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高齢化が進展する中国


 

毎年4~5%ずつ増加する高齢者人口
 13億7,000万人(2016年)の全人口を抱え、世界で最も人口の多い中国であるが、日本同様、高齢化の波が近づいている。現在、日本の全人口に占める高齢者人口(65歳以上)は25%を超えているが、中国でも全人口に占める高齢者人口(60歳以上)は16%程度(2億2,000万人以上)と言われている。まだ日本ほど高齢化が進展しているわけではないが、高齢者人口はすでに日本の全人口を上回っている。
また、中国では毎年4~5%ずつ高齢者人口が増加しており、2020年代の初頭には高齢者人口が全人口の20%程度(2億8,000万人)に達し、2050年代には全人口の40%前後(5億人)に達すると予想されている。
 全人口で見た場合、日本は2011年以降減少傾向に入っているのに対し、中国は労働人口が減少傾向に入っている。また、2030年代には全人口においても減少傾向に入ると言われており、今後10年程度で急速に高齢者社会が訪れると予想されている。

どうする高齢者の介護問題
 中国では、ひと昔前の日本のように高齢者の世話を親戚一同で面倒を見る慣習が強く残っており、親の面倒を家族が見るのが当たり前であった。しかし、そうした事情も変わってきている。
上海や広州など大都市部で暮らす裕福な世帯においては、親が子供に迷惑を描けたくないという理由から介護ヘルパー(または家政婦)サービスを利用したり、中には高級ホテルのような介護施設で老後を過ごす人々も増えてきている。一方、地方や農村部においては子供が都市部に出稼ぎに行ったまま戻ってこず、高齢者のみで生活をする“空巣老人”が増えている。現在、中国における高齢者の5割がこの“空巣老人”といわれており、今後こうした高齢者の介護をどうするのか大きな問題となっている。特に懸念されているのは、こうした高齢者の内、子供から金銭的な支援も得られず、わずかな年金で生活している人々である。
 こうした子供に世話を頼ることができず、わずかなお金で生活をしている高齢者が介護を必要とする場合はどうするのか。中国の場合、日本のような公的介護保険制度を設けていないため、介護サービスを受ける費用は全て自己負担となってしまう。このため、介護サービスに費用を払うことができない高齢者は、親族の誰かを頼るか、地方政府が運営している生活困窮者のための施設(敬老院、社会福利院)に入所するしかない。高齢者の中には誰にも頼ることができず、こうした状況を絶望して自殺をする人も出てきており、大きな社会問題になりつつある。

対応を進める中国政府
 今後の高齢者の介護問題に対処するため、中国ではまず90-7-3方式(各地方政府によって若干異なる)を目標に介護サービスの整備を進めている。これは高齢者の90%を在宅介護(ホームヘルパーなどによる自宅での介護サービス)、7%を社区介護(有料(安価)で利用できる地域のデイケア施設サービス)、3%を施設介護(有料で利用できる介護施設サービス)で対応しようというものである。
 各地方政府では介護施設の新規参入者に対し、ベッド数に応じた補助金の支給や、税金面で優遇措置を取るといった施策を実行し、施設数の増加を図っている。また、前述した敬老院や社会福利院といった公営の介護施設の整備も進めている。
 さらに、中央政府が発表した「第13次五か年計画(2016~2020年)」では介護保険制度の整備を検討する方針が示された。これに伴いまず全国15都市(上海市、広州市など)をパイロット地区として介護保険制度の創設を認めた。各地方政府によって保険の内容は異なるものの、方針に基づき2020年を目途に中国全土で今後介護保険制度を整備していくものと思われる。

外資系企業にも参入チャンスがある
 中国では介護サービスが進んでいる欧米や日本の企業の参入によって、介護サービスの品質が向上することを期待している。すでに外資系企業の誘致に対し、税制面での優遇制度の整備や、誘致イベントを開催するなど力を入れている。日本には優れた介護サービスや介護機器などもあり、今後拡大が見込まれる中国での介護サービス市場の獲得を図ることも十分期待できる。但し、ビジネスを成功させるためには中国と日本における習慣や国民性の違い、認可制度など十分にリサーチを行った上で参入しなければならないだろう。


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