分別・買い取りセンターを設置することも支援しており、住民の雇用や収入を増やすだけでなく、埋め立てるごみの量を削減し、地域内で資金を循環させる効果も期待されている。
 今後はこのモデル事業を全国各地に展開し、研究機関、教育機関、地方自治体、地域住民などと連携しながら、それぞれの地域に適した廃棄物管理を推進する。これにより、各地域が廃棄物をエネルギー資源として活用し、自らエネルギーを確保しながら持続的に地域を運営できる社会の実現を目指すとしている。

味の素(タイランド)社が「AminoScience」で次の成長へ、健康・食品分野の事業を強化 (8月18日)

 味の素(タイランド)社は、2026年の事業方針を発表し、アミノ酸に関する知見を活用した「AminoScience」を軸に、食品・栄養・ヘルスケア分野の新たな製品・サービスの開発を進めると発表した。「Eat Well, Live Well.」を掲げ、タイ人の健康と生活の質の向上を目指す。
 2025年の売上高は約340億バーツに達し、タイで親しまれている風味調味料「ロッディー(RosDee)」をはじめ、うま味調味料「味の素」や缶コーヒー「Birdy」などが高い市場シェアを維持している。2026年は、健康志向や価格意識、多様化する食生活などの消費者ニーズを捉え、新製品・サービスを展開するほか、飲食店やストリートフード事業者を支援する「味の素・クー・ラーン」も展開する。
 同社は、従来の食品・調味料メーカーとしての事業にとどまらず、グローバルな技術・イノベーションとタイ市場のニーズを組み合わせ、健康・ウェルビーイング分野のパートナーへと事業領域を広げ、持続的な事業成長と社会への価値提供を目指すとしている。

タイ工業団地公社がEVバッテリー管理施設に50億バーツを投資(8月19日)

 タイ工業団地公社(IEAT)は、推定投資額40億~50億バーツで、総合的な電気自動車(EV)バッテリー管理施設を設立する計画を発表した。
 同プロジェクトでは、使用済みバッテリーを体系的に指定された管理区域に回収し、化学物質や有害物質が管理システム外に漏洩することを防ぐことで、産業廃棄物管理における国の安全基準向上を図る。投資額は、高度な安全システムや危険物管理、バッテリーの選別・解体システム、材料を再利用するためのリサイクル技術などの重要インフラの整備に充てる。プロジェクトでは循環型経済モデルを活用し、バッテリーをエネルギー貯蔵システム向けに再利用するほか、リサイクルによって貴重な原材料を抽出し、再利用する2つのアプローチを採用する。
 東部経済回廊(EEC)における候補地として現在3か所が検討されており、EVバッテリーの回収から再利用・資源回収までを一貫して行う拠点の整備を目指す。IEATは、同プロジェクトをタイにおけるEVへの持続可能な移行と循環型経済の構築に向けた重要な一歩としている。

Indorama Ventures社がパートナー企業と年間4億本相当のPETボトルをリサイクル(8月19日)

 タイ化学メーカー大手のIndorama Ventures社は、サントリーホールディングス、Suntory PepsiCo Beverage(Thailand)、岩谷産業などの大手パートナーと協力し、リサイクルPET包装の商業利用を促進すると発表した。
 今回の提携では、プラスチックの破砕品であるフレークからPETプリフォームを直接製造する「Flake-to-Preform(FtoP)ダイレクトリサイクル技術」を、Indorama Ventures社と岩谷産業が設立した合弁会社Indovida(Thailand)社を通じてタイに導入する。同技術は、サントリーと日本のリサイクル会社である協栄産業(タイランド)を含むパートナー企業との共同開発による特許取得済みの技術で、リサイクルPETボトルから直接PETプリフォームを製造することで、リサイクル効率の向上と環境負荷の低減を実現する。
 東南アジアでは初の商業導入となり、年間約4億本のPETボトルに相当するリサイクルPETプリフォームの生産を見込む。プリフォームは2028年以降、Suntory PepsiCo Beverage(Thailand)社に納入される予定であり、タイにおける循環型パッケージング能力を強化するとともに、東南アジア全域での事業展開につなげるとしている。

