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大チャンス!中国(海南)自由貿易試験区でできること


海南自由貿易試験区の設立
 2013年9月に中国(上海)自由貿易試験区が設立されてから5年の間に、北から南へ、沿岸部から内陸部へと広がり、上海をはじめ12か所の自由貿易試験区が相次いで設立された。(中国)自由貿易試験区(Free Trade Zone)とは、中国の改革開放を深化するため、特定の地域に貿易や投資の自由化・円滑化を目的で外国商品の関税を削減・撤廃し外国商品を自由に出入りできる地域である。
 2018年10月、国務院の『中国(海南)自由貿易試験区総体方案』の公布により、海南自由貿易試験区が設立された。それ以前の自由貿易試験区では、実施範囲は平均約120平方キロだが、海南自由貿易試験区では、海南省全域を対象として、約3万平方キロであり、地理的に優位である。
 同年11月、国務院は「自由貿易試験区の改革・イノベーションの深化を支援する若干の措置に関する通知」を公布した。通知は合計53項目に及んでおり、外資参入の規制緩和、人材、金融等様々な分野で措置を講じている。

三つの領域(各産業)における海南自由貿易試験区での取り組み
 『中国(海南)自由貿易試験区総体方案』により、海南自由貿易試験区はプランテーション(植物栽培)、医療、教育、観光、通信、インターネット、文化、金融、航空、海洋経済、新エネルギー自動車製造などの領域に重点を置き、特に先端農業、ハイテク産業、先端サービス産業の更なる対外開放を促進する。具体的な措置をこれから紹介しよう。
 第一次産業では、新しい野菜品種の育成及び種子生産に対する外資出資比率制限が解除される。
 第二次産業では、船舶(その一部も含む)並びに航空機の設計、製造及び補修に対する外資出資比率制限が解除される。新エネルギー自動車製造における外資参入の制限が解除される。建築業では、自由貿易試験区内に設立された外資単独資本建築企業が請け負えるプロジェクトの範囲が拡大した。
 第三次産業では、数多くの産業において開放措置を講じている。例えば、生命保険会社に対する外資出資比率を51%までに緩和される。国際海上運輸会社、国際船舶代理会社に対する外資出資比率制限が解除される。観光産業では、クルーズ船客に対して15日以内の入境はビザの申請を免除する政策が検討され、外国資本旅行会社による海南への進出を積極的に誘致している。また、越境ECの発展を促進するため、中国国内外のECサイトを運営する企業を積極的に受け入れている。
 海南自由貿易試験区では、以上説明した産業以外にも様々な政策や対策を取り組んでいる。
日本企業が海南に進出するメリット
  日本企業を含めた世界中の投資家による海南への投資を誘致するため、中央政府からも、海南省からも、特定の産業における外資企業の投資を支援し、積極的に国際貿易の環境を整備している。例えば、外資系企業に対してネガティブリスト方式を実施している。ネガティブリストには、国内外の投資家が投資を制限・禁止される分野が列挙されている。2013年のネガティブリストは190条の制限があったが、2018年になると、45条まで縮小した。そのため、日本企業が中国自由貿易試験区でビジネスしやすい環境ができた。
 2019年2月、国家発展改革委員会商務部は『外資企業による投資を奨励する産業目録(意見募集稿)』を公開した。意見募集稿により、海南省で投資する外資企業に対して、数多くの産業において税制の優遇や申請手続きの簡素化などの支援が行われている。例えば、クルーズ船の製造やヨットの設計、製造及び補修事業、物流業務に関わる倉庫施設の建築事業、また、医療観光やスポーツ観光事業など『外資企業による投資を奨励する産業目録(意見募集稿)』に含まれる事業に対して、外資企業には税制の優遇措置がとられている。
 その他、付加価値電気通信業務の外資参入の審査権限は国が海南省に授権することにより、日本の電気通信事業者は国ではなく海南省から直接その業務の展開許可が得られ、海南島を拠点として、中国に進出できる。
 このように、様々な政策を通じた投資環境の向上により、今後海南島での日系企業のビジネスチャンスが広がるだろう。

(2020年1月)


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