タイがCPグループ・Amazon・AWSなどと連携し、ASEANのAIハブを目指す(8月24日)

 タイ最大のコングロマリットCP Group社、同グループの通信事業者True社、デジタルソリューションプロバイダーのArise Ventures Group社、Amazon社、Amazon Web Services(AWS)社は「Thailand AI National Mission」のもと、タイ国内にAIエコシステムを構築するための協力を発表した。
 単にAIを導入・利用するだけでなく、エネルギー、半導体、データセンター、AI人材、ソフトウェア、スタートアップ、新技術まで、AIのバリューチェーン全体を発展させる方針である。
 中でも重要な取り組みとして、AWSはタイのクラウドインフラに15年間で50億米ドル超を投資しており、デジタル基盤の整備を進めている。また、CP GroupとAWSは、これまでに約12万人へのAI関連トレーニングを実施しており、今後はタイ国内で最大300万人のクラウド・AIスキル向上を目指す。さらに、AIイノベーション・ハッカソンの開催や大学との連携を通じたAI人材の育成、スタートアップの創出、教育・ビジネス・行政分野へのAI活用も進める方針である。
 今後、AI・クラウドのインフラ、人材、スタートアップ、デジタルサービスなどを総合的に発展させ、タイを東南アジアにおけるAI・クラウドの中心地へ成長させることを目指すとしている。

タイの7月自動車生産が6.12%増加、EVが牽引する一方ピックアップトラック販売は60%減少(8月25日)

 タイ工業連盟(FTI)の自動車産業グループは、2026年7月の自動車生産台数が前年同月比6.12%増の117,383台となったと発表した。
 電気自動車(EV)部門の成長が全体の生産を押し上げた一方、内燃機関車の生産やピックアップトラックの販売は減少した。7月の乗用車生産は47,507台で、BEVが13,422台(同271.80%増)、PHEVが1,661台(同295.48%増)、HEVが24,173台(同95.35%増)と大幅に増加した一方、内燃機関車は8,251台(同62.49%減)となった。
 一方、国内自動車販売は59,196台と前年同月比20.07%増加したものの、金融機関による融資基準の厳格化を背景に、ピックアップトラックの販売は大幅に落ち込んだ。ピックアップトラックは国内生産部品の使用比率が高く、販売低迷が部品メーカーやサプライチェーン全体に波及しており、一部メーカーでは事業閉鎖や海外への投資移転も進んでいる。
 2026年1~7月の累計生産台数は834,595台と前年同期比0.09%減にとどまり、FTIは現政権に対し、税制改革や車両差し押さえによる損害を補償する基金の設立など、構造的な問題への早急な対応を求めるとしている。

GGCとCP AXTRAがSAF・バイオ製品への活用に向けた共同研究を開始(8月28日)

 タイの化学メーカーのGlobal Green Chemicals(GGC)と小売りチェーンを展開するCP AXTRAは、CP AXTRAの支店、関連会社およびネットワークから使用済み食用油(UCO)を回収し、SAFやバイオ製品への活用可能性を検討するための覚書を締結したと発表した。
 今回の共同研究では、支店レベルから使用済み食用油を回収・収集する体系的なプロセスの構築を目指し、年間約5万リットルの使用済み食用油の回収を見込む。回収したUCOは品質を向上させた上で、持続可能な航空燃料(SAF)、バイオプラスチック、バイオケミカル製品の原料としての利用可能性を評価し、資源の再利用による循環型経済の実現につなげる。両社は、それぞれの強みを生かし、UCOの回収から品質向上、各種産業における再利用まで幅広く連携する。
 GGCは、使用済み食用油を精製したRUCOをSAFやバイオナフサなどの持続可能な原料として活用する取り組みを進めており、今回の連携もこうしたバイオ由来製品への展開の一環となる。 研究が成功すればSAF生産への展開も期待され、小売現場における資源管理の高度化と航空分野の温室効果ガス排出量削減に貢献するとしている。

